2018年11月09日
明治安田生命J1リーグ 第32節 プレビュー
11月10日(土)に開催される明治安田生命J1リーグ 第32節のプレビューを紹介します。 |
J1リーグ 第32節 11月10日(土) 札幌厚別公園競技場 (入場可能数:19,620人) 14:00 kick off 北海道コンサドーレ札幌 − 浦和レッズ |
勝点差は『6』。ACL圏浮上のため、ともに負けられない一戦。
11月の第2週に開催される明治安田J1第32節。札幌厚別公園競技場では、勝点51の暫定4位・札幌と、勝点45の6位・浦和が対戦する。4月21日に開催された前回対戦はスコアレスドローに終わっている。
札幌は前節、札幌ドームに仙台を迎えて、1−0で勝利。立ち上がりから目まぐるしく攻守が入れ替わるハイテンポな試合が繰り広げられ、それでいてなかなかスコアが動かない展開だったが、74分に三好 康児が相手DFからボールを奪い、強烈なシュートを叩き込んで先制。その直後にPKを献上してしまい、若干イヤな雰囲気も漂ったものの、これをGKク ソンユンが見事にストップ。勢いを生むビッグプレーでそのまま仙台を押し切ることに成功している。
一方、すでに冷え込みが始まっている11月の北海道に乗り込む浦和の前節は、ホームでG大阪に1−3で敗戦。前半終了間際というイヤな時間帯に失点を喫し、後半開始早々に興梠 慎三の得点で同点としたものの、その後はチャンスをなかなか生かし切れず、G大阪に勝ち越し点を奪われてしまった。G大阪の9本を上回る14本のシュートを放っていただけに、好機を決め切れなかったことが悔やまれる。
秋口に入ってからの浦和は内容面で着実に安定感を高めながらも、フィニッシュの精度で結果が大きく左右してしまっている状況だ。神戸に4−0、柏に3−2と高い決定力で勝点3を積んだかと思えば、仙台戦では14本のシュートを放ちながらも決定力を欠き1−1のドロー。かと思えば鹿島から3点を奪ったり、かと思えば前節のようにボール保持などでも上回りながら1得点にとどまって敗れてしまったり。順位も一気に浮上しそうでなかなかし切れず、フィニッシュの精度次第でチームの今後がいくらでも変わる。そんな状況にあるといえるだろう。
さて、そんなチーム同士の対戦だが、現時点での札幌と浦和との勝点差は『6』。残り3試合という状況を考えれば簡単に埋まる差ではないが、この直接対決を浦和が制するようであれば一気に3差へと縮まる。浦和にもまだまだAFCチャンピオンズリーグ出場圏内へ食い込むチャンスがあり、この試合が非常に重要な意味を持つ。もちろん、札幌も現在の位置を簡単には譲れない。熱いバトルが期待できそうである。
ちなみに、この札幌のホームゲームは札幌ドームではなく札幌厚別公園競技場で開催される。11月の札幌市内は日中でもすでに冷え込み、同競技場は特有の風が吹き、体感気温は実際の気温よりもグッと低くなるため、観戦に行かれる方にはしっかりとした防寒準備をオススメしたい。
[ 文:斉藤 宏則 ]
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J1リーグ 第32節 11月10日(土) 味の素スタジアム (入場可能数:48,999人) 14:00 kick off FC東京 − ジュビロ磐田 |
ACL出場へ勝利が欲しいFC東京。大久保 嘉人との対決にも注目。
一時は6試合勝利なしとどん底状態となっていた磐田だったが、直近の2試合で勝利し、勝点を『40』に乗せた。その勢いのまま、今節はFC東京とのアウェイ戦を迎える。
チームは前節、2位の広島相手に一時は2点のリードを許しながらも、後半に怒とうの攻撃で一挙に3得点を奪い、大逆転での勝利を飾った。エース・川又 堅碁のゴールに加え、3点目を奪ったのは若きFW小川 航基。長らくケガに苦しんできた未完の大器は、後半アディショナルタイムにPKを決めてJリーグ初ゴールを記録。これが決勝点になった。前節は出場停止だった大久保 嘉人も今節は復帰し、彼らFW勢が先発、途中出場でチームの攻撃を活性化させる準備は整っている。
