2009年11月27日
ピオネールとボーイスカウト
ロシアの街角。今日はしとしと雨降りです。
はねをあげながら、一台の配送車が通り過ぎていきます。
雨のベンチに腰掛け、アコーディオン(ガルモーシカ)を
奏でながら歌うゲーナの前で、配送車は静かに停まります。
「ゲーナさんですね?お届けものです。ここにサインを」
荷台から現れたのは、リボンのかかった大きなプレゼントの
箱。それを押しながら チェブラーシカも出てきました。
チェブラーシカがすっぽり入ってしまうほどの、大きな
青い箱から出てきたものは、おもちゃのヘリコプターでした。
ヘリコプターを眺めては、満足そうに微笑むゲーナと
チェブラーシカ。今日はゲーナのお誕生日だったようです。
そんな二人の前へ、白いシャツに赤いネッカチーフを巻いた、
半ズボン姿の少年達が、行進しながらやってきました。
凛々しく一列に並び、手にはめいめい木の株、スコップなどを
持っています。どうやら植樹活動に向かう途中のようです。
「ねえゲーナ、あれがピオネール?なんてかっこいいんだろう」
歩き去る彼らの姿を、ため息混じりに見つめるチェブラーシカ。
そのときです。 ふわり。 いっぱいにネジが巻かれた
おもちゃのヘリコプターを抱えていたチェブラーシカは、
うっかり空高く舞い上がってしまいます。
「手を放すんじゃないぞ、チェブラーシカ!」
無事に着地したチェブラーシカと、ヘリコプターを追いかけて
きたゲーナが見たものは、今度は小鳥の巣箱作りをしている
ピオネールの少年達でした。
チェブラーシカのピオネール入隊志願の思いは強くなるばかり。
ところが...
「行進もできない、鳥の巣箱も作れないんじゃ、入れてあげられないね。
りっぱでなくちゃ、ピオネールには入隊できないんだ。
そうだな。まあ、動物の小屋になら入れてあげてもいいけどね。」
リーダーの少年に そう茶化されてしまったチェブラーシカは、
ゲーナのガルモーシカに合わせて行進の練習をしたり、小鳥の
巣箱を作ろうとするなど、「りっぱ」になるための努力を始めます。
映画『チェブラーシカ』の第二話「ピオネールに入りたい」では、
「ピオネール」と呼ばれる社会活動を行う少年たちが登場します。
日本でいうなら「ボーイスカウト」のようなものでしょうか。
ただ「ボーイスカウト」は、やる気があれば誰でも入れるのに対し、
「ピオネール」は、そうはいかないようです。将来有望なエリートの
基準をクリアしている事に加え、出身階級も限定されていたようです。
物語の中で「ピオネール」の少年達の言葉から、団員であることに
対する絶対的な誇りと自信がうかがえるのも、うなずけます。
チェブラーシカとゲーナは、「ピオネール」に入れるのでしょうか。
(C)2009 まーりたん All Rights Reserved.
はねをあげながら、一台の配送車が通り過ぎていきます。
雨のベンチに腰掛け、アコーディオン(ガルモーシカ)を
奏でながら歌うゲーナの前で、配送車は静かに停まります。
「ゲーナさんですね?お届けものです。ここにサインを」
荷台から現れたのは、リボンのかかった大きなプレゼントの
箱。それを押しながら チェブラーシカも出てきました。
チェブラーシカがすっぽり入ってしまうほどの、大きな
青い箱から出てきたものは、おもちゃのヘリコプターでした。
ヘリコプターを眺めては、満足そうに微笑むゲーナと
チェブラーシカ。今日はゲーナのお誕生日だったようです。
そんな二人の前へ、白いシャツに赤いネッカチーフを巻いた、
半ズボン姿の少年達が、行進しながらやってきました。
凛々しく一列に並び、手にはめいめい木の株、スコップなどを
持っています。どうやら植樹活動に向かう途中のようです。
「ねえゲーナ、あれがピオネール?なんてかっこいいんだろう」
歩き去る彼らの姿を、ため息混じりに見つめるチェブラーシカ。
そのときです。 ふわり。 いっぱいにネジが巻かれた
おもちゃのヘリコプターを抱えていたチェブラーシカは、
うっかり空高く舞い上がってしまいます。
「手を放すんじゃないぞ、チェブラーシカ!」
無事に着地したチェブラーシカと、ヘリコプターを追いかけて
きたゲーナが見たものは、今度は小鳥の巣箱作りをしている
ピオネールの少年達でした。
チェブラーシカのピオネール入隊志願の思いは強くなるばかり。
ところが...
「行進もできない、鳥の巣箱も作れないんじゃ、入れてあげられないね。
りっぱでなくちゃ、ピオネールには入隊できないんだ。
そうだな。まあ、動物の小屋になら入れてあげてもいいけどね。」
リーダーの少年に そう茶化されてしまったチェブラーシカは、
ゲーナのガルモーシカに合わせて行進の練習をしたり、小鳥の
巣箱を作ろうとするなど、「りっぱ」になるための努力を始めます。
映画『チェブラーシカ』の第二話「ピオネールに入りたい」では、
「ピオネール」と呼ばれる社会活動を行う少年たちが登場します。
日本でいうなら「ボーイスカウト」のようなものでしょうか。
ただ「ボーイスカウト」は、やる気があれば誰でも入れるのに対し、
「ピオネール」は、そうはいかないようです。将来有望なエリートの
基準をクリアしている事に加え、出身階級も限定されていたようです。
物語の中で「ピオネール」の少年達の言葉から、団員であることに
対する絶対的な誇りと自信がうかがえるのも、うなずけます。
チェブラーシカとゲーナは、「ピオネール」に入れるのでしょうか。
(C)2009 まーりたん All Rights Reserved.
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