必ずお読みください!
おめでとうございます。
だいたい5年に1年のペースで正月はずっと仕事に追われることになる。その後も業界のマイナーチェンジが2〜3年に1回ずつくらい行われ、その都度けっこうな攻撃を受けるが、今年はその「5年に1回」に当たる年で、山に行くのは久々である。
昨日まででいちおう締め切りまでのメドがたったのだが、仕事始めの「本日夕方」が実はたいへんな危険日であって、このあとどばーっと仕事が入る危険性が実は高い。新年早々まったくありがたいことである。
ということで、私に残された猶予はあと数時間。とり急ぎ久々の山に入り、さっそく冬山の幸を収穫してきた。新年最初のブログだから、まずは予想の形をとろうか。こいつです。
今日は「七草がゆの日」である。だから七草がゆにちなんだ食材がテーマ。要は、七草がゆのメイン食材「七草」のうちの「ひと草」ですね。まだ食っていないが、さっそく予想をする。
◎ ハコベ(ラ)
○ ナズナ
△ セリ
△ ゴギョウ
△ ホトケノザ
△ スズナ
△ スズシロ
まあこいつは山に入らずとも、そこらへんの道っぱたにわんさか生えているのでご存知の読者も多いと思う。私も毎年こいつを食っているので、「◎ ハコベ(ラ)」で間違いない。まあ正直そこまでうまいと思える野草ではないのだが、いちおう縁起ものというか、時期ものなので、ちょこっとつまんで採取してきた。
とにかくものすごい量のハコベが生える。何しろアスファルトの間隙を衝いて生える野草だから、ちょこっと山に入れば腐るほど生えている。
これもハコベ。
こいつらも全部ハコベ。
1人じゃ無理!みなでハコベー!という量(新年早々恐ろしくくだらないことを言ったと思う)
冬の野菜不足の時期には意外と貴重な野草だったりする。まあ好んで食いたいとは思わないが、猫がきまぐれにそこらへんの草をかじる程度には必要性を感じる野草ではあるだろう。
どうせこんな野草を食うのは私だけ。家族は見向きもしない。だいたいあの連中は私がとってきたものなんて絶対に食わない(ヒラタケを除く)。そのかわり、食わないコイツ(↓)は意外と好評で、リクエストが絶えない。
朴葉(ほおば)ってやつですね。食わない朴葉がいったいなぜ家族の好評を得ているかというと、これ、皿の上に敷くと肉や魚の脂が皿につかないため、洗うのがラクというメリットがあるから。しかも火(熱)にも強いため、フライパンの上で肉や魚を焼くとフライパンが汚れないというメリットもある。
だからこの葉っぱはけっこうビッグサイズなんですよ。これ、一番幅が広い部分は私の顔の横幅くらいのサイズ感。長いほうは大ぶりの尾頭付きサンマなら余裕をもって布団となることができるサイズである。
そういう理由で、洗い物担当の家族による「朴葉を拾ってこい」というリクエストが多いのだ。でもこれ、かなりデカイ袋を持って行かないと入りきらないし、入れば入ったでかさばるからけっこうめんどい葉っぱでもある。
まあ火に強いということで「朴葉みそ」というメニューがけっこう有名で、酒のみにも合いそうなメニューなので、いつかチャレンジしてみたいと思う。ただ、今はまだその時期ではないので、収穫したキクラゲでも乗せて新年はじめのブログを終わろうと思う。
今年もお願いします。
2019年01月07日
2018年12月07日
第13R〜ブドウハゼ&ヒラタケ&そういえばの話
必ずお読みください!
昨日テレビを見ていたところ(実はこれを書き始めたのは数日前。内村さんとかサンドさんとかが出てたやつね)、「ブドウハゼ」が話題になっていて驚いた。驚いたなんていうと私の山にブドウハゼがあるのではないかと思われるかもしれないが、そういうことではない。あっても不思議ではない気もするが、少なくとも私は確認していない。
ではなぜ驚いたのかというと、一瞬私の山で大量にみかける「ブドウにそっくりな木の実」を思い出したからだ。あ、あれはもしかしたらブドウハゼ?と思ったから驚いたのである。実はこのブログでもすでにその木の実のことは紹介している。こいつだ。
台風で山がひどくやられたとき、たいへんな高所にどばーっとなっているブドウ状の木の実が軒並み落下した。テレビで見ていて、もしかしたらアレが金色に変色するとブドウハゼの実になるのではないか・・・そう直観したのだ。
私の直観なんて当たった試しがないのだが、直観以外にもちゃんとした根拠が珍しくあった。それは「私が入る山にはハゼが多い」ということ。ハゼったって魚系のハゼじゃあないですよ。今紅葉の最盛期を迎えている山では、「ナンキンハゼ」というハゼ科の木の紅葉がとても美しい。
なんだかわからん木の実が落ちていたとしても、その正体を探るための時間を割くほど私は勤勉ではない。食えるかもしれないきのこなら一生懸命調べるが、どう見ても食えそうにない木の実の正体なんてどうでもよいのだ。しかしテレビを見て、希少価値が高い木なのかもしれないと知った以上、なんとか調べたいと思った。
そして調べた。たぶん正体を突き止めた。とりあえず予想しようか。
◎ イイギリ
△ ブドウハゼ
△ ナンキンハゼ
赤い木の実は相当な強毒のものもあるというから、なんでもかんでも試しに食ってみようという考え方は捨てたほうがよい。私もこのブドウ状赤い実の正体を調べながら、そういう考えは捨てることにした。強毒赤い実に当たらなくてラッキーだった。これまでは。強マズイ赤い実は何度か食らったが。
で、結論からいうと、おそらく「◎ イイギリ」で間違いないだろう。そして実はこの赤い実、食えるんだそうです・・・びっくりしましたよ、正直。食えなさそう感のものすごさはタマゴタケの比ではない。なんというか、毒の有無がどうのというよりも、恐ろしく食欲がわかない実なのである。やっぱり神様がつくったもんは奥が深いなー。
ただ、食って害がないという程度のもので、よほどの事情がない限り食いたいと思うような味ではないらしい。調べた印象からは、「基本ビターでうすら甘い感じの実」なのではないかと想像する。たとえばクマと出くわし決闘するも敗れ、足のほうから食われている最中にクマが急用を思い出して帰って行った・・・などという抜き差しならぬ状況以外では、イイギリの赤い実を食う機会もなさそう。
足だけ食われて動けなくなって、食わなきゃ飢え死にしちまうという状況以外では、少なくとも私は食わないと思う。私だったら足だけ食われて動けなくなった時点で助けを呼ぶと思うので、足だけ食われてもイイギリの赤い実を食うことはなさそうだが、果たしてどうだろうか。
さて、ここからはずいぶんたまってしまったヒラタケの写真を節操なく掲載しようと思う。今日も「薄気味悪い道」方面に行ってきたのだが、もう出ないだろうと思っていた木からまた1sくらいのヒラタケを採取してきた。まあ、たぶん時系列になっていると思うので、まったく変わり映えのしないいつもと同じヒラタケ画像を見たいという物好きな方はどうぞご覧ください。どうぞどうぞ、遠慮なんて要りません。どんどん見てください。
11月29日
↑前半戦ラストで大量に収穫した一番奥のホダ木。顔ぐらいある。デカすぎだろう・・・
↓決して小さくないが小さく見えるノーマルサイズのヒラタケ。同じ木。
例年2回に分けて15kgくらい収穫できる木なんだけど、今年はまだ出そうな雰囲気がある。明日あたりまた行ってみようと思う。
12月4日
↑1本だけこんな時期に出てきたムラサキシメジ。目立つので残しておくとロクなことにならないという前回の反省を生かし、普段なら絶対に残す「たった1本」をありがたくいただいてきた。相変わらず土臭いが、相変わらずシメジ的美味。
12月7日
↑台風でぶち折れた木。デカイ。ここのは毎年そうだが。
↓そのちょっと先の「1本目のホダ木」と呼んでいた木。この木はいったい何回出るんだ?
先日ムラサキシメジを掘り返すように持って行った人とおそらく同じ人が持って行ったホダ木で、きっとこれが(この木では)今年のラストだろうなーと思っていたら、まだ出るから驚く。さすがにもう最後だと思う。
そして今日。薄気味悪い道で今年新たに見つけたホダ木。こいつも4発目か5発目。毎度撮影して掲載しているわけではないが、この木を含む周辺の木々は年がら年中ヒラタケを発生させている。薄気味悪いのは道ばかりではなく、ここらへんの木々もけっこう薄気味悪いぞ。そしてここらのヒラタケもなんだかヤケにデカイしちょっと気味悪くなっている。
↑まとまって出ていたのでその周辺のチョビ出ヒラタケも含め採取してきたが・・・
↓周辺の木々にはこんなのがひっきりなしに出てるんですよねー。ほんとうにいつも出てる。なんだこれ?
とにかくこのへんのジメジメ感のすごさといったらなく、おそらくヒラタケにとっては絶好の環境なのだろう。でけえし分厚いしいつも出てるし香りも強いし、誰に気兼ねすることもなくひたすらのうのうと成長している感がある。
だったらヒラタケ以外のきのこももうちょっと頑張れよと個人的には思うのだが、なかなかそうもいかないんですねー。数年前にこの近辺でブナハリタケをちょこちょこっといただいたことがあったが、あれ以来全然出ねえし。
あ、そういえばですね・・・ここからが今日の第3話目。
先日農協に行ったんですよ。まあ自宅からはちょっと遠く、地図で見る限りでは自宅近辺なんて比じゃないくらい山ばっかの、車で30分くらいのとこなんですけどね。とにかく野菜・フルーツ類が安く手に入るということで、掘立小屋のようなきったねえ店構えなんだけど、通勤ラッシュかよってくらいに毎度人だらけの店である。
野菜やフルーツのことはよくわからんからそっちは家族に任せ、私は酒コーナーとかナッツコーナーとか、人がいない方面で時間をつぶしているのだが、そのとき見つけた。「150g入りヒラタケ324円特価!」というラベルを・・・
私はあくまでも趣味の一環としてきのことりをしている。いろんなきのこに親しみたい気持ちがかなり強い。ヒラタケに偏ってしまうのは偶然であり、いくらヒラタケがいっぱい収穫できるからといって、近所の人や家族がいうように「売る」なんていう発想は微塵もない。
去年もダメだったが、今年は台風直撃の影響もあって、ヒラタケに限らずだいぶ量的に少なくなってしまった。多いときでは推定40kgを超えるヒラタケを収穫したことがある。相当な量を近所や遠方の親類に送り付けてなお、1年かけても食い切れないくらいだった。今年はたぶん20kgは超えていると思うが、30kgはいっていないと思う。
40kgの年は、たぶん頑張れば50kgくらいいったんじゃねえかなぁと思われるくらい猛烈な発生だった。仮に50kg収穫したとして、150gの原価100円ですべて売りさばいたとしよう。すると、50×1000÷150×100円の収益ということになる。ここからは電卓の出番だ。まあ大した数字にはならないだろう。だから売るつもりなんてまったくないんだけど・・・
いや待てよ。天然ヒラタケだと付加価値も見込めるはずだ。デカさだって、農協の栽培ヒラタケなんて150gパックを丸ごと覆うくらいの傘サイズだぞ。よし、ちょっと某有名通販サイトでカンニングしてこよう!
カンニングしてきた!なんと!私が収穫しているのと同じくらいのサイズ感のヒラタケで「300g2100円!」だってさ!やたらと「!」ばかりでうるさくてごめんなさい!でもさ!グラム単価が700円ですよ!ちょっとこれで計算してみます!すると・・・
50×1000÷100×700=35万!!!!
やっぱり売ろうかなー・・・なーんて、考えちゃいますね。もちろん売りませんよ。今年の25kgで計算しても17万5000円にはなるけど、売りません。17万5000円分を俺1人で食ってやるんだーーーー!