また、大久保にとってFC東京は、昨季1年間プレーした古巣になる。残念ながらチームも個人も不完全燃焼に終わったシーズンだったが、「嘉人さんとは1年間やって、いろんな話もした。そういう選手と戦うのは楽しみ」(太田 宏介)、「個人的には嘉人さんともう少し長くプレーしたかった。あの人はチームを本気で変えようとしていた。あれぐらい強い主張を持った人がいてもいい」(米本 拓司)と、FC東京の選手たちは今回の再会、そして対戦を皆楽しみにしている。注目の対決になるのは間違いない。
FC東京は前節、アウェイで横浜FMと対戦し1−0で勝利。札幌、鹿島と熾烈な3位争いを演じている。攻撃力は湿りがちで、横浜FM戦もセットプレーからチャン ヒョンスが挙げた虎の子の1点を守り抜いての勝利となった。ただ、しぶとく勝ち切るのは長谷川 健太監督らしい戦い方と言えるだけに、この終盤戦でハードワークを実践して勝てたことはチームに再び勢いをもたらすことになる。
今節は前節出場停止だった森重 真人が復帰し、チャン ヒョンスとCBコンビを組むことが濃厚だ。また左SBには太田の先発が予想され、こちらも自慢の左足から繰り出される高い精度のキックでセットプレー、クロスからチャンスを構築できるかが、チームの攻撃のカギを握る。
FC東京はこの磐田戦で勝利し、残る川崎F戦、浦和戦の2試合に向けて勢いをつけたいところ。そして「なんとしても3位以内に入り、来季のACL出場を決めたい」(太田)という思いをチームの総意に、今季の残り試合を戦い抜く覚悟だ。
中盤戦までは首位争いを演じていたFC東京。その後は転落し優勝の可能性はなくなってしまったが、最後の意地で上位フィニッシュできるか否か。大事な磐田戦を迎える。
[ 文:西川 結城 ]
J1リーグ 第32節 11月10日(土) IAIスタジアム日本平 (入場可能数:20,248人) 14:00 kick off 清水エスパルス − 名古屋グランパス |
仕切り直しを図る監督不在の清水エスパルス。
前回対戦では、清水が6連敗中だった名古屋に3−1で快勝している。今回は総得点でリーグ3位の名古屋、4位タイの清水という破壊力のある攻撃陣による打ち合いが見られそうだ。
清水は前節、湘南と対戦。JリーグYBCルヴァンカップ決勝から中2日が続く相手に対して、スタートから苦戦することになった。湘南の素早いプレスに苦しみ、ボールをつなぐことができないでいると、ロングパスが多くなってしまう。前線のドウグラス、北川 航也の二人にうまくボールが入らなくなり、攻撃も停滞。66分には、判定をめぐって激高したヤン ヨンソン監督が、湘南の選手が外に出そうとしたボールに対してピッチの中に進入して蹴り返してしまったため退席処分。71分には、交代で入った村田 和哉からのクロスを中央で竹内 涼、北川と頭でつないで、最後は白崎 凌兵がジャンピングボレーで狙うが、GK秋元 陽太のファインセーブに遭い得点ならず。結局、清水は12試合ぶりの無得点となりスコアレスドロー。J1では2014年以来となる4連勝を逃した。
また、北川の連続得点も4試合で止まってしまった。7日に発表された日本代表のメンバーに再び選出され、今節は注目が集まり、代表選手としての真価が問われることになる。そのプレッシャーをはねのけてゴールを奪えるか。
ドウグラスとジョーのブラジル国籍選手対決も見ものだ。ドウグラスは出場12試合で9発、ジョーは30試合で21発。ハイペースで得点を積み重ねている優良助っ人は、チームの勝敗に大きく関わることになるだろう。清水はヤン ヨンソン監督がこの試合はベンチ入り停止。代わりに篠田 善之コーチが指揮を執ることになりそうだが、仕切り直しの試合となる今節は是が非でも勝点3が欲しい。
名古屋は6日、台風24号の影響により延期されていた明治安田J1第28節・C大阪戦を戦った。早稲田大の4年生でJFA・Jリーグ特別指定選手の相馬 勇紀が初先発を飾った試合は、いきなりその彼が魅せる。10分、スルーパスに抜け出し左サイドからクロス。中央でジョーが頭で合わせるが、これはゴールの上。そして後半に入ってようやく待望の瞬間が訪れることになった。53分、左から秋山 陽介が上げたクロスはGKキム ジンヒョンにはじかれるも、そのボールを相馬が頭で押し込んでJリーグ初得点。そのまま最後まで攻め続けた名古屋が3試合ぶりの勝利を挙げることになった。
