鳥取市で一日あった「全国高校生手話パフォーマンス甲子園」で鳥取県聴覚障害者協会賞に選ばれた田鶴浜高校(七尾市)の手話部。認知症をテーマに、高齢者が安心して暮らせる社会への願いを表情豊かに演じて、三度目の入賞に輝いた。 (鈴木弘)
介護負担、認知症テーマ
出場したのは三年の奥村美紅さん(17)、西野留那さん(18)、川村梨紗さん(17)、二年の石黒亜友美さん(17)の四人。川村さんが裏方のエンジニアを務め、ほかの三人がパフォーマーとして舞台に立った。
二〇〇六年に京都市で起きた事件を基に、介護に疲れた息子が認知症の母を手にかけるまでを再現。問題はひとごとではないとして、関係者を支える認知症サポーターを紹介し「誰かが一歩を踏み出せば社会は変わる」「老いを幸せと感じられる社会をつくる」と全身で訴えた。
介護福祉士や看護師などを目指す生徒らは一年生から高齢者施設などで研修し、介護現場の過酷な現状を目にしていたことから多くの人たちと課題を共有しようと認知症を今回のテーマに選んだ。
大会には予選を通過した全国の二十チームが参加、歌や演劇、ダンスなど八分以内のパフォーマンスで手話の正確さやメッセージ、表現力などを競った。
四年連続出場の田鶴浜高は、優勝(二〇一四年)、審査員特別賞(一五年)に続き、今回で三度目の入賞となった。審査員からは「重たいテーマによく取り組み、日本の在り方を考えるきっかけになった」などと評価されたという。
部長の奥村さんは「やり切ったと思う」と話し、西野さんは「練習してきた表情や感情が本番でも出せた」と充実した様子。選手宣誓も務めた石黒さんも「全力を出し切れた」。川村さんは「三人のサポートができた」と振り返った。
2017年10月4日 中日新聞
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