ということで、最後はとんでもなくイヤラシイ話をしたところで、今回は終わり。
「本家予想ブログ」もよろしくーーー
昨日テレビを見ていたところ(実はこれを書き始めたのは数日前。内村さんとかサンドさんとかが出てたやつね)、「ブドウハゼ」が話題になっていて驚いた。驚いたなんていうと私の山にブドウハゼがあるのではないかと思われるかもしれないが、そういうことではない。あっても不思議ではない気もするが、少なくとも私は確認していない。
ではなぜ驚いたのかというと、一瞬私の山で大量にみかける「ブドウにそっくりな木の実」を思い出したからだ。あ、あれはもしかしたらブドウハゼ?と思ったから驚いたのである。実はこのブログでもすでにその木の実のことは紹介している。こいつだ。
台風で山がひどくやられたとき、たいへんな高所にどばーっとなっているブドウ状の木の実が軒並み落下した。テレビで見ていて、もしかしたらアレが金色に変色するとブドウハゼの実になるのではないか・・・そう直観したのだ。
私の直観なんて当たった試しがないのだが、直観以外にもちゃんとした根拠が珍しくあった。それは「私が入る山にはハゼが多い」ということ。ハゼったって魚系のハゼじゃあないですよ。今紅葉の最盛期を迎えている山では、「ナンキンハゼ」というハゼ科の木の紅葉がとても美しい。
なんだかわからん木の実が落ちていたとしても、その正体を探るための時間を割くほど私は勤勉ではない。食えるかもしれないきのこなら一生懸命調べるが、どう見ても食えそうにない木の実の正体なんてどうでもよいのだ。しかしテレビを見て、希少価値が高い木なのかもしれないと知った以上、なんとか調べたいと思った。
そして調べた。たぶん正体を突き止めた。とりあえず予想しようか。
◎ イイギリ
△ ブドウハゼ
△ ナンキンハゼ
赤い木の実は相当な強毒のものもあるというから、なんでもかんでも試しに食ってみようという考え方は捨てたほうがよい。私もこのブドウ状赤い実の正体を調べながら、そういう考えは捨てることにした。強毒赤い実に当たらなくてラッキーだった。これまでは。強マズイ赤い実は何度か食らったが。
で、結論からいうと、おそらく「◎ イイギリ」で間違いないだろう。そして実はこの赤い実、食えるんだそうです・・・びっくりしましたよ、正直。食えなさそう感のものすごさはタマゴタケの比ではない。なんというか、毒の有無がどうのというよりも、恐ろしく食欲がわかない実なのである。やっぱり神様がつくったもんは奥が深いなー。
ただ、食って害がないという程度のもので、よほどの事情がない限り食いたいと思うような味ではないらしい。調べた印象からは、「基本ビターでうすら甘い感じの実」なのではないかと想像する。たとえばクマと出くわし決闘するも敗れ、足のほうから食われている最中にクマが急用を思い出して帰って行った・・・などという抜き差しならぬ状況以外では、イイギリの赤い実を食う機会もなさそう。
足だけ食われて動けなくなって、食わなきゃ飢え死にしちまうという状況以外では、少なくとも私は食わないと思う。私だったら足だけ食われて動けなくなった時点で助けを呼ぶと思うので、足だけ食われてもイイギリの赤い実を食うことはなさそうだが、果たしてどうだろうか。
さて、ここからはずいぶんたまってしまったヒラタケの写真を節操なく掲載しようと思う。今日も「薄気味悪い道」方面に行ってきたのだが、もう出ないだろうと思っていた木からまた1sくらいのヒラタケを採取してきた。まあ、たぶん時系列になっていると思うので、まったく変わり映えのしないいつもと同じヒラタケ画像を見たいという物好きな方はどうぞご覧ください。どうぞどうぞ、遠慮なんて要りません。どんどん見てください。
11月29日
↑前半戦ラストで大量に収穫した一番奥のホダ木。顔ぐらいある。デカすぎだろう・・・
↓決して小さくないが小さく見えるノーマルサイズのヒラタケ。同じ木。
例年2回に分けて15kgくらい収穫できる木なんだけど、今年はまだ出そうな雰囲気がある。明日あたりまた行ってみようと思う。
12月4日
↑1本だけこんな時期に出てきたムラサキシメジ。目立つので残しておくとロクなことにならないという前回の反省を生かし、普段なら絶対に残す「たった1本」をありがたくいただいてきた。相変わらず土臭いが、相変わらずシメジ的美味。
12月7日
↑台風でぶち折れた木。デカイ。ここのは毎年そうだが。
↓そのちょっと先の「1本目のホダ木」と呼んでいた木。この木はいったい何回出るんだ?
先日ムラサキシメジを掘り返すように持って行った人とおそらく同じ人が持って行ったホダ木で、きっとこれが(この木では)今年のラストだろうなーと思っていたら、まだ出るから驚く。さすがにもう最後だと思う。
そして今日。薄気味悪い道で今年新たに見つけたホダ木。こいつも4発目か5発目。毎度撮影して掲載しているわけではないが、この木を含む周辺の木々は年がら年中ヒラタケを発生させている。薄気味悪いのは道ばかりではなく、ここらへんの木々もけっこう薄気味悪いぞ。そしてここらのヒラタケもなんだかヤケにデカイしちょっと気味悪くなっている。
↑まとまって出ていたのでその周辺のチョビ出ヒラタケも含め採取してきたが・・・
↓周辺の木々にはこんなのがひっきりなしに出てるんですよねー。ほんとうにいつも出てる。なんだこれ?
とにかくこのへんのジメジメ感のすごさといったらなく、おそらくヒラタケにとっては絶好の環境なのだろう。でけえし分厚いしいつも出てるし香りも強いし、誰に気兼ねすることもなくひたすらのうのうと成長している感がある。
だったらヒラタケ以外のきのこももうちょっと頑張れよと個人的には思うのだが、なかなかそうもいかないんですねー。数年前にこの近辺でブナハリタケをちょこちょこっといただいたことがあったが、あれ以来全然出ねえし。
あ、そういえばですね・・・ここからが今日の第3話目。
先日農協に行ったんですよ。まあ自宅からはちょっと遠く、地図で見る限りでは自宅近辺なんて比じゃないくらい山ばっかの、車で30分くらいのとこなんですけどね。とにかく野菜・フルーツ類が安く手に入るということで、掘立小屋のようなきったねえ店構えなんだけど、通勤ラッシュかよってくらいに毎度人だらけの店である。
野菜やフルーツのことはよくわからんからそっちは家族に任せ、私は酒コーナーとかナッツコーナーとか、人がいない方面で時間をつぶしているのだが、そのとき見つけた。「150g入りヒラタケ324円特価!」というラベルを・・・
私はあくまでも趣味の一環としてきのことりをしている。いろんなきのこに親しみたい気持ちがかなり強い。ヒラタケに偏ってしまうのは偶然であり、いくらヒラタケがいっぱい収穫できるからといって、近所の人や家族がいうように「売る」なんていう発想は微塵もない。
去年もダメだったが、今年は台風直撃の影響もあって、ヒラタケに限らずだいぶ量的に少なくなってしまった。多いときでは推定40kgを超えるヒラタケを収穫したことがある。相当な量を近所や遠方の親類に送り付けてなお、1年かけても食い切れないくらいだった。今年はたぶん20kgは超えていると思うが、30kgはいっていないと思う。
40kgの年は、たぶん頑張れば50kgくらいいったんじゃねえかなぁと思われるくらい猛烈な発生だった。仮に50kg収穫したとして、150gの原価100円ですべて売りさばいたとしよう。すると、50×1000÷150×100円の収益ということになる。ここからは電卓の出番だ。まあ大した数字にはならないだろう。だから売るつもりなんてまったくないんだけど・・・
いや待てよ。天然ヒラタケだと付加価値も見込めるはずだ。デカさだって、農協の栽培ヒラタケなんて150gパックを丸ごと覆うくらいの傘サイズだぞ。よし、ちょっと某有名通販サイトでカンニングしてこよう!
カンニングしてきた!なんと!私が収穫しているのと同じくらいのサイズ感のヒラタケで「300g2100円!」だってさ!やたらと「!」ばかりでうるさくてごめんなさい!でもさ!グラム単価が700円ですよ!ちょっとこれで計算してみます!すると・・・
50×1000÷100×700=35万!!!!
やっぱり売ろうかなー・・・なーんて、考えちゃいますね。もちろん売りませんよ。今年の25kgで計算しても17万5000円にはなるけど、売りません。17万5000円分を俺1人で食ってやるんだーーーー!
ということで、最後はとんでもなくイヤラシイ話をしたところで、今回は終わり。
「本家予想ブログ」もよろしくーーー
2018年11月13日
第11R〜不気味で美しい(?)晩秋きのこ
必ずお読みください!
今日は雨模様。この調子では山に行けそうもないので、昨日の山の様子を書き留めておこうか。ほんとうは夕べ書こうと思っていたのだが、睡魔に勝てず力尽き、断念した。これまでも書こう書こうと思いながら睡魔やらなにやらに負け続けてきたので、今回はこのタイミングで絶対に書く。
↑この秋6発目くらいとなる1本目の折れた木に発生したヒラタケ。ヒラタケうどんで食いました。
↓でもまだあらたなヒラタケが発生した・・・さすがにもうこれで終わりだろう
1本のホダでだいたい2回くらいヒラタケは発生するが、条件次第では3回発生することもある。でも6回とか7回はちょっとありえない。ソノ木で6回も7回も発生してるじゃねえかよと思うかもしれないが、そこには実に巧妙なトリックが仕掛けられていたのだ!・・・なーんちゃって。
実はこの木、この前台風が来るまではなんのヘンテツもないただの木だったのだが、去年までは手が届かない木の枝の部分まで、著しく色が悪い柿のようにヒラタケが発生していたのである。それが台風によって粉々に・・・というほどでもないが、人間の骨にたとえるなら複合骨折と粉砕骨折がいっぺんに起こったような折れ方をしたため、供養の意味も込めて私が木の幹や枝を拾い集めてひとところにまとめておいたのだ。
その折れたほうの幹や枝から、昨年同様ヒラタケが発生したので、6回も7回も発生しているように感じられるのだ。実際1本の木だったころも、枝と幹の上部の発生が早くて、手が届く部分は遅かった。その順番が逆転しただけのことであり、発生回数が増えたということはほぼない。
いい加減ヒラタケ以外のきのこもそろそろ手に入れたいなーと思って山の景色を見ると、今年はここ数年より早く紅葉が進んでいるようである。ちなみにこのあたりの紅葉は美しくもなんともなく、ただただきったねえ色合いの枯れ葉である。
この時期になると、まだちょっと早いかなーと思いつつも、味ではヒラタケやブナハリタケを大きく上回るシモフリシメジへの期待が高まる。正直数には期待できないが、腐ってもシメジである。少しでも味わっておきたいではないか。特に今年はハタケシメジの収穫量が激減したから。
そんなことを思いながら、例年少量だけ顔を見せてくれるシモフリシメジの場所を探した。シモフリシメジは分厚い枯れ葉の層状の地べたに発生することが多く、歩いているだけではまず見つからないきのこ。ちゃんと枯れ葉を搔き分けて発見する必要があるのだ。
ということで、分厚い枯れ葉ゾーンの前でしゃがみこんで枯れ葉をどかそうとしたところ・・・きのこを見つけた。コイツだ。
↑比較的大柄なきのこ
↓見た目のとおり、人工的な色合い。美しいが、これを食う思うとけっこう不気味な色合いかも
私は実物を見たことがなかったので少し驚いたが、正体はすぐにわかった。実際数本食べてみて、味も確認している。もちろん体調に変化はない。ということで、予想。
◎ ムラサキシメジ
○ ウスムラサキシメジ
▲ ウラムラサキシメジ
△ ムラサキフウセンタケ
△ シモフリシメジ
△ ホンシメジ
△ ムラサキヤマドリ
前回ヒラタケの煮つけをつくったのがバレて、調味料のつかい方(特に酒の量)についてきつく叱られたばかりだったので、今回は専門家に煮つけてもらって食った。なんつうか、食感がワイルドなヒラタケにくらべると著しく上品。ヒラタケは、良い意味での生臭みが強いが、こちらは「いかにも」という感じのシメジの香りと強いとろみ。
ただ、土くさいというか、このへんもいかにもワイルドマッシュルームだなぁと感じさせた。土臭さがニガテな人はヒラタケのほうがいいし、ワイルドマッシュルーム特有の生臭みがニガテな人は、こっちのムラサキのほうが合うんじゃないかな。いや、なかなかおいしいですよこのきのこ。てことで、まず間違いなく「◎ムラサキシメジ」が正解だろう。
味の比較でいうなら、ヒラタケ≦タマゴタケ・ブナハリタケ≦ムラサキシメジ<<<ハタケシメジ<<シモフリシメジ(個人の感想です)という感じかな。まあヒラタケはうまいんだけど、正直少々食い飽きた。
ウスムラサキシメジは、毒、もしくは食毒不明、あるいは食不適など、いろいろな言われ方をするが、「食えます」と書かれている文献は皆無。見た目はムラサキシメジに酷似するから、ムラサキシメジの収穫には注意を要する。ではどう見分けるか・・・ウスムラサキシメジは切り口から刺激臭が漂う。くせえ!と思ったアナタが手にした紫色のきのこは、きっとウスムラサキシメジですよ。
ウラムラサキシメジは、外側はなんだかよくわからんきのこの体をなすが、ウラ、つまりヒダ部分だけは上の画像のようにムラサキなんだとか。こちらもかなりおいしいきのこだということで、見つけたら食ってみたい気がするものの、よーく考えてみるとムラサキシメジ以上に不気味な色合いのきのこでもある。
ムラサキフウセンタケは・・・これから勉強しまーす!
