ヨモギArtemisia princeps Pampaniniはアルテミスに捧げられたとする植物で、古代より婦人科薬として使用されていました。日本薬局方には生薬ガイヨウ(艾葉)の項に「本品はヨモギA. princeps Pampanini又はオオヨモギA. montana Pampanini (Compositae)の葉及び枝先である」と記載されています。ヨモギは草丈60〜120 cmで根茎が横走し、茎は地表面で分かれ縮毛があります。葉は互生で、6〜12 cmほどで、羽状中〜深裂し2〜4対になります。花期は9〜10月で、花は円すい型の複総状花序に管状花のみからなる淡褐色の頭花を多数付けます。一方、オオヨモギはその名の通りヨモギの2倍ほどの草丈で、茎も太く、葉も大きいです。オオヨモギの花期は8〜10月で、淡黄色の頭花を多数円すい状に付けます。どちらのヨモギも5月頃から夏の間に葉を採取し、日干しにすることでガイヨウとなります。ガイヨウは経を温め、血を止める効果があります。ガイヨウが配合されている芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)は痔出血の治療を目的に使用されます。
ヨモギと聞くと、草餅やおひたしが頭に浮かびませんか。沖縄でヨモギは「フーチバー」と呼ばれ、野菜や薬草として考えられていて、風邪をひいた時に雑炊にして食べるそうです。ヨモギは食用や薬としてだけではなく、薬酒や薬草風呂、化粧品にも使用されています。陰干ししたヨモギと砂糖をホワイトリカーに1ヶ月漬けるとヨモギ酒になります。ヨモギ酒は独特の香りが広がり、咳止め、痰切り、止血の効果があるとされています。また、夏場汗をかいた後のかぶれやかゆみにはヨモギ風呂やヨモギの煮汁を塗布するとかゆみが和らぎます。更に、5月頃に採取した葉を乾燥し、臼に入れて粉末状に砕き、ふるいにかけて毛だけを集めた物がもぐさ(艾)となり、お灸に使われます。韓国の民間療法で産後のケアとして、よもぎを煎じた蒸気を下半身に浴びる「よもぎ蒸し」が愛用されています。日本でも首から下をハーブテントで包み、よもぎ蒸しを温活として提供しているサロンがあり女性を中心に人気があります。ヨモギは古代においても、現代においても女性に好まれる植物なのです。
https://www.pharm.or.jp/flowers/post_29.html
<コメント>
抗癌剤の34000倍がん細胞を死滅させるとも言われるヨモギは万能薬です。
手軽に手に入りますので活用しましょう。
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