名古屋はC大阪戦の勝利で再びJ1参入プレーオフ圏内から脱出。このままの勢いでJ1残留争いを優位に進める勝点3を奪いにいく。
[ 文:田中 芳樹 ]
J1リーグ 第32節 11月10日(土) ヤンマースタジアム長居 (入場可能数:47,853人) 14:00 kick off セレッソ大阪 − 川崎フロンターレ |
90分後の表情は?連覇決定の可能性があるゲーム。
前節、ホームで柏を3−0と一蹴した川崎Fは、2位・広島との勝点差を『7』に広げ、今節、勝利すれば優勝が決まる。悲願のJ1初タイトルとなった昨季のリーグ戦に続き、連覇をその視界に捉えた状態で、C大阪のホーム、ヤンマースタジアム長居に乗り込む。
一方、迎え撃つC大阪は、前節の鹿島戦に続き、6日に行われた台風による延期分の明治安田J1第28節・名古屋戦にも敗れ、今季初のリーグ連敗を喫した。スコアはいずれも0−1であり、守備陣は大崩れしていないが、得点力不足にあえいでいるのが現状だ。
こういった直近の流れを見ていくと、川崎Fの優位は否めず、王手をかけた一戦であっさりと優勝を決めそうな予感も漂う。それでも、昨季はJリーグYBCルヴァンカップ決勝で川崎Fを破って初戴冠を成し遂げ、勢いのままに天皇杯も勝ち取り2冠を達成したC大阪としても、やすやすと川崎Fのリーグ連覇を見届けるわけにはいかない。
「目の前での優勝だけは阻止しないといけない」。2015年に川崎Fでプレーした経験を持つ杉本 健勇が言葉に力を込めれば、負けず嫌いのソウザも、「自分たちのホームでの試合。モチベーションを高めて、ゴールを求めて、チャレンジしていく。勝利を目指して戦う」と語気を強める。
試合展開としては、ボール保持では川崎Fに分がある。C大阪としては耐える時間も長い一戦になりそうだが、「全員で攻撃して、全員で守備をする。そういった戦い方を貫きたい」と山下 達也も話すように、昨季、2冠達成の原動力となった意思統一された攻守を発揮できれば、首位を走る川崎Fとはいえ、勝てない相手ではない。粘り強い守備からカウンターやセットプレーを中心とした攻撃で、勝機を見いだしたい。川崎Fには、昨季から公式戦で3連勝中という好データもある。
冒頭でも記したように、川崎Fは、勝てば無条件で優勝が決まる。同時刻に行われる広島対仙台の結果次第では、仮に引き分けや敗れたとしても、歓喜の瞬間を迎えることになる。大一番であることは間違いないが、前節の試合後には鬼木 達監督も、「やるべきことは本当に変わらない。自分たちのサッカーをしっかり貫くこと、気持ちを一つにすること。当然、選手はプレッシャーがあるでしょうけど、そういうものをしっかり受け止めながら、楽しみながら戦ってくれればいいなと思います」と話すなど、あくまで自然体の様子。過度に入れ込み過ぎず、これまでどおりの川崎Fらしさを発揮すべく試合に臨むだろう。
川崎FがJリーグの歴史に新たな時代を築く連覇を達成するか。ホームでC大阪が昨季2冠の意地を見せるか。日本中のJリーグファンが固唾を呑んで見守る注目の一戦は、11月10日14時、ヤンマースタジアム長居でキックオフされる。
[ 文:小田 尚史 ]
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J1リーグ 第32節 11月10日(土) ノエビアスタジアム神戸 (入場可能数:28,425人) 14:00 kick off ヴィッセル神戸 − サガン鳥栖 |
元スペイン代表の盟友がノエビアスタジアム神戸で対峙。
アンドレス イニエスタとフェルナンド トーレス。元スペイン代表の盟友による直接対決として注目を集める神戸vs鳥栖。ただ、ホームの神戸は勝点40、アウェイの鳥栖は勝点36とJ1残留を懸けた大一番でもある。神戸はすでにJ2自動降格圏からは完全に抜け出しているが、J1参入プレーオフに回る16位からの脱却レースは過熱する一途。ルーカス ポドルスキを含めた“世界のマッチアップ”という極上のエンターテインメントの一方で、勝利を求め合う熱い90分になることは必至だ。