シモフリシメジは今後に期待。そしてホンシメジ・・・おそらくマツタケ以上にレアであり、高価でもあるはずだが、実は私、このホンシメジを目撃している可能性があるのだ。ただその当時は、まだきのこなんてほとんど興味もなく、どうせスーパーで売っているシメジと同程度の価値しかないものと思い込んでいたため、かなり大型のシメジ型きのこを足蹴にしていたことがあった。
今にして思えば、シモフリシメジとはサイズも色の感じも明らかに異なるし、やっぱりあれはホンシメジだったんじゃねえかなーという気がする。味の比較の想像では、シモフリシメジの右側に<<<<<<<ホンシメジという感じで位置するんだと思う。無知はコワイですね・・・
てことで、今年は「ホンシメジとったどーーー!!!」のご報告ができるよう、山歩きをします。
今日は雨模様。この調子では山に行けそうもないので、昨日の山の様子を書き留めておこうか。ほんとうは夕べ書こうと思っていたのだが、睡魔に勝てず力尽き、断念した。これまでも書こう書こうと思いながら睡魔やらなにやらに負け続けてきたので、今回はこのタイミングで絶対に書く。
↑この秋6発目くらいとなる1本目の折れた木に発生したヒラタケ。ヒラタケうどんで食いました。
↓でもまだあらたなヒラタケが発生した・・・さすがにもうこれで終わりだろう
1本のホダでだいたい2回くらいヒラタケは発生するが、条件次第では3回発生することもある。でも6回とか7回はちょっとありえない。ソノ木で6回も7回も発生してるじゃねえかよと思うかもしれないが、そこには実に巧妙なトリックが仕掛けられていたのだ!・・・なーんちゃって。
実はこの木、この前台風が来るまではなんのヘンテツもないただの木だったのだが、去年までは手が届かない木の枝の部分まで、著しく色が悪い柿のようにヒラタケが発生していたのである。それが台風によって粉々に・・・というほどでもないが、人間の骨にたとえるなら複合骨折と粉砕骨折がいっぺんに起こったような折れ方をしたため、供養の意味も込めて私が木の幹や枝を拾い集めてひとところにまとめておいたのだ。
その折れたほうの幹や枝から、昨年同様ヒラタケが発生したので、6回も7回も発生しているように感じられるのだ。実際1本の木だったころも、枝と幹の上部の発生が早くて、手が届く部分は遅かった。その順番が逆転しただけのことであり、発生回数が増えたということはほぼない。
いい加減ヒラタケ以外のきのこもそろそろ手に入れたいなーと思って山の景色を見ると、今年はここ数年より早く紅葉が進んでいるようである。ちなみにこのあたりの紅葉は美しくもなんともなく、ただただきったねえ色合いの枯れ葉である。
この時期になると、まだちょっと早いかなーと思いつつも、味ではヒラタケやブナハリタケを大きく上回るシモフリシメジへの期待が高まる。正直数には期待できないが、腐ってもシメジである。少しでも味わっておきたいではないか。特に今年はハタケシメジの収穫量が激減したから。
そんなことを思いながら、例年少量だけ顔を見せてくれるシモフリシメジの場所を探した。シモフリシメジは分厚い枯れ葉の層状の地べたに発生することが多く、歩いているだけではまず見つからないきのこ。ちゃんと枯れ葉を搔き分けて発見する必要があるのだ。
ということで、分厚い枯れ葉ゾーンの前でしゃがみこんで枯れ葉をどかそうとしたところ・・・きのこを見つけた。コイツだ。
↑比較的大柄なきのこ
↓見た目のとおり、人工的な色合い。美しいが、これを食う思うとけっこう不気味な色合いかも
私は実物を見たことがなかったので少し驚いたが、正体はすぐにわかった。実際数本食べてみて、味も確認している。もちろん体調に変化はない。ということで、予想。
◎ ムラサキシメジ
○ ウスムラサキシメジ
▲ ウラムラサキシメジ
△ ムラサキフウセンタケ
△ シモフリシメジ
△ ホンシメジ
△ ムラサキヤマドリ
前回ヒラタケの煮つけをつくったのがバレて、調味料のつかい方(特に酒の量)についてきつく叱られたばかりだったので、今回は専門家に煮つけてもらって食った。なんつうか、食感がワイルドなヒラタケにくらべると著しく上品。ヒラタケは、良い意味での生臭みが強いが、こちらは「いかにも」という感じのシメジの香りと強いとろみ。
ただ、土くさいというか、このへんもいかにもワイルドマッシュルームだなぁと感じさせた。土臭さがニガテな人はヒラタケのほうがいいし、ワイルドマッシュルーム特有の生臭みがニガテな人は、こっちのムラサキのほうが合うんじゃないかな。いや、なかなかおいしいですよこのきのこ。てことで、まず間違いなく「◎ムラサキシメジ」が正解だろう。
味の比較でいうなら、ヒラタケ≦タマゴタケ・ブナハリタケ≦ムラサキシメジ<<<ハタケシメジ<<シモフリシメジ(個人の感想です)という感じかな。まあヒラタケはうまいんだけど、正直少々食い飽きた。
ウスムラサキシメジは、毒、もしくは食毒不明、あるいは食不適など、いろいろな言われ方をするが、「食えます」と書かれている文献は皆無。見た目はムラサキシメジに酷似するから、ムラサキシメジの収穫には注意を要する。ではどう見分けるか・・・ウスムラサキシメジは切り口から刺激臭が漂う。くせえ!と思ったアナタが手にした紫色のきのこは、きっとウスムラサキシメジですよ。
ウラムラサキシメジは、外側はなんだかよくわからんきのこの体をなすが、ウラ、つまりヒダ部分だけは上の画像のようにムラサキなんだとか。こちらもかなりおいしいきのこだということで、見つけたら食ってみたい気がするものの、よーく考えてみるとムラサキシメジ以上に不気味な色合いのきのこでもある。
ムラサキフウセンタケは・・・これから勉強しまーす!
シモフリシメジは今後に期待。そしてホンシメジ・・・おそらくマツタケ以上にレアであり、高価でもあるはずだが、実は私、このホンシメジを目撃している可能性があるのだ。ただその当時は、まだきのこなんてほとんど興味もなく、どうせスーパーで売っているシメジと同程度の価値しかないものと思い込んでいたため、かなり大型のシメジ型きのこを足蹴にしていたことがあった。
今にして思えば、シモフリシメジとはサイズも色の感じも明らかに異なるし、やっぱりあれはホンシメジだったんじゃねえかなーという気がする。味の比較の想像では、シモフリシメジの右側に<<<<<<<ホンシメジという感じで位置するんだと思う。無知はコワイですね・・・
てことで、今年は「ホンシメジとったどーーー!!!」のご報告ができるよう、山歩きをします。
2018年11月11日
第10R〜カワイイけどこわ〜いきのこ
必ずお読みください!
ヒラタケのでかい収穫を終えるとしばらくなーんもなくなる。きのこの収穫って、年がら年中継続するわけではない。採れるときに首尾よく収穫できたらいいと思う。
ここ数日で見かけたきのこは数種類。ヒラタケのちょっとした群生や、おそらくブナハリタケと思われる白い影があった。ただしヒラタケはエライ高いとこだったりエライ谷底の大群衆だったりで、とても収穫したい気持ちにはならなかった。
ブナハリタケは、ブナの倒木が湿気の強いところでやたらと重く水分を含んで発生するというイメージ(1年だけそういう幸運に出くわしたことがある)だったが、今回はちょうど私の手の届くところに数枚のブナハリタケが発生し、手が届かないところから上に向かって発生した「生きたブナの大木」だったのが不運。へぇ〜、こんなブナハリタケもあるんだなーと思った。
ちなみにハリタケというのは、傘裏のヒダが針状にトゲトゲしているきのこのファミリー。トゲトゲしていても別に痛くはない。ほかにもマツタケ以上の高値がつくといわれるコウタケ(シシタケ)や、私が歩く山にクソほども出る食えないニセコウタケ(ケロウジ)などがたぶんハリタケの仲間。たぶんというのは、ちゃんと調べていないから。でもヒダはトゲトゲしていてハリタケファミリー特有のそれだ。
ブナハリタケはその代表格で、非常においしいきのこ。ヒラタケもおいしいが、ブナハリタケも負けてはいない。どちらも比較的簡単に手に入るおいしいきのこの代表格である。でもきのこって、やっぱり年がら年中採れるものではな・・・あ、年がら年中採れるきのこがあった。こいつだ。
これ、ご存知ですよね?おそらく最も身近な「食える天然きのこ」だと思う。そう、キクラゲちゃんです。このタイプは「アラゲキクラゲ」と呼ばれる毛が生えたキクラゲで、かなり肉厚で食感もコリコリしている。
こっちのほうが好きという人も少なくないが、私はふつうのキクラゲのほうが好きかなー。例年はアラゲ(画像のタイプ)が多いのだが、今年は春、そして秋口からふつうタイプのキクラゲがたくさん発生したのでうれしかった。いろいろな料理につかえて無難な味わい。今年は「刺身」でもチャレンジしたが、けっこううまかったですね。
↑ひところ毎日「ひと握り」のアラゲキクラゲ(ちょうど一食分)を発生させた私孝行の切り株
なんだよいくらも採れてねぇじゃねぇかよ・・・と思いますか?これ、画像にないのも含めるとひと鍋分採れてるんですよ実は。でもね、キクラゲが大量に発生してる画像は完全に放送禁止なので、健全なブログの性質上今回は割愛させていただきますよ。
キクラゲは、ネットなどで画像を見る分には、多少毒(フクロシトネタケ)や食毒不明(チャワンタケ系)など似た感じのきのこもあるが、実際に見て、触ってみればまったく別モノと判断できるはず。食えるのではノボリリュウタケ(チャワンタケの一族)なんかが同じ系統(得体の知れない系)のようにも感じられる。
で、今回のテーマはキクラゲではなく、パッと見とてもかわいらしい、こいつです。
↑日射しが強いのでわかりづらいが、見た目は美しい黄色薄い緑といった色合いで、1円玉サイズの傘、細い柄が朽木に数本群生
↓ヒダを見ると特徴的な・・・
