元となる細胞と同じ細胞を作り出す「自己複製能」を持つ幹細胞は、老化にともなう機能の低下がまねく健康状態の変化を防止する効果が期待され、研究が進められています。そんな中、実際に人に対して実施された幹細胞治療の実験で、老化を防止できる効果が確認されたという結果が発表されています。
Stem Cell Studies Build Momentum toward Therapy for Age-Associated Frailty | Miller School of Medicine | University of Miami
http://www.med.miami.edu/news/published-stem-cell-studies-build-momentum-toward-therapy-for-age-associate
Allogeneic Mesenchymal Stem Cells Ameliorate Aging Frailty: A Phase II Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Clinical Trial | The Journals of Gerontology: Series A | Oxford Academic
https://academic.oup.com/biomedgerontology/article/72/11/1513/3977809/Allogeneic-Mesenchymal-Stem-Cells-Ameliorate-Aging
Anti-aging stem cell treatment proves successful in early human trials
https://newatlas.com/aging-frailty-stem-cell-treatment-human-trials/51867/
研究が進められている体性幹細胞のうち、特に間葉系幹細胞と呼ばれる種類の幹細胞は、骨や血管、心筋の再構築といった再生医療への応用が期待されています。マイアミ大学ミラー医学部が実施した2件の検証では、高齢者の体に起こる老化による機能低下を防止することを狙って実験が進められたとのこと。すでに2段階の検証が実施されており、いずれも関葉系幹細胞には人体に悪影響を与えることなく老化を取り戻す効果が認められているとのことです。実験では、成人のドナーの骨髄から取り出した幹細胞を被験者に一度だけ注入してその後の経過を確認しており、被験者の平均年齢は76歳だとのこと。第1段階の検証には15人が参加し、20歳から45歳の成人ドナーの骨髄から採取した幹細胞を注入したところ、6か月後には全ての被験者で身体の健康状態、腫瘍壊死因子が好転し、総合的に判断される「クォリティー・オブ・ライフ」も良好なものに転じていることが確認されています。続いて行われた第2段階では、実際には処置を行わないプラセボ群を含む被験者を対象とした検証が行われており、ここでも同様に状況の改善がみられているとのこと。研究グループはその成果を「注目に値すべきもの」と評しているほか、老年学に関する医学誌「The Journals of Gerontology」のDavid G. Le Couter氏とその同僚は「少数のサンプルをもとに効果を判断することは常に議論がつきまといますが、単一の処置が老化に関する主要な要素に対して数か月間にわたる改善をもたらしたとみられる事実は、注目に値すべきものです」と賛辞を送っています。今後、研究チームは被験者を10カ所・120人規模に拡大した「第2b段階」の検証を実施し、最終的にはより一般を対象にした検証へと進む予定です。
https://gigazine.net/news/20171025-anti-aging-tem-cell-treatment-human-trial/
<コメント>
老人のいない世界が来るのでしょうか。
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