神戸は前節・名古屋戦で8試合ぶりの勝点3を挙げた。ルーカス ポドルスキの2得点、アンドレス イニエスタの絶品アシストなどが熱狂を呼んだが、そのベースを作ったのは、綿密なスカウティングとフアン マヌエル リージョ監督の戦術、そして、狙いを着実に実行した選手たちの体現力。とりわけ[4−3−2−1]のトリプルボランチの出来は勝利の大きな原動力だった。
トリプルボランチの中央、アンカー役を務めた藤田 直之は「名古屋は前から取りにきて、後ろが上げられていない。そこを突いて、プレスをかいくぐって、ターンすればボールを運べるという狙い。その通りになりましたね」と振り返る。右SBで出場した三原 雅俊は「ルーカス、アンドレスがフリーで受ける回数を多く作れたと思うし、3人のボランチの活躍が大きい試合だった」と称賛した。
このシステムがベースとなるのか、あるいは今節・鳥栖戦に向けて新たなフォーメーションや戦術が落とし込まれるのかは、フアン マヌエル リージョ監督のみが知るところ。それでも長い低迷期を経て、神戸はようやく一つの光明を導き出している。
一方、鳥栖は残留へ向けてギアを上げてきた。マッシモ フィッカデンティ監督からバトンを受け取った金 明輝監督。率いたリーグ戦の2試合では、仙台に3−2で勝利すると、前節・長崎戦は1−0で残留争いの直接対決を制している。順位も自動降格圏から抜け出し、勝点は『36』。今季は下位に甘んじてきた鳥栖だが、残留への強い意思を結果につなげる勢いが出てきた。
長崎戦でフェルナンド トーレスにキャプテンマークを託した金 明輝監督は試合後、「いつもの2倍くらい走っていたんじゃないかなと思います。すごく効果が出たんじゃないか」とコメント。今夏加入したフェルナンド トーレスもまた、自らの一挙手一投足に残留への強い意思を込める一人ということだ。
アンドレス イニエスタとフェルナンド トーレスの元スペイン代表対決は、どのような熱狂を生むか。そして、天皇杯やJリーグYBCルヴァンカップを含めて今季5戦目となる両者。戦績は1勝2分1敗の五分で、どちらが勝ち越しを決めるのか。
さらに、神戸の那須 大亮は出場すればJ1通算400試合出場、鳥栖の谷口 博之は同350試合、池田 圭は同150試合とそれぞれ節目。藤田と高橋 秀人による、昨季の神戸でダブルボランチを組んだ同学年対決も注目と見どころは多い個のマッチアップ。残留争いの渦中で古巣戦を迎えることに複雑な胸中を隠さない藤田だが、「(鳥栖の勢いを)止めないといけない」とプロフェッショナルとしての覚悟を胸にノエスタのピッチに立つ。
突き放すか、食らいつくか。神戸vs鳥栖の“第5ラウンド”のチケットは早々に完売。10日午後2時、雌雄を決する激闘の幕が開く。
[ 文:小野 慶太 ]
J1リーグ 第32節 11月10日(土) エディオンスタジアム広島 (入場可能数:36,894人) 14:00 kick off サンフレッチェ広島 − ベガルタ仙台 |
勝利から遠ざかる両者が示したいリバウンドメンタリティー。
広島は前節・磐田戦でショッキングな逆転負けを喫した。前半にCKからティーラシンのゴールで先制し、後半も立ち上がりからペースを握って和田 拓也のゴールでリードを広げたが、65分にCKから1点を返されると、一気にボルテージの上昇したヤマハで勢いに乗る磐田の攻撃をはね返せなかった。80分に同点に追いつかれ、アディショナルタイムにはPKを取られる。2点のリードをひっくり返されてタイムアップのホイッスルが鳴り響いた。
勝利をつかみ切れず4連敗、6試合勝ちなしとなった広島は、まず磐田戦のショックと向き合うことから今節に向けた準備を始めている。「まずは僕が切り替えないと、選手は切り替えられないだろうなと思ったので、5日のオフに自分なりにいろいろと整理をしてきました」という城福 浩監督の下、6日はミーティングを行ってから練習が始まった。
「ゲームがどんな流れで推移し、その時々にわれわれがどんな心持ちでいなきゃいけないかを共有しないといけない試合だった。2−1になったあとにサッカー専用スタジアム特有の圧力を受ける中で、われわれはどういう心持ちでゲームをマネジメントしていかないといけなかったか。そこが今回の一番のポイントだった」と指揮官は磐田戦を振り返って、選手たちに伝えている。