野生きのこを食う習慣がある人なら、もう簡単ですね。クサウラベニタケやツキヨタケと並んで一番気をつけなければならない強毒きのこ群のひとつと予想する。
◎ ニガクリタケ
○ クリタケ
▲ ナラタケ
△ タモギタケ
△ ベニヒダタケ
△ ヒメアジロガサ
食ったらその苦さから判断しやすいが、おそらくニガクリタケで間違いない。こちらも毒きのこに分類されるクリタケ(しかしほとんどのきのこハンターは食う)や、可食のナラタケ(モドキ)の幼菌と似ている場合がある。
ニガクリタケは「苦いクリタケ」なのでこの名前がついたと思われる。クリタケと迷ったらその場でかじってみればすぐに判断できるといわれる(私はやったことがない)。ただし、いわゆる「きのこ鍋」にしていろんなきのこのダシに紛れてしまうと、これだけ小柄なきのこだと、苦みもわからなくなってしまう危険は大きい。
ニガクリタケは死亡例もあるくらい強い毒があるきのこなので、そういう怖さでいうなら「クサウラ<ツキヨ<ニガクリ」の順になるんじゃないかな。なお、食う以外の見分け方として、傘裏の色が有力。
ニガクリ2枚目の画像のように、なんだか薄汚れたえれぇきったねぇ色をしている。裏を見なければとてもかわいらしいきのこなんだけどね。
↑2カ月ほど前に見つけたニガクリタケ(と思われるきのこ)の大群生。なんとなく茶色っぽいので、もしかしたらクリタケよりずっと似ているなんとかタケっつー可食きのこかもしれないが、ニガクリを知っている人ならこれを見て食欲は湧かんだろう・・・
タモギタケはヒラタケの一族で、高い抗がん作用があるとされる黄色の優良菌。ヒラタケほどの香りも迫力もないが、そこそこうまかった(私は栽培ものしか食ったことがないが・・・)。
ベニヒダタケは家の花壇なんかにもふつうに出る黄色いきのこ。これも食えるということだが、正直食欲は湧かないなぁ・・・
ヒメアジロガサはコレラタケ(ドクアジロガサ)のファミリーで、ニガクリタケ以上の猛毒きのこ。食ったらヤバイですよーこれは。タマゴテングタケやドクツルタケと同じように、食ったら肝臓がズタボロになりますね。ニガクリタケと同じくらいの大きさだが、色は全然違う。
まあ私みたいに食い意地が張っている人間は、食っても腹のタシにならなそうな小型きのこで誤食する可能性はむしろ小さいのかもしれないですなぁ・・・
ヒラタケのでかい収穫を終えるとしばらくなーんもなくなる。きのこの収穫って、年がら年中継続するわけではない。採れるときに首尾よく収穫できたらいいと思う。
ここ数日で見かけたきのこは数種類。ヒラタケのちょっとした群生や、おそらくブナハリタケと思われる白い影があった。ただしヒラタケはエライ高いとこだったりエライ谷底の大群衆だったりで、とても収穫したい気持ちにはならなかった。
ブナハリタケは、ブナの倒木が湿気の強いところでやたらと重く水分を含んで発生するというイメージ(1年だけそういう幸運に出くわしたことがある)だったが、今回はちょうど私の手の届くところに数枚のブナハリタケが発生し、手が届かないところから上に向かって発生した「生きたブナの大木」だったのが不運。へぇ〜、こんなブナハリタケもあるんだなーと思った。
ちなみにハリタケというのは、傘裏のヒダが針状にトゲトゲしているきのこのファミリー。トゲトゲしていても別に痛くはない。ほかにもマツタケ以上の高値がつくといわれるコウタケ(シシタケ)や、私が歩く山にクソほども出る食えないニセコウタケ(ケロウジ)などがたぶんハリタケの仲間。たぶんというのは、ちゃんと調べていないから。でもヒダはトゲトゲしていてハリタケファミリー特有のそれだ。
ブナハリタケはその代表格で、非常においしいきのこ。ヒラタケもおいしいが、ブナハリタケも負けてはいない。どちらも比較的簡単に手に入るおいしいきのこの代表格である。でもきのこって、やっぱり年がら年中採れるものではな・・・あ、年がら年中採れるきのこがあった。こいつだ。
これ、ご存知ですよね?おそらく最も身近な「食える天然きのこ」だと思う。そう、キクラゲちゃんです。このタイプは「アラゲキクラゲ」と呼ばれる毛が生えたキクラゲで、かなり肉厚で食感もコリコリしている。
こっちのほうが好きという人も少なくないが、私はふつうのキクラゲのほうが好きかなー。例年はアラゲ(画像のタイプ)が多いのだが、今年は春、そして秋口からふつうタイプのキクラゲがたくさん発生したのでうれしかった。いろいろな料理につかえて無難な味わい。今年は「刺身」でもチャレンジしたが、けっこううまかったですね。
↑ひところ毎日「ひと握り」のアラゲキクラゲ(ちょうど一食分)を発生させた私孝行の切り株
なんだよいくらも採れてねぇじゃねぇかよ・・・と思いますか?これ、画像にないのも含めるとひと鍋分採れてるんですよ実は。でもね、キクラゲが大量に発生してる画像は完全に放送禁止なので、健全なブログの性質上今回は割愛させていただきますよ。
キクラゲは、ネットなどで画像を見る分には、多少毒(フクロシトネタケ)や食毒不明(チャワンタケ系)など似た感じのきのこもあるが、実際に見て、触ってみればまったく別モノと判断できるはず。食えるのではノボリリュウタケ(チャワンタケの一族)なんかが同じ系統(得体の知れない系)のようにも感じられる。
で、今回のテーマはキクラゲではなく、パッと見とてもかわいらしい、こいつです。
↑日射しが強いのでわかりづらいが、見た目は美しい黄色薄い緑といった色合いで、1円玉サイズの傘、細い柄が朽木に数本群生
↓ヒダを見ると特徴的な・・・
野生きのこを食う習慣がある人なら、もう簡単ですね。クサウラベニタケやツキヨタケと並んで一番気をつけなければならない強毒きのこ群のひとつと予想する。
◎ ニガクリタケ
○ クリタケ
▲ ナラタケ
△ タモギタケ
△ ベニヒダタケ
△ ヒメアジロガサ
食ったらその苦さから判断しやすいが、おそらくニガクリタケで間違いない。こちらも毒きのこに分類されるクリタケ(しかしほとんどのきのこハンターは食う)や、可食のナラタケ(モドキ)の幼菌と似ている場合がある。
ニガクリタケは「苦いクリタケ」なのでこの名前がついたと思われる。クリタケと迷ったらその場でかじってみればすぐに判断できるといわれる(私はやったことがない)。ただし、いわゆる「きのこ鍋」にしていろんなきのこのダシに紛れてしまうと、これだけ小柄なきのこだと、苦みもわからなくなってしまう危険は大きい。
ニガクリタケは死亡例もあるくらい強い毒があるきのこなので、そういう怖さでいうなら「クサウラ<ツキヨ<ニガクリ」の順になるんじゃないかな。なお、食う以外の見分け方として、傘裏の色が有力。
ニガクリ2枚目の画像のように、なんだか薄汚れたえれぇきったねぇ色をしている。裏を見なければとてもかわいらしいきのこなんだけどね。
↑2カ月ほど前に見つけたニガクリタケ(と思われるきのこ)の大群生。なんとなく茶色っぽいので、もしかしたらクリタケよりずっと似ているなんとかタケっつー可食きのこかもしれないが、ニガクリを知っている人ならこれを見て食欲は湧かんだろう・・・
タモギタケはヒラタケの一族で、高い抗がん作用があるとされる黄色の優良菌。ヒラタケほどの香りも迫力もないが、そこそこうまかった(私は栽培ものしか食ったことがないが・・・)。
ベニヒダタケは家の花壇なんかにもふつうに出る黄色いきのこ。これも食えるということだが、正直食欲は湧かないなぁ・・・
ヒメアジロガサはコレラタケ(ドクアジロガサ)のファミリーで、ニガクリタケ以上の猛毒きのこ。食ったらヤバイですよーこれは。タマゴテングタケやドクツルタケと同じように、食ったら肝臓がズタボロになりますね。ニガクリタケと同じくらいの大きさだが、色は全然違う。
まあ私みたいに食い意地が張っている人間は、食っても腹のタシにならなそうな小型きのこで誤食する可能性はむしろ小さいのかもしれないですなぁ・・・
2018年10月22日
第9R〜【!最強!】きのこ界のオルフェーヴル!?【?最恐?】
必ずお読みください!
↑幼菌発見4日目。もう完全に「成菌」である。明日には収穫できるだろう。
↓別個体発見4日目。こちらも幼菌と成菌の混合という感じまで成長した。こっちのほうが成長が速そうだから、もしかしたら明日収穫できるかもしれない。
あ!ヌメリスギタケの株がない!
と思ったが、土日だったこともあり、きっと誰かが持って行ったのだろう。以前掲載した「収穫したヒラタケ」のうち、未収穫のチビヒラタケ30本くらいも土曜日に1本残らず誰かが持ち去っていた。
もちろん収穫してもらっても全然かまわないのだが、もうちょっと「優しい収穫の仕方」で収穫してほしかったなぁ。対人間では「早い者勝ち」でいいんだけど、対木・きのこに対してはもっと優しくあってほしいなぁ・・・などと、素人ながら思った。そのくらい荒っぽい採り方に見えた。
でもね、慌てず回り込んで眺めてみると、木の横および裏にはこんなにヌメリスギタケが発生しているんだよ。
↓ヌメリスギタケ群生
まあこれを収穫するのはけっこう危険なんだけどね、かなりの急斜面&崖になっているので。ということで、いくら大好きなヒラタケやヌメリスギタケの観察とはいえ、これだけ毎日同じところばかりだと、そんなに変化が起こるものではない。自然は人間の想像なんてとても及ばないスピード、規模で変化を繰り返すのだと思う。
そこで、1週間ほど前にニガクリタケ(強毒)と思われるきのこが大発生しているのを発見した小径に入ってみると、思わぬものを見つけた。テンションMAXだった。
今日は珍しく「秋晴れ」の強い日射しで、私の超高級格安スマホではうまく映すことができなかったのがなんとも残念であるが・・・今回はこのきのこさんを予想したい。みなさんにも予想していただくために、私の肉眼でとらえた色を「ひとこと」で表現するなら、「濃いクリーム系の傘色、白でわずかに黄色がかった柄(わずかにささくれるが比較的滑らか)」となる。なんだと思いますか?
