視覚障害者に荒川線貸し切り運行
家に閉じこもりがちな視覚障害者に外出機会を増やしてもらおうと、都電荒川線の一車両を貸し切って旅路を楽しむイベントが二十七日にあった。視覚障害者が助けを求めるときのポーズ「白杖SOSシグナル」を広める狙いもあり、シグナルのイラストをラッピングした車両が使われた。
都盲人福祉協会(都盲協)の城北ブロックなどが初めて企画した。車両は三ノ輪橋(荒川区)から早稲田(新宿区)を二往復し、沿線の視覚障害者や案内役のガイドヘルパーなど計約百六十人が参加、交代で乗車した。
車内ではフルートとファゴットの演奏があり、「リンゴの唄」や「上を向いて歩こう」などをみんなで合唱。参加した北区の鈴木幹雄さん(64)は「音楽が好き。こういうイベントに参加できてありがたい」と満足そうだった。シグナルの説明や、車窓からの風景の観光ガイダンスもあった。
イベントに協力した荒川区視力障害者福祉協会の野田和義会長(68)は「ガイドヘルパーを気遣ったりして外出を控える人もいる。いい外出機会になってよかった」。城北ブロックの市原寛一さん(51)は「東京五輪・パラリンピックに向けて、気軽に視覚障害者に声をかけてもらえるような機運を高めたい」と話した。都盲協は昨年十二月から、シグナルをPRするラッピング電車を走らせている。
東京新聞 2018年7月28日
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