もっとも、すぐに次戦に気持ちを持っていくのは容易ではない状況だ。選手一人ひとりに痛恨の思いがあるだろうが、そういった試合のあとだからこそ、今節はチームとして選手個々として芯の強さを示したい一戦となる。まずおのおのがしっかりと気持ちの整理をつけ、チームとしてまとまって今節に臨みたい。
エディオンスタジアム広島に乗り込んでくる仙台も、5試合勝利から遠ざかっている状況だ。前節・札幌戦は両チームのGKの好守が光る締まったゲーム展開の中で札幌に先制点を奪われたが、その2分後にPKを獲得。しかし、ハモン ロペスのキックがGKの好セーブに遭って同点のチャンスを逸すると、その後もゴールをこじ開けられなかった。
「この時期まで来ると、内容はどうあれしっかりと3ポイントを取ることがわれわれの目標達成のためには必要なので、やはり今日の勝点ゼロは非常に痛いと言わざるを得ない」と渡邉 晋監督がコメントしているように、AFCチャンピオンズリーグ出場圏内が大きく遠のく痛恨の敗戦となったが、だからこそ仙台も今節でリバウンドメンタリティーを見せていきたいところだ。
トンネルを抜け出したい両チームが対峙する今節。見どころとなるのはやはりゴール前での攻防だろう。広島はパトリックが4試合得点から遠ざかっている中で、ティーラシンが存在感を高めている。「最近はチームメートと同じようなリズムでプレーできるようになってきています。磐田戦はMFからのフィードのリズムもピッタリで動きやすかった」と自身の成長を実感しているタイ国籍FWには大きな期待を寄せたい。一方で仙台は野津田 岳人が契約上、今節は出場できない。7試合連続で先発出場して攻撃をけん引してきたアタッカーに代わる選手は誰になるのか。まずは渡邉監督の選択に注目したい。
[ 文:寺田 弘幸 ]
J1リーグ 第32節 11月10日(土) トランスコスモススタジアム長崎 (入場可能数:20,258人) 14:00 kick off V・ファーレン長崎 − 横浜F・マリノス |
J1残留へ、V・ファーレン長崎は絶対に勝たなければならない一戦。
長崎が剣が峰に立たされた。
前節は16位の鳥栖とのJ1残留争い直接対決に臨んだ長崎だったが、チャンスは作りながらもゴールを奪うことができず。逆に鳥栖との決定力の差を見せつけられる形となり、痛恨の敗戦。順延されていた明治安田J1第28節が6日に行われ、名古屋が勝利を収めたことで、16位との勝点差は『7』に拡大。長崎は今節で敗れると、他会場の結果にかかわらず、J2自動降格となる17位以下が確定する。引き分けた場合でも鳥栖が引き分け以上の結果を今節で収めると、同様に17位以下が確定する。長崎にとっては、まさに絶対に勝たなければならない一戦だ。
前節は結果こそ長崎にとって残酷なものだったが、内容は決して悲観するものではなかった。試合を通してインテンシティーの高いプレーを見せ、球際の攻防やフィジカルコンタクトでも気迫を見せた。残留に懸ける気持ちをプレーで示し、数多くチャンスを作ることもできていた。長崎にとって重要なのは、苦境に追い込まれた状況でもそのテンションを継続できるかどうか。残留の可能性は極めて厳しくなったが、消滅したわけではない。「プロフェッショナルの選手だと思いますし、そういう集団だと思いますので、残りの3試合で手を抜くことなく、しっかり準備をしていきたい」と高木 琢也監督もプロとしての姿勢を強調する。
一方、アウェイに乗り込む横浜FMも現在は苦しい状況にある。JリーグYBCルヴァンカップ決勝で湘南に敗れて喪失感を味わっただけでなく、リーグ戦でも現在2連敗中。前節・FC東京戦はセットプレーからの失点を最後まで挽回することができず、零封負けを喫している。リーグ最多の53得点を誇る攻撃陣が直近の公式戦2試合で無得点と、らしくない姿を見せてしまっている。また、今節はチームトップスコアラーのウーゴ ヴィエイラが累積警告により出場停止。伝統の堅守から今季は攻撃を押し出したチームスタイルに変貌を遂げ、打ち勝つことで勝点を積み重ねてきただけに、攻撃陣がここでもうひと踏ん張りを見せたいところだ。横浜FMもまだJ1残留を確定できていない。今節で敗れれば、他会場の結果次第で16位に転落する可能性もあるだけに決して、安穏とはしていられない状況だ。