では、予想です。
◎ タマゴテングタケ
○ タマゴタケモドキ
△ ウスキテングタケ
△ コタマゴテングタケ
✕ シロタマゴテングタケ
これ、年間に1〜2本見るんですよねー。恐ろしく美しいきのこで、まあもしかしたらこのきのこのせいでたいへんな目に遭われた方もいるのかもしれないが、個人的には大好きなきのこ。
きのこが好きな人どころか、学者さんの間でもまだはっきりとわかっていないところがあるといわれるのがタマゴテングタケとタマゴタケモドキの超猛毒コンビ。私はタマゴテングタケではないかな・・・と思う。
色的には、このあたりで毎年のように大発生するウスキテングタケかとも思ったのだが、ボツボツのあとがまったく見られないし、何より条線がないこと。そして、画像でははっきりとわからないのが残念でならないのだが、このきのこはウスキテングのようにクリーム色のペンキを塗りたくったような単調な色調ではないのだ。
なんというか、シルバーがかった濃いクリーム色で、ちょっとことばでは表現できないくらいの幻想的な色合いである。言ってみれば、コテングタケモドキにクリーム色の粉(クリープ?)をまぶした感じの深く複雑な色合いなのだ。
一説では北海道にしか出ないとされるタマゴテングタケだが、私ははじめて見てその美しさにほれ込んで徹底的に調べ、これはタマゴテングタケなんじゃないかと素人ながらに結論付けた。もう何年も昔のことだが。これが毎年1〜2本くらい発生する。今年はだいぶ遅いが、ついに出たかという感じである。
しかし改めて画像で見ると・・・ほとんど白に見えるのが悔やまれるなぁ。ご覧のとおり、ツバははっきりと白なんだけどね。
で、タマゴタケモドキとタマゴテングタケの違い。繰り返すが、識者の中には「両者は同じ!」とするいささか乱暴な意見の者も見られる。だから私のようなど素人に両者の区別をしろというほうが無理なのだが、あくまでも個人的見解。
タマゴタケモドキの画像をネットでみると、柄の模様がけっこうだんだらである。タマゴタケほど情熱的にだんだらしているわけではなさそうだが、たとえばタマゴテングタケの一族であるシロタマゴテングタケは、ドクツルタケにくらべて柄がツルっとしているのだそう。
そういうところから判断して、幼菌のころはけっこうドクツルちっくなどろどろの柄でも、こうして成長するとスッキリとした柄になっていることが多いこのタイプのきのこは、きっとタマゴタケモドキよりはタマゴテングタケに近いのではないか・・・と推測する。
上級者ともなれば顕微鏡で胞子を確認したり試薬をぶっかけて判断したりするそうだが、あくまでも趣味の範囲なので個人的見解にとどめたい。と同時に、大好きなきのこだけに、むしろすべてを知らないままでいたいという気もするのだ。
なお、ニュースなどでも取り上げられることがあるドクツルタケの致死量は「8g」なんてきいたことがあるが、タマゴテングタケの毒性はドクツルタケよりも「数段強い」とのことだから、猛毒御三家(タマゴテング、ドクツル、シロタマゴテング)の中では「超猛毒」を有するのがタマゴテングタケであると解釈して間違いないだろう。
第1Rのところで、「タマゴタケはきのこ界のアイドル・タマゴタケユタカ」とかワケわからんことをほざいたが、だとすれば、美しくも強烈にして唯一無二の存在感を示すタマゴテングタケは、「きのこ界のオルフェーヴル」がふさわしいんじゃないかなーなどと思う今日このごろである。
↑幼菌発見4日目。もう完全に「成菌」である。明日には収穫できるだろう。
↓別個体発見4日目。こちらも幼菌と成菌の混合という感じまで成長した。こっちのほうが成長が速そうだから、もしかしたら明日収穫できるかもしれない。
あ!ヌメリスギタケの株がない!
と思ったが、土日だったこともあり、きっと誰かが持って行ったのだろう。以前掲載した「収穫したヒラタケ」のうち、未収穫のチビヒラタケ30本くらいも土曜日に1本残らず誰かが持ち去っていた。
もちろん収穫してもらっても全然かまわないのだが、もうちょっと「優しい収穫の仕方」で収穫してほしかったなぁ。対人間では「早い者勝ち」でいいんだけど、対木・きのこに対してはもっと優しくあってほしいなぁ・・・などと、素人ながら思った。そのくらい荒っぽい採り方に見えた。
でもね、慌てず回り込んで眺めてみると、木の横および裏にはこんなにヌメリスギタケが発生しているんだよ。
↓ヌメリスギタケ群生
まあこれを収穫するのはけっこう危険なんだけどね、かなりの急斜面&崖になっているので。ということで、いくら大好きなヒラタケやヌメリスギタケの観察とはいえ、これだけ毎日同じところばかりだと、そんなに変化が起こるものではない。自然は人間の想像なんてとても及ばないスピード、規模で変化を繰り返すのだと思う。
そこで、1週間ほど前にニガクリタケ(強毒)と思われるきのこが大発生しているのを発見した小径に入ってみると、思わぬものを見つけた。テンションMAXだった。
今日は珍しく「秋晴れ」の強い日射しで、私の超高級格安スマホではうまく映すことができなかったのがなんとも残念であるが・・・今回はこのきのこさんを予想したい。みなさんにも予想していただくために、私の肉眼でとらえた色を「ひとこと」で表現するなら、「濃いクリーム系の傘色、白でわずかに黄色がかった柄(わずかにささくれるが比較的滑らか)」となる。なんだと思いますか?
では、予想です。
◎ タマゴテングタケ
○ タマゴタケモドキ
△ ウスキテングタケ
△ コタマゴテングタケ
✕ シロタマゴテングタケ
これ、年間に1〜2本見るんですよねー。恐ろしく美しいきのこで、まあもしかしたらこのきのこのせいでたいへんな目に遭われた方もいるのかもしれないが、個人的には大好きなきのこ。
きのこが好きな人どころか、学者さんの間でもまだはっきりとわかっていないところがあるといわれるのがタマゴテングタケとタマゴタケモドキの超猛毒コンビ。私はタマゴテングタケではないかな・・・と思う。
色的には、このあたりで毎年のように大発生するウスキテングタケかとも思ったのだが、ボツボツのあとがまったく見られないし、何より条線がないこと。そして、画像でははっきりとわからないのが残念でならないのだが、このきのこはウスキテングのようにクリーム色のペンキを塗りたくったような単調な色調ではないのだ。
なんというか、シルバーがかった濃いクリーム色で、ちょっとことばでは表現できないくらいの幻想的な色合いである。言ってみれば、コテングタケモドキにクリーム色の粉(クリープ?)をまぶした感じの深く複雑な色合いなのだ。
一説では北海道にしか出ないとされるタマゴテングタケだが、私ははじめて見てその美しさにほれ込んで徹底的に調べ、これはタマゴテングタケなんじゃないかと素人ながらに結論付けた。もう何年も昔のことだが。これが毎年1〜2本くらい発生する。今年はだいぶ遅いが、ついに出たかという感じである。
しかし改めて画像で見ると・・・ほとんど白に見えるのが悔やまれるなぁ。ご覧のとおり、ツバははっきりと白なんだけどね。
で、タマゴタケモドキとタマゴテングタケの違い。繰り返すが、識者の中には「両者は同じ!」とするいささか乱暴な意見の者も見られる。だから私のようなど素人に両者の区別をしろというほうが無理なのだが、あくまでも個人的見解。
タマゴタケモドキの画像をネットでみると、柄の模様がけっこうだんだらである。タマゴタケほど情熱的にだんだらしているわけではなさそうだが、たとえばタマゴテングタケの一族であるシロタマゴテングタケは、ドクツルタケにくらべて柄がツルっとしているのだそう。
そういうところから判断して、幼菌のころはけっこうドクツルちっくなどろどろの柄でも、こうして成長するとスッキリとした柄になっていることが多いこのタイプのきのこは、きっとタマゴタケモドキよりはタマゴテングタケに近いのではないか・・・と推測する。
上級者ともなれば顕微鏡で胞子を確認したり試薬をぶっかけて判断したりするそうだが、あくまでも趣味の範囲なので個人的見解にとどめたい。と同時に、大好きなきのこだけに、むしろすべてを知らないままでいたいという気もするのだ。
なお、ニュースなどでも取り上げられることがあるドクツルタケの致死量は「8g」なんてきいたことがあるが、タマゴテングタケの毒性はドクツルタケよりも「数段強い」とのことだから、猛毒御三家(タマゴテング、ドクツル、シロタマゴテング)の中では「超猛毒」を有するのがタマゴテングタケであると解釈して間違いないだろう。
第1Rのところで、「タマゴタケはきのこ界のアイドル・タマゴタケユタカ」とかワケわからんことをほざいたが、だとすれば、美しくも強烈にして唯一無二の存在感を示すタマゴテングタケは、「きのこ界のオルフェーヴル」がふさわしいんじゃないかなーなどと思う今日このごろである。
2018年10月19日
第8R〜きたきたきたきた!今年もきたぞきたぞきたぞぉ〜!
必ずお読みください!
先日、台風の影響で(最短ルートでは)山に入れなくなったという話をしたが、おそらく林業者が林道(というか実質「廃道」)の倒木を撤去してくれたおかげで、けっこう奥まで行けるようになった。
その入り口でいつものように軽くキクラゲを収穫し、そのあと、今年はこっちの山にも発生してくれたヌメリスギタケを収穫した。画像は収穫しなかった小さいほうのヌメリスギタケ(古いキクラゲに囲まれた不思議な発生)だが、この木の裏に10本くらいの比較的大きな株が発生していたので、ありがたく頂戴した。
なぜ小さいほうの画像なのかというと、ここも谷になっているため、木の裏を撮影するには危険を伴うからである。収穫するのもけっこう慎重を要するくらいの急斜面なので、大きい株の画像はご容赦いただきたい。
↑ヌメリスギタケ幼菌’ もうちょい大きくなると食べごろ
ヌメリスギタケは、言ってみれば「ナメコ」にそっくりなきのこである。見た目は毒々しいが、ナメコに似ているということは、極めて美味なきのこである。私は大好きなきのこ。例年別の場所で少量収穫するが、こっちの山に発生してくれるようなら、今年はかなり期待できるかもしれない。
ちなみにこいつらは確か「スギタケ」の一族だったと思う。スギタケといっても、別に杉の木に出るわけではない。杉の実に似たフォルムからそういう名前がついたという説が有力。
スギタケの一族で有名なのが、
という、文字に起こしてみるとけっこうややこしいファミリーである。しかし見た目、触った感じで見分けは簡単につく。逆のパターンはあるが、ことばの説明から判断が難しそうな割に見た目の判断が簡単なきのこはこのファミリー特有という気がする。
まあ何にしても、スギタケとスギタケモドキは毒きのこに分類されるので要注意。確かスギタケモドキは十分加熱すれば大丈夫だったかな。食う気がないのでよく覚えていない。実はもう一種類「ツチスギタケ」というのがあるのだが、こちらも食う気がない毒きのこ(加熱で可食?)だ。
ちなみにこの木は例年いろいろな種類のきのこを発生させる、非常に優れた木である。なんの木だかわからんけど、腐りかかった広葉樹である。12月になればたぶんエノキタケが発生すると思うので、これも楽しみ。
さて、ここからが今回のお題。さっそくご覧いただこう。今回は簡単ですね。
いやぁ、もう最高の気分である。思わずライデンリーダー(競馬ファンの方はご存知ですね?)の4歳牝特を思い出す、あの「きたきたきたきた・・・」感だ。当時実況で「おーっと外からきたきたききた!ライデンリーダーがきたぞきたぞきたぞぉ〜」の「杉本節」も炸裂し、あのときと同じくらいの「うれしい鳥肌」が立ったのも事実である。予想!
◎ ヒラタケ
○ ブナシメジ
▲ ホンシメジ
△ ウスヒラタケ
△ スギヒラタケ
✕ ツキヨタケ
今夜はちょっと飲みすぎちゃいましたよ・・・今コレを書きながらも少々気持ち悪く、テンションもやたら高い。もしかしたらヒラタケにそっくりなベニテングタケでも食ったんじゃないかといぶかるくらいである(いや、うそ)。
いやぁー採りたてのヒラタケはおいしい!網焼き。そして豚肉とネギと豆腐で甘辛く似た「ヒラタケ肉豆腐ネギ煮」、あとはキクラゲと一緒に細く切った佃煮。最高です・・・もっと大量に採れれば虫出しして保存するのだが、天日干しにするとヒラタケの香りが強烈すぎるので、個人的には採りたての「やさしい香りのヒラタケ」のほうが好きだなぁ。
ヒラタケを天日で干すと、なんというか、マツタケとシイタケと何かを足してフーリエ展開したみたいな不思議な香りが漂うのだ。はじめは「ちょーいい香り!」と思ったが、マツタケほどではないものの、いつまでも鼻についてしまうくらい香りは強烈である。これはたぶん天然ヒラタケだけだと思う。だから今年は干さないうちにヒラタケご飯やヒラタケの味噌汁やヒラタケのなんちゃらかんちゃらをできるだけ食べておきたいと思う。
今日の段階では、正直そこまでの収穫量ではなかった。1sに満たないくらい。先日のヒラタケのときみたいに大雨の翌日ではないので、そこまで水分も含んでおらず、通常のヒラタケの重量だったように思う。
ただ、うれしかったのはこのヒラタケではない。もちろん今回も大きいものだけうれしく、ありがたく頂戴したが、それより何より今年も「次なるヒラタケ」がやや大量に発生していることがうれしかった。この画像である。コレ系の画像がニガテな人もいるかもしれないが・・・
↑ヒラタケ幼菌。毎年この木で1sくらい収穫できる。うまい具合に木の裏側に出てくれるので、目につきづらく、けっこう大きくなるまで収穫を待つことができる。
↓幼菌にも満たない「胎児」という感じ。リアルでみると、大量の正露丸が木に埋まっている感じに見える。悪性腫瘍のような青黒い痣っぽい部分。例年ここで5kgくらい収穫できる。
実は、これは前回のヒラタケ画像と同じ木である。今日収穫したヒラタケは、台風で折れてしまったほうの木に例年以上に密集して発生したもの。そして正露丸的悪性腫瘍的胎児ヒラタケは、まさに先日掲載したヒラタケと同じ、「折れ残った木」に発生しつつあるヒラタケである。
あれ?同じ木に何度も、しかもこんなに短期間に第2弾が発生することがあるの?と思うかもしれない。はじめは私もそう思った。一発目はおいしかったが2発目は毒だった・・・なんてことねぇだろうなと懸念したりもした。しかしよーく考えてみると、これは別に不思議なことではない。
きのこって、結局は「菌の有無」によって発生するか否かが決定するわけですよね?菌さえちゃんと着床していれば、2度も3度も発生するのだ。時期がずれるのは、その菌の着床度、成長度によるのかな、と推測する。あるいは「木(きのこにとっては「家」)の保護」という理由もあるのかもしれない。
私は専用ナイフで慎重に切り取っているが、それでも菌床ごとバリバリっとはがれてしまうことがある。つまり、きのこが発生することで、木はそれなりのダメージを負っているのだ。そのダメージを最小限にとどめるために、多少でも時期をずらして発生しているのではないか・・・という気もする。
そして4本中、唯一折れたかどうか不明だったヒラタケのホダは、今日久々に確認しに行ってみたら折られずに生き残っていてくれた。これがまたうれしいんだなぁ。例年どおりであれば、今月末か来月頭くらいに、一度は死んだはずの木に「白い花」が満開となるはず・・・ひたすら楽しみである!
