東京都武蔵野市に、全国の障害者事業所が作った雑貨だけを集めたセレクトショップがある。JR吉祥寺駅から徒歩8分ほどの所にある「マジェルカ」には全国70事業所の300点ほどの製品が並ぶ。客の反応などをフィードバックし、売り上げ増に向けた助言をすることもあり、障害者事業所からの売り込みが後を絶たないという。
代表の藤本光浩さんは、もともとメーカーのマーケター。かつて仕事で積み木のおもちゃを扱った際、障害者事業所で作られたものと後から知り衝撃を受けた。「調べると、質は高いのに値段が安すぎる製品が少なくなかった。障害者が作るという付加価値も含めたブランディングをきちんと行えば、市場で通用すると思った」(藤本代表)。
2011年にオープンした際には、全国の障害者事業所の製品を調査した。経験をもとに「売れる」と感じた製品があれば、分厚いプレゼン資料を用意して1カ所ずつ回ったという。
同店で扱う雑貨は、委託販売ではなく、障害者事業所から直接買い取るのも特徴だ。そのため障害者事業所とは対等な関係で、製品のパッケージデザインや価格設定などについて議論できる。
例えば、500円だったブローチのパッケージを変えて1800円で売ったケースもある。藤本代表は「適切にブランディングすることで、店と障害者事業所の利益が増え、利用者の工賃アップにもなる。ただ安いだけでは誰も得しない」と言い切る。
一方、同店は今年8月から、就労継続支援A型事業所の認可をとった。これまでショップを経営する中で、障害がある人の働く場所づくりの重要性を感じたからだ。
藤本代表は「ショップは障害者事業所とお客様をつなぐ通訳みたいなもの。まだ世間が知らない良い商品を積極的にアピールしたい」と話している。
問い合わせは同店(電話0422・27・1623)まで。
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