先日、台風の影響で(最短ルートでは)山に入れなくなったという話をしたが、おそらく林業者が林道(というか実質「廃道」)の倒木を撤去してくれたおかげで、けっこう奥まで行けるようになった。
その入り口でいつものように軽くキクラゲを収穫し、そのあと、今年はこっちの山にも発生してくれたヌメリスギタケを収穫した。画像は収穫しなかった小さいほうのヌメリスギタケ(古いキクラゲに囲まれた不思議な発生)だが、この木の裏に10本くらいの比較的大きな株が発生していたので、ありがたく頂戴した。
なぜ小さいほうの画像なのかというと、ここも谷になっているため、木の裏を撮影するには危険を伴うからである。収穫するのもけっこう慎重を要するくらいの急斜面なので、大きい株の画像はご容赦いただきたい。
↑ヌメリスギタケ幼菌’ もうちょい大きくなると食べごろ
ヌメリスギタケは、言ってみれば「ナメコ」にそっくりなきのこである。見た目は毒々しいが、ナメコに似ているということは、極めて美味なきのこである。私は大好きなきのこ。例年別の場所で少量収穫するが、こっちの山に発生してくれるようなら、今年はかなり期待できるかもしれない。
ちなみにこいつらは確か「スギタケ」の一族だったと思う。スギタケといっても、別に杉の木に出るわけではない。杉の実に似たフォルムからそういう名前がついたという説が有力。
スギタケの一族で有名なのが、
- スギタケ(毒)・・・ぬめりがない
- スギタケモドキ(毒)・・・ぬめりがなく傘にささくれがある
- ヌメリスギタケ(可食)・・・画像のきのこ。ぬめりが極めて強く、ナメコのよう
- ヌメリスギタケモドキ(可食)・・・ヌメリスギタケの傘にささくれがあって柄がそれほどぬめらない
という、文字に起こしてみるとけっこうややこしいファミリーである。しかし見た目、触った感じで見分けは簡単につく。逆のパターンはあるが、ことばの説明から判断が難しそうな割に見た目の判断が簡単なきのこはこのファミリー特有という気がする。
まあ何にしても、スギタケとスギタケモドキは毒きのこに分類されるので要注意。確かスギタケモドキは十分加熱すれば大丈夫だったかな。食う気がないのでよく覚えていない。実はもう一種類「ツチスギタケ」というのがあるのだが、こちらも食う気がない毒きのこ(加熱で可食?)だ。
ちなみにこの木は例年いろいろな種類のきのこを発生させる、非常に優れた木である。なんの木だかわからんけど、腐りかかった広葉樹である。12月になればたぶんエノキタケが発生すると思うので、これも楽しみ。
さて、ここからが今回のお題。さっそくご覧いただこう。今回は簡単ですね。
いやぁ、もう最高の気分である。思わずライデンリーダー(競馬ファンの方はご存知ですね?)の4歳牝特を思い出す、あの「きたきたきたきた・・・」感だ。当時実況で「おーっと外からきたきたききた!ライデンリーダーがきたぞきたぞきたぞぉ〜」の「杉本節」も炸裂し、あのときと同じくらいの「うれしい鳥肌」が立ったのも事実である。予想!
◎ ヒラタケ
○ ブナシメジ
▲ ホンシメジ
△ ウスヒラタケ
△ スギヒラタケ
✕ ツキヨタケ
今夜はちょっと飲みすぎちゃいましたよ・・・今コレを書きながらも少々気持ち悪く、テンションもやたら高い。もしかしたらヒラタケにそっくりなベニテングタケでも食ったんじゃないかといぶかるくらいである(いや、うそ)。
いやぁー採りたてのヒラタケはおいしい!網焼き。そして豚肉とネギと豆腐で甘辛く似た「ヒラタケ肉豆腐ネギ煮」、あとはキクラゲと一緒に細く切った佃煮。最高です・・・もっと大量に採れれば虫出しして保存するのだが、天日干しにするとヒラタケの香りが強烈すぎるので、個人的には採りたての「やさしい香りのヒラタケ」のほうが好きだなぁ。
ヒラタケを天日で干すと、なんというか、マツタケとシイタケと何かを足してフーリエ展開したみたいな不思議な香りが漂うのだ。はじめは「ちょーいい香り!」と思ったが、マツタケほどではないものの、いつまでも鼻についてしまうくらい香りは強烈である。これはたぶん天然ヒラタケだけだと思う。だから今年は干さないうちにヒラタケご飯やヒラタケの味噌汁やヒラタケのなんちゃらかんちゃらをできるだけ食べておきたいと思う。
今日の段階では、正直そこまでの収穫量ではなかった。1sに満たないくらい。先日のヒラタケのときみたいに大雨の翌日ではないので、そこまで水分も含んでおらず、通常のヒラタケの重量だったように思う。
ただ、うれしかったのはこのヒラタケではない。もちろん今回も大きいものだけうれしく、ありがたく頂戴したが、それより何より今年も「次なるヒラタケ」がやや大量に発生していることがうれしかった。この画像である。コレ系の画像がニガテな人もいるかもしれないが・・・
↑ヒラタケ幼菌。毎年この木で1sくらい収穫できる。うまい具合に木の裏側に出てくれるので、目につきづらく、けっこう大きくなるまで収穫を待つことができる。
↓幼菌にも満たない「胎児」という感じ。リアルでみると、大量の正露丸が木に埋まっている感じに見える。悪性腫瘍のような青黒い痣っぽい部分。例年ここで5kgくらい収穫できる。
実は、これは前回のヒラタケ画像と同じ木である。今日収穫したヒラタケは、台風で折れてしまったほうの木に例年以上に密集して発生したもの。そして正露丸的悪性腫瘍的胎児ヒラタケは、まさに先日掲載したヒラタケと同じ、「折れ残った木」に発生しつつあるヒラタケである。
あれ?同じ木に何度も、しかもこんなに短期間に第2弾が発生することがあるの?と思うかもしれない。はじめは私もそう思った。一発目はおいしかったが2発目は毒だった・・・なんてことねぇだろうなと懸念したりもした。しかしよーく考えてみると、これは別に不思議なことではない。
きのこって、結局は「菌の有無」によって発生するか否かが決定するわけですよね?菌さえちゃんと着床していれば、2度も3度も発生するのだ。時期がずれるのは、その菌の着床度、成長度によるのかな、と推測する。あるいは「木(きのこにとっては「家」)の保護」という理由もあるのかもしれない。
私は専用ナイフで慎重に切り取っているが、それでも菌床ごとバリバリっとはがれてしまうことがある。つまり、きのこが発生することで、木はそれなりのダメージを負っているのだ。そのダメージを最小限にとどめるために、多少でも時期をずらして発生しているのではないか・・・という気もする。
そして4本中、唯一折れたかどうか不明だったヒラタケのホダは、今日久々に確認しに行ってみたら折られずに生き残っていてくれた。これがまたうれしいんだなぁ。例年どおりであれば、今月末か来月頭くらいに、一度は死んだはずの木に「白い花」が満開となるはず・・・ひたすら楽しみである!