先日、台風の影響で(最短ルートでは)山に入れなくなったという話をしたが、おそらく林業者が林道(というか実質「廃道」)の倒木を撤去してくれたおかげで、けっこう奥まで行けるようになった。
その入り口でいつものように軽くキクラゲを収穫し、そのあと、今年はこっちの山にも発生してくれたヌメリスギタケを収穫した。画像は収穫しなかった小さいほうのヌメリスギタケ(古いキクラゲに囲まれた不思議な発生)だが、この木の裏に10本くらいの比較的大きな株が発生していたので、ありがたく頂戴した。
なぜ小さいほうの画像なのかというと、ここも谷になっているため、木の裏を撮影するには危険を伴うからである。収穫するのもけっこう慎重を要するくらいの急斜面なので、大きい株の画像はご容赦いただきたい。
↑ヌメリスギタケ幼菌’ もうちょい大きくなると食べごろ
ヌメリスギタケは、言ってみれば「ナメコ」にそっくりなきのこである。見た目は毒々しいが、ナメコに似ているということは、極めて美味なきのこである。私は大好きなきのこ。例年別の場所で少量収穫するが、こっちの山に発生してくれるようなら、今年はかなり期待できるかもしれない。
ちなみにこいつらは確か「スギタケ」の一族だったと思う。スギタケといっても、別に杉の木に出るわけではない。杉の実に似たフォルムからそういう名前がついたという説が有力。
スギタケの一族で有名なのが、
- スギタケ(毒)・・・ぬめりがない
- スギタケモドキ(毒)・・・ぬめりがなく傘にささくれがある
- ヌメリスギタケ(可食)・・・画像のきのこ。ぬめりが極めて強く、ナメコのよう
- ヌメリスギタケモドキ(可食)・・・ヌメリスギタケの傘にささくれがあって柄がそれほどぬめらない
という、文字に起こしてみるとけっこうややこしいファミリーである。しかし見た目、触った感じで見分けは簡単につく。逆のパターンはあるが、ことばの説明から判断が難しそうな割に見た目の判断が簡単なきのこはこのファミリー特有という気がする。
まあ何にしても、スギタケとスギタケモドキは毒きのこに分類されるので要注意。確かスギタケモドキは十分加熱すれば大丈夫だったかな。食う気がないのでよく覚えていない。実はもう一種類「ツチスギタケ」というのがあるのだが、こちらも食う気がない毒きのこ(加熱で可食?)だ。
ちなみにこの木は例年いろいろな種類のきのこを発生させる、非常に優れた木である。なんの木だかわからんけど、腐りかかった広葉樹である。12月になればたぶんエノキタケが発生すると思うので、これも楽しみ。
さて、ここからが今回のお題。さっそくご覧いただこう。今回は簡単ですね。
いやぁ、もう最高の気分である。思わずライデンリーダー(競馬ファンの方はご存知ですね?)の4歳牝特を思い出す、あの「きたきたきたきた・・・」感だ。当時実況で「おーっと外からきたきたききた!ライデンリーダーがきたぞきたぞきたぞぉ〜」の「杉本節」も炸裂し、あのときと同じくらいの「うれしい鳥肌」が立ったのも事実である。予想!
◎ ヒラタケ
○ ブナシメジ
▲ ホンシメジ
△ ウスヒラタケ
△ スギヒラタケ
✕ ツキヨタケ
今夜はちょっと飲みすぎちゃいましたよ・・・今コレを書きながらも少々気持ち悪く、テンションもやたら高い。もしかしたらヒラタケにそっくりなベニテングタケでも食ったんじゃないかといぶかるくらいである(いや、うそ)。
いやぁー採りたてのヒラタケはおいしい!網焼き。そして豚肉とネギと豆腐で甘辛く似た「ヒラタケ肉豆腐ネギ煮」、あとはキクラゲと一緒に細く切った佃煮。最高です・・・もっと大量に採れれば虫出しして保存するのだが、天日干しにするとヒラタケの香りが強烈すぎるので、個人的には採りたての「やさしい香りのヒラタケ」のほうが好きだなぁ。
ヒラタケを天日で干すと、なんというか、マツタケとシイタケと何かを足してフーリエ展開したみたいな不思議な香りが漂うのだ。はじめは「ちょーいい香り!」と思ったが、マツタケほどではないものの、いつまでも鼻についてしまうくらい香りは強烈である。これはたぶん天然ヒラタケだけだと思う。だから今年は干さないうちにヒラタケご飯やヒラタケの味噌汁やヒラタケのなんちゃらかんちゃらをできるだけ食べておきたいと思う。
今日の段階では、正直そこまでの収穫量ではなかった。1sに満たないくらい。先日のヒラタケのときみたいに大雨の翌日ではないので、そこまで水分も含んでおらず、通常のヒラタケの重量だったように思う。
ただ、うれしかったのはこのヒラタケではない。もちろん今回も大きいものだけうれしく、ありがたく頂戴したが、それより何より今年も「次なるヒラタケ」がやや大量に発生していることがうれしかった。この画像である。コレ系の画像がニガテな人もいるかもしれないが・・・
↑ヒラタケ幼菌。毎年この木で1sくらい収穫できる。うまい具合に木の裏側に出てくれるので、目につきづらく、けっこう大きくなるまで収穫を待つことができる。
↓幼菌にも満たない「胎児」という感じ。リアルでみると、大量の正露丸が木に埋まっている感じに見える。悪性腫瘍のような青黒い痣っぽい部分。例年ここで5kgくらい収穫できる。
実は、これは前回のヒラタケ画像と同じ木である。今日収穫したヒラタケは、台風で折れてしまったほうの木に例年以上に密集して発生したもの。そして正露丸的悪性腫瘍的胎児ヒラタケは、まさに先日掲載したヒラタケと同じ、「折れ残った木」に発生しつつあるヒラタケである。
あれ?同じ木に何度も、しかもこんなに短期間に第2弾が発生することがあるの?と思うかもしれない。はじめは私もそう思った。一発目はおいしかったが2発目は毒だった・・・なんてことねぇだろうなと懸念したりもした。しかしよーく考えてみると、これは別に不思議なことではない。
きのこって、結局は「菌の有無」によって発生するか否かが決定するわけですよね?菌さえちゃんと着床していれば、2度も3度も発生するのだ。時期がずれるのは、その菌の着床度、成長度によるのかな、と推測する。あるいは「木(きのこにとっては「家」)の保護」という理由もあるのかもしれない。
私は専用ナイフで慎重に切り取っているが、それでも菌床ごとバリバリっとはがれてしまうことがある。つまり、きのこが発生することで、木はそれなりのダメージを負っているのだ。そのダメージを最小限にとどめるために、多少でも時期をずらして発生しているのではないか・・・という気もする。
そして4本中、唯一折れたかどうか不明だったヒラタケのホダは、今日久々に確認しに行ってみたら折られずに生き残っていてくれた。これがまたうれしいんだなぁ。例年どおりであれば、今月末か来月頭くらいに、一度は死んだはずの木に「白い花」が満開となるはず・・・ひたすら楽しみである!
2018年10月15日
第7R〜ついに”あの”きのこが発生!?それとも・・・
必ずお読みください!
こんばんは。
前回ハタケシメジと思われるきのこをおいしくいただいた話をした。その後激しい下痢に見舞われでもすればだいぶ楽しい内容なのだが、そういうことは起こらなかった。後日ハタケシメジがぽこぽこ発生しているだろうと思って同じ場所に行ってみたが、ハタケシメジはぽつんと1本だけ出ていた。
それから3日置いて行ってみたのだが・・・まずは画像をご覧いただこう。それぞれ同じ個体の表裏の画像である。
本来であれば生えた状態のまま写真に収めたかったのだが、何せくさむらで被写体が隠れてしまっており、また見つけたうれしさからついつい引っこ抜いてしまったという事情も半分くらいはあって、こういう画像になってしまった。なんとも中途半端である。
で、半径20mくらいのエリアで10本ほどのハタケシメジと思しききのこを採取したのだが、前回悩んだハタケシメジ以上に悩ましい発生の仕方であった。というのも、10本中2本×2組が「2本の株」の形であり、残りの6本は「イッポンシメジ」の体で発生していたからである。
見た目にもますますクサウラベニタケに似てきており、けっこうドキドキである・・・実はコイツら、まだ食べていないのだ。食べてみたらやっぱりハタケシメジでした、となる確率が極めて高いと思いつつも、食後もだえ苦しむ可能性もまだ残っているので、なんとなく生きた心地がしない。
まあクサウラベニタケなら死ぬことはないと思うが、先日こんなきのこが大発生しており、これもまたドキドキしながら近づいてみた。というのも、このあたりにもついに「あのきのこ」が大発生したかと思ったからだ・・・これが今日のテーマ。コイツだ。
ここ、かなりの急斜面であり、その足下は谷になっていてかなりの危険を伴う地点である。したがってあまりのんびり撮影することはできなかった。毒きのこを食って死ぬならまだしも、食わずして転落死だけは避けなければならないと判断し、今回は1枚だけである。まあ無難な判断だったとは思う。
ヒラタケが発生しそうないい塩梅に腐りかかった広葉樹ではあるが、ひと目見てこれはヒラタケではないとわかった。ヒラタケが発生しそうな時期でヒラタケが発生しそうな腐り具合の木でありながら、ヒラタケではない大型のきのこ・・・そんなのもう限られているような気がしませんか?みなさんはこのきのこ、何だと思いますか?