明治安田J2でJ1ライセンスを持たない町田が自動昇格となる2位以内に入った場合は、J1の17位がJ1参入プレーオフへと回ることになる。「年間通してやることは変わらないし、今までやってきたことを変える必要もないと思います。相手どうこうよりも、まずは自分たちがどれだけ今までやってきたことをしっかり表現できるかが大事になってくる。他力にはなりますけど、それで残留できるようにやっていきたい」と杉 亮太も言うように、他力であっても残留の可能性は残されている。
長崎がクラブ史上初のJ1昇格を決めたのは1年前の11月11日のこと。あきらめずにひたむきに戦うのが長崎というクラブのカラー。1年前もそうだったように今節もその姿を見せなければならない。
[ 文:杉山 文宣 ]
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J1リーグ 第32節 11月10日(土) パナソニック スタジアム 吹田 (入場可能数:39,694人) 15:00 kick off ガンバ大阪 − 湘南ベルマーレ |
絶好調のガンバ大阪が抱く湘南ベルマーレへの警戒感。遠藤 保仁の大記録を勝利で飾れるか。
前節、浦和に敵地で3−1の快勝。連勝を『7』に伸ばしたG大阪は勝点42として、目標としていたJ1残留に大きく近づいた。
「でも、僕はまだまだ安心していない。次もしっかりと勝ち切りたい」と気を引き締めるのはベテランの今野 泰幸だ。史上まれに見る熾烈な残留争いが続いている今季の明治安田J1ではあるが、G大阪は今節、勝点3を手にすれば残留が確定する。
もちろん、引き分けに終わった場合でも、下位の結果次第では残留が決まるものの、9位のG大阪の視線はもはや下位ではなく上位を向いている。
「いまは残留を意識するのではなく、宮本(恒靖)監督も『毎試合勝って、より上位に行こう』と話をしている。それがいまのチームの良い流れにつながっている」と話すのは倉田 秋だ。
前節は前線の軸として機能してきた渡邉 千真をベンチに温存し、アデミウソンとファン ウィジョの2トップを選択。宮本監督就任後初めて3得点を叩き出し、ライバルをねじ伏せたG大阪ではあるが、チームのベースを支えるのは攻守両面におけるハードワーク。7連勝中に複数失点は一度もなく、3試合でクリーンシートを達成。大崩れのない守備の安定感がいまの好調さを支えている。
優勝争いをしている川崎Fや広島、そして横浜FM、浦和など好調なチームを連勝中にはことごとく打ち破ってきたG大阪の前に立ちはだかるのは、今季のJリーグYBCルヴァンカップで初制覇を飾った湘南である。
「湘南はルヴァンカップでも勝っているし、素晴らしいチーム」と遠藤 保仁が称賛すれば、倉田も「湘南は全員がハードワークしてくる」とそのスタイルに警戒感を隠さない。
14位の湘南は前節、中2日の日程で清水と対戦し、スコアレスドロー。直近のリーグ戦3試合は勝利から遠ざかっており、勝点は16位の鳥栖とわずかに1差と尻に火がついている状況だ。ルヴァンカップ優勝後、過密日程を戦ってきた湘南だが、今節は十分なインターバルとともにアウェイの地に乗り込んでくるだけに、持ち前のタフなスタイルで勝点3を目指してくるのは間違いない。
互いに勝点3を目指す十分なモチベーションを保つ一戦だが、この試合はJリーグを代表する名選手が新たな節目に到達する記念すべき舞台でもある。
21年のプロ生活をすべてJリーグで過ごしてきた遠藤にとって、湘南戦でピッチに立てばJ1通算600試合出場を果たすことになる。
J1通算最多出場記録は名古屋の楢ア 正剛が保つ631試合だが、フィールドプレーヤーとしてこの大台に到達するのは遠藤が初めてだ。
「うれしいし、長い間やらないと到達できない数字。これからも出場試合数をもっと増やしていきたい」と意気込みを口にした遠藤の晴れの舞台を飾るべく、G大阪は高いモチベーションでピッチに立つはずだ。
7連勝中のG大阪の勢いか、それともルヴァンカップ王者の肩書きを得た湘南の地力か。熱く、激しい90分間が待っている。
[ 文:下薗 昌記 ]
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