ちなみに根本付近に大量発生しているのはナラタケモドキというきのこ。食べられるといえば食べられるがそこまでおいしくないきのこ。しかしダシ用きのことしては非常に優れている。ナラタケモドキのダシはかなり優秀で、個人的にはタマゴタケ、ヒラタケと並んで大好きなダシである。
では私の予想。
◎ ナラタケモドキ
○ オニナラタケモドキ
▲ ナラタケ
△ オニナラタケ
✕ ツキヨタケ
いやー正直これ、一瞬だけ「ツキヨタケか!?」と思いましたよ。ツキヨタケは死者が出るほどの強毒きのこなのだが、個人的には非常に好きなきのこである。もちろん食いはしない。食わないけれど、なんというか、とても風格のあるきのこで、見た目のフォルムがなんとも言えず味わい深いきのこなのだ。
以前山梨の山中で一度見たことがあるが、このあたりでは見たことはない。いくらタマゴタケやヒラタケがたくさんとれるとはいっても、やっぱりツキヨタケが発生すればそれだけ山にハクがつく・・・そんなふうに思わせてくれるのがツキヨタケなのだ。
まあそれはさておき、予想の根拠。急斜面だから木のそばでの撮影は控えたが、木のそばまでは行っている。だから下のつぶつぶがナラタケモドキであることに気づいたのだ。そして「これなんだぁ?ツキヨか?」と思いながら大きい傘のきのこを1本もぎとって、急いで安全な場所までよじ登り、そこでしっかりと観察してみると・・・
なんのことはない、柄の加減からデカいナラタケモドキであると容易に判断できた。大きなナラタケといえば、「オニナラタケ」が有名だが、ここに発生していたのはナラタケモドキの仲間である。ナラタケは明確なツバがあるが、ナラタケモドキにはツバがない。これが決め手になってすぐに判別はつく。
オニナラタケなら知っていたが、オニナラタケモドキなんていう大型のナラタケモドキがあるとは正直このときには思ってもみなかった。ところが「念のため」ということで家に帰ってから調べたら、オニナラタケモドキというきのこは実在したのだ。だから、画像のきのこは、可能性があるとするならナラタケモドキかオニナラタケモドキのどちらかである。
ではどうして「オニ」ではなく「ノーマル」であると判断したかというと、このちょっと奥の木にもナラタケモドキが大量発生していたから。とはいえこちらも通常のナラタケモドキよりも多少大ぶりだったので、依然オニナラタケモドキの可能性も捨てきれないでいる。
それより何より、なぜこんなバカでかいオニナラタケモドキ級のきのこをノーマルナラタケモドキと判断したのか・・・ここがポイント。そのヒントは、前回の「パドック0」の回ですでにお話している。今年の秋はとにかく降水量が多い。その雨の影響ではないか・・・これが判断の決め手である。
吸水体質のきのこは、大量の水分を吸水してときに信じられないくらいの相似拡大を見せることがある、という話を前回はした。前々回だったかもしれないが、いずれにしても「パドック0」のとこで考察したとおりだ。
これが画像のナラタケモドキにも起こっていたのではないか・・・という読みである。ちなみにちょっと奥のナラタケモドキのほうは、画像の木よりもうっそうと茂った場所にあり、雨が当たりにくいポイントにひっそりと発生していた。その関係も予想の考慮に入れている。
オニナラタケモドキは実物を目にしたことがないので、一度目にしてみたいものだが、残念ながら今回はナラタケモドキだと思う。ちなみにこいつらはほぼ腐っていたので、今回収穫は見送った。まあすでに今秋はナラタケモドキをたくさん収穫しているので、収穫できなかったことについてはそこまで残念ではない。
こんばんは。
前回ハタケシメジと思われるきのこをおいしくいただいた話をした。その後激しい下痢に見舞われでもすればだいぶ楽しい内容なのだが、そういうことは起こらなかった。後日ハタケシメジがぽこぽこ発生しているだろうと思って同じ場所に行ってみたが、ハタケシメジはぽつんと1本だけ出ていた。
それから3日置いて行ってみたのだが・・・まずは画像をご覧いただこう。それぞれ同じ個体の表裏の画像である。
本来であれば生えた状態のまま写真に収めたかったのだが、何せくさむらで被写体が隠れてしまっており、また見つけたうれしさからついつい引っこ抜いてしまったという事情も半分くらいはあって、こういう画像になってしまった。なんとも中途半端である。
で、半径20mくらいのエリアで10本ほどのハタケシメジと思しききのこを採取したのだが、前回悩んだハタケシメジ以上に悩ましい発生の仕方であった。というのも、10本中2本×2組が「2本の株」の形であり、残りの6本は「イッポンシメジ」の体で発生していたからである。
見た目にもますますクサウラベニタケに似てきており、けっこうドキドキである・・・実はコイツら、まだ食べていないのだ。食べてみたらやっぱりハタケシメジでした、となる確率が極めて高いと思いつつも、食後もだえ苦しむ可能性もまだ残っているので、なんとなく生きた心地がしない。
まあクサウラベニタケなら死ぬことはないと思うが、先日こんなきのこが大発生しており、これもまたドキドキしながら近づいてみた。というのも、このあたりにもついに「あのきのこ」が大発生したかと思ったからだ・・・これが今日のテーマ。コイツだ。
ここ、かなりの急斜面であり、その足下は谷になっていてかなりの危険を伴う地点である。したがってあまりのんびり撮影することはできなかった。毒きのこを食って死ぬならまだしも、食わずして転落死だけは避けなければならないと判断し、今回は1枚だけである。まあ無難な判断だったとは思う。
ヒラタケが発生しそうないい塩梅に腐りかかった広葉樹ではあるが、ひと目見てこれはヒラタケではないとわかった。ヒラタケが発生しそうな時期でヒラタケが発生しそうな腐り具合の木でありながら、ヒラタケではない大型のきのこ・・・そんなのもう限られているような気がしませんか?みなさんはこのきのこ、何だと思いますか?
ちなみに根本付近に大量発生しているのはナラタケモドキというきのこ。食べられるといえば食べられるがそこまでおいしくないきのこ。しかしダシ用きのことしては非常に優れている。ナラタケモドキのダシはかなり優秀で、個人的にはタマゴタケ、ヒラタケと並んで大好きなダシである。
では私の予想。
◎ ナラタケモドキ
○ オニナラタケモドキ
▲ ナラタケ
△ オニナラタケ
✕ ツキヨタケ
いやー正直これ、一瞬だけ「ツキヨタケか!?」と思いましたよ。ツキヨタケは死者が出るほどの強毒きのこなのだが、個人的には非常に好きなきのこである。もちろん食いはしない。食わないけれど、なんというか、とても風格のあるきのこで、見た目のフォルムがなんとも言えず味わい深いきのこなのだ。
以前山梨の山中で一度見たことがあるが、このあたりでは見たことはない。いくらタマゴタケやヒラタケがたくさんとれるとはいっても、やっぱりツキヨタケが発生すればそれだけ山にハクがつく・・・そんなふうに思わせてくれるのがツキヨタケなのだ。
まあそれはさておき、予想の根拠。急斜面だから木のそばでの撮影は控えたが、木のそばまでは行っている。だから下のつぶつぶがナラタケモドキであることに気づいたのだ。そして「これなんだぁ?ツキヨか?」と思いながら大きい傘のきのこを1本もぎとって、急いで安全な場所までよじ登り、そこでしっかりと観察してみると・・・
なんのことはない、柄の加減からデカいナラタケモドキであると容易に判断できた。大きなナラタケといえば、「オニナラタケ」が有名だが、ここに発生していたのはナラタケモドキの仲間である。ナラタケは明確なツバがあるが、ナラタケモドキにはツバがない。これが決め手になってすぐに判別はつく。
オニナラタケなら知っていたが、オニナラタケモドキなんていう大型のナラタケモドキがあるとは正直このときには思ってもみなかった。ところが「念のため」ということで家に帰ってから調べたら、オニナラタケモドキというきのこは実在したのだ。だから、画像のきのこは、可能性があるとするならナラタケモドキかオニナラタケモドキのどちらかである。
ではどうして「オニ」ではなく「ノーマル」であると判断したかというと、このちょっと奥の木にもナラタケモドキが大量発生していたから。とはいえこちらも通常のナラタケモドキよりも多少大ぶりだったので、依然オニナラタケモドキの可能性も捨てきれないでいる。
それより何より、なぜこんなバカでかいオニナラタケモドキ級のきのこをノーマルナラタケモドキと判断したのか・・・ここがポイント。そのヒントは、前回の「パドック0」の回ですでにお話している。今年の秋はとにかく降水量が多い。その雨の影響ではないか・・・これが判断の決め手である。
吸水体質のきのこは、大量の水分を吸水してときに信じられないくらいの相似拡大を見せることがある、という話を前回はした。前々回だったかもしれないが、いずれにしても「パドック0」のとこで考察したとおりだ。
これが画像のナラタケモドキにも起こっていたのではないか・・・という読みである。ちなみにちょっと奥のナラタケモドキのほうは、画像の木よりもうっそうと茂った場所にあり、雨が当たりにくいポイントにひっそりと発生していた。その関係も予想の考慮に入れている。
オニナラタケモドキは実物を目にしたことがないので、一度目にしてみたいものだが、残念ながら今回はナラタケモドキだと思う。ちなみにこいつらはほぼ腐っていたので、今回収穫は見送った。まあすでに今秋はナラタケモドキをたくさん収穫しているので、収穫できなかったことについてはそこまで残念ではない。
2018年10月10日
第6R〜あーうまかったー!最も事故が起こりやすい毒きのこ!?
必ずお読みください!
お久しぶりです。しばらく書いていなかったので、コイツついに誤食で死にやがったな?と思った方もいるだろうが、残念でした。
久しぶりって、さっきブログをアップしたばかりじゃねえか、と思った方もいるだろう。しかしあれはもうとっくの昔にほとんど書き上げていたにもかかわらず、あとちょっとが残っていたものをほっぽりっぱなしにしておいたものを仕上げて投稿した記事である。
まあそんなことはどうでもよいのだが、台風すごかったですねぇ・・・(←すごい今更感)1発目の台風でもヒラタケのホダ木などはけっこうなダメージを食らったのだが、2発目は強烈だった。山全体に深刻なダメージを与え、今秋のきのこはどうやら厳しい状況に陥った感がある。
何しろ山に入っていくことができないのだ。山に至るまでの道という道が片っ端から通行止めを食らっており、目的地のはるか手前で足止め→振り出しに戻るという感じの、恐ろしくヘタクソなすごろくをやっている気分になる。
昨日ようやく唯一生きている道(といっても目的地までは遠く、普段は山目的で使うことはない道)から山に入っていったのだが、惨憺たる状況であった。1発目の台風でかろうじて生き残っていた一番奥のヒラタケのホダ木のところまではとてもではないけれど入ることができない状況である。手前3本はどうせ1発目でぶち折られてしまったから、2発目の影響はさして大きくなかった。
ただ、ぼちぼち色づきはじめ、ひそかに狙っていた山ぶどうは、木ごと根こそぎ跡形もなく消え失せていた。ぜってえ折れねえだろうこれ、と思われた杉の大木も無残に折られており、なんだかなぁ・・・という感じである。ここまでたくさんの杉の木が折れている姿を私ははじめて目にした。きのことは無関係の杉ではあるけれど、さすがにちょっと悲しかった。
サルナシの木は大丈夫だったが、サルナシの実がすべてぶち落ちて腐っており、甘い香りが不規則な風に乗って去来していた。そのせいか、普段見たことがないオオスズメバチの羽音が不吉に耳を衝いた。あーやだなーもう・・・
毎年ちょっとしたシアワセを与えてくれる山ぶどうのかわりに、なんだかワケのわからん気持ち悪い赤い実が大量に路上を覆っていた。これである。なんだろうこいつは・・・木の実に詳しい方は教えてください。
まあこれも自然現象なので仕方ないと割り切って、入っていけない山へと無理に入り込むよりは、入れる森に入って様子を見てこようということで採取してきたのが、今回のお題となるきのこである。こいつだ。
これは非常にうまそうなきのこだなぁ・・・おそらくみなさんもそのように感じられたことだろう。シメジ系のきのこかな?とも思っただろう。そしてだいたいこの系統のきのこは、油断すると痛い目を見ることになるのだ・・・
なーんてエラそうなことを言いながら、臆病者の私はシメジ系の同定(きのこの見極め)だけは慎重に慎重を重ねているので、幸か不幸か今のところ「ヒット」の憂き目に遭ったことはない。死なないこと、後遺障害が残らないことを前提に、一度くらいこっぴどい目に遭ったほうがいいのかな、なんてのんきなことを考えたりもするのだが、今のところセーフである。
ということで、このきのこもセーフであった。臆病者ながらも食い意地が張っている私はこのきのこをおいしくいただいた。それならばある程度正解の確率が高い予想をお届けすることができると思う。しかし食う前はマジでドキドキでしたよ・・・とりあえず、予想はこんな感じである。
◎ ハタケシメジ
〇 クサウラベニタケ
▲ シモフリシメジ
△ ホンシメジ
△ ウラベニホテイシメジ
△ ネズミシメジ
✕ シャカシメジ
実はこの近辺では毎年かなりの量のハタケシメジが採れる。これが根拠。ではなぜ食う前にドキドキしたのかというと、例年よりも時期が早いこと、そして例年のハタケシメジとはいろいろ異なる部分が多いことが挙げられる。
例年のハタケシメジはもっと群生しており、柄はもうちょいきったねぇ感じのまだら模様になることが多い。しかしご覧のとおり、このシメジは柄が真っ白に近く、しかも中空(空洞がある)気味の柄である。シメジは基本的に中実の柄を持つ・・・ここが最大のネックだった。なにしろ、強毒のクサウラベニタケが中空の柄を持つコレ系きのこの代表なのだから。
クサウラベニタケ、めちゃめちゃたくさん出てるんですよねぇこの近辺に。でもね、それは見るからに「典型的なクサウラベニタケ」なので、ハタケシメジとは明らかに違っている。しかしクサウラベニタケというのは非常にやっかいな毒きのこで、おそらくヤマドリタケモドキと並んで「いろんな見た目」へと変化’(へんげ)するきのこなのだ。
実際、ハタケシメジやウラベニホテイシメジ、そしてホンシメジとの誤食が起こりやすいらしい。だからこそ「最も誤食事故が多い毒きのこ」の異名をクサウラベニタケは持つのだろう。プロでさえ悩むのだから、ど素人の私が悩むのもおわかりいただけるかと思う。ちなみにこのきのこの特徴を列挙して、ハタケシメジとクサウラベニタケの特徴と比較してみると、こうなる。
@傘色・・・黒に近い灰色わずかに茶混じりカスリ紋様あり(ハタケシメジの特徴、クサウラベニタケは光沢がある)
A傘の質感・・・けっこう丈夫(ハタケに合致、クサウラはもろいことが多い)
Bヒダ色・・・白(ハタケに合致、クサウラはよーく見るとわずかにピンク)
C柄・・・中空気味(クサウラに合致、ハタケは中実)
D発生状況・・・2本(ハタケシメジは2本以上の株、クサウラはイッポンシメジの仲間だが2本くらいくっついていることもある)
悩んだのはC、Dである。まあDについてはクサウラよりもハタケが優勢かな、とは思ったが、Cは完全にクサウラベニタケの特徴だったから、これは本当に迷った。ただ、例年の10本くらいの株の中には、けっこう中空気味のハタケシメジも混じっている(中空、中空気味、中実の区別は微妙でどうもニガテです・・・)ので、これもハタケなんじゃないかな?と判断したのだ。はっきりいって我ながら非常にリスキーな判断だったと思う。
まあクサウラベニタケはよほどのことがなければ死ぬような毒きのこではないし、小ぶりなきのこ2本ならヒットしてもそれほどひどい目には合わないだろうという楽観的な解釈も手伝ったのだ。
ということで、食った感じは非常に美味であり、例年のハタケシメジに酷似していた。クサウラを食ったらたぶんこんなにうまくはないと思う。食感はもうショリッショリ、歯切れと独特の風味をわずか2本でも楽しむことができた。これならクサウラでもいいや、なんて思うくらいうまかったなぁ。
おそらくそろそろハタケシメジの群も発生していると思うので、明日あたり見てこようと思う。
お久しぶりです。しばらく書いていなかったので、コイツついに誤食で死にやがったな?と思った方もいるだろうが、残念でした。
久しぶりって、さっきブログをアップしたばかりじゃねえか、と思った方もいるだろう。しかしあれはもうとっくの昔にほとんど書き上げていたにもかかわらず、あとちょっとが残っていたものをほっぽりっぱなしにしておいたものを仕上げて投稿した記事である。
まあそんなことはどうでもよいのだが、台風すごかったですねぇ・・・(←すごい今更感)1発目の台風でもヒラタケのホダ木などはけっこうなダメージを食らったのだが、2発目は強烈だった。山全体に深刻なダメージを与え、今秋のきのこはどうやら厳しい状況に陥った感がある。
何しろ山に入っていくことができないのだ。山に至るまでの道という道が片っ端から通行止めを食らっており、目的地のはるか手前で足止め→振り出しに戻るという感じの、恐ろしくヘタクソなすごろくをやっている気分になる。
昨日ようやく唯一生きている道(といっても目的地までは遠く、普段は山目的で使うことはない道)から山に入っていったのだが、惨憺たる状況であった。1発目の台風でかろうじて生き残っていた一番奥のヒラタケのホダ木のところまではとてもではないけれど入ることができない状況である。手前3本はどうせ1発目でぶち折られてしまったから、2発目の影響はさして大きくなかった。
ただ、ぼちぼち色づきはじめ、ひそかに狙っていた山ぶどうは、木ごと根こそぎ跡形もなく消え失せていた。ぜってえ折れねえだろうこれ、と思われた杉の大木も無残に折られており、なんだかなぁ・・・という感じである。ここまでたくさんの杉の木が折れている姿を私ははじめて目にした。きのことは無関係の杉ではあるけれど、さすがにちょっと悲しかった。
サルナシの木は大丈夫だったが、サルナシの実がすべてぶち落ちて腐っており、甘い香りが不規則な風に乗って去来していた。そのせいか、普段見たことがないオオスズメバチの羽音が不吉に耳を衝いた。あーやだなーもう・・・
毎年ちょっとしたシアワセを与えてくれる山ぶどうのかわりに、なんだかワケのわからん気持ち悪い赤い実が大量に路上を覆っていた。これである。なんだろうこいつは・・・木の実に詳しい方は教えてください。
まあこれも自然現象なので仕方ないと割り切って、入っていけない山へと無理に入り込むよりは、入れる森に入って様子を見てこようということで採取してきたのが、今回のお題となるきのこである。こいつだ。
これは非常にうまそうなきのこだなぁ・・・おそらくみなさんもそのように感じられたことだろう。シメジ系のきのこかな?とも思っただろう。そしてだいたいこの系統のきのこは、油断すると痛い目を見ることになるのだ・・・
なーんてエラそうなことを言いながら、臆病者の私はシメジ系の同定(きのこの見極め)だけは慎重に慎重を重ねているので、幸か不幸か今のところ「ヒット」の憂き目に遭ったことはない。死なないこと、後遺障害が残らないことを前提に、一度くらいこっぴどい目に遭ったほうがいいのかな、なんてのんきなことを考えたりもするのだが、今のところセーフである。
ということで、このきのこもセーフであった。臆病者ながらも食い意地が張っている私はこのきのこをおいしくいただいた。それならばある程度正解の確率が高い予想をお届けすることができると思う。しかし食う前はマジでドキドキでしたよ・・・とりあえず、予想はこんな感じである。
◎ ハタケシメジ
〇 クサウラベニタケ
▲ シモフリシメジ
△ ホンシメジ
△ ウラベニホテイシメジ
△ ネズミシメジ
✕ シャカシメジ
実はこの近辺では毎年かなりの量のハタケシメジが採れる。これが根拠。ではなぜ食う前にドキドキしたのかというと、例年よりも時期が早いこと、そして例年のハタケシメジとはいろいろ異なる部分が多いことが挙げられる。
例年のハタケシメジはもっと群生しており、柄はもうちょいきったねぇ感じのまだら模様になることが多い。しかしご覧のとおり、このシメジは柄が真っ白に近く、しかも中空(空洞がある)気味の柄である。シメジは基本的に中実の柄を持つ・・・ここが最大のネックだった。なにしろ、強毒のクサウラベニタケが中空の柄を持つコレ系きのこの代表なのだから。
クサウラベニタケ、めちゃめちゃたくさん出てるんですよねぇこの近辺に。でもね、それは見るからに「典型的なクサウラベニタケ」なので、ハタケシメジとは明らかに違っている。しかしクサウラベニタケというのは非常にやっかいな毒きのこで、おそらくヤマドリタケモドキと並んで「いろんな見た目」へと変化’(へんげ)するきのこなのだ。
実際、ハタケシメジやウラベニホテイシメジ、そしてホンシメジとの誤食が起こりやすいらしい。だからこそ「最も誤食事故が多い毒きのこ」の異名をクサウラベニタケは持つのだろう。プロでさえ悩むのだから、ど素人の私が悩むのもおわかりいただけるかと思う。ちなみにこのきのこの特徴を列挙して、ハタケシメジとクサウラベニタケの特徴と比較してみると、こうなる。
@傘色・・・黒に近い灰色わずかに茶混じりカスリ紋様あり(ハタケシメジの特徴、クサウラベニタケは光沢がある)
A傘の質感・・・けっこう丈夫(ハタケに合致、クサウラはもろいことが多い)
Bヒダ色・・・白(ハタケに合致、クサウラはよーく見るとわずかにピンク)
C柄・・・中空気味(クサウラに合致、ハタケは中実)
D発生状況・・・2本(ハタケシメジは2本以上の株、クサウラはイッポンシメジの仲間だが2本くらいくっついていることもある)
悩んだのはC、Dである。まあDについてはクサウラよりもハタケが優勢かな、とは思ったが、Cは完全にクサウラベニタケの特徴だったから、これは本当に迷った。ただ、例年の10本くらいの株の中には、けっこう中空気味のハタケシメジも混じっている(中空、中空気味、中実の区別は微妙でどうもニガテです・・・)ので、これもハタケなんじゃないかな?と判断したのだ。はっきりいって我ながら非常にリスキーな判断だったと思う。
まあクサウラベニタケはよほどのことがなければ死ぬような毒きのこではないし、小ぶりなきのこ2本ならヒットしてもそれほどひどい目には合わないだろうという楽観的な解釈も手伝ったのだ。
ということで、食った感じは非常に美味であり、例年のハタケシメジに酷似していた。クサウラを食ったらたぶんこんなにうまくはないと思う。食感はもうショリッショリ、歯切れと独特の風味をわずか2本でも楽しむことができた。これならクサウラでもいいや、なんて思うくらいうまかったなぁ。
おそらくそろそろハタケシメジの群も発生していると思うので、明日あたり見てこようと思う。
2018年09月26日
第5R〜毒!どく!ドク〜ッ!
必ずお読みください!
今年もこのシーズンがやってきた。ヒラタケである。ヒラタケは毎年かなりの量をいただいている。ヒラタケのシーズンは約2カ月続くことになるわけだが、この時期ほど自然の恵みに感謝することはない。ほんとはそれじゃあダメなんだろうけど、感謝などまったくしなかった私にしては上出来である。というか、そういうふうに私を成長させてくれているのもまた自然なのだ。
で、まずは「初モノ」となったヒラタケの画像をご覧いただこう。
雨あがりだったこともあって見た目以上に重量があった。持った感じだとトータルでだいたい3kgくらいか。何度経験してもこの瞬間はとてもうれしい。しかし残念なことに、この木、写真のとおりボッキリ折れてしまったのだ。今年何度か来た台風にやられてしまった・・・
この奥にもヒラタケが大量に発生する木が3本あるのだが、全4本中3本が折れてしまった。残念でもあるが、これが自然のなせる業なのだから仕方がない。それに、生き残った木の根に近いほうにたくさんのヒラタケが今年も発生してくれている。さらに、大量ではなくてもちょこちょこ楽しみを提供してくれる朽ちた木を毎年見つけるので、今年も期待している。
野生のヒラタケを知る人ならだれでも知っていると思うが、環境によっては強い毒を持つ「ツキヨタケ」に酷似する株や個体がある。幸い私が入る山のヒラタケは、写真のとおり似ても似つかないから比較的安心である。ツキヨタケは柄の部分を割いてみると黒いシミがある、などといわれるが、ない個体もけっこう多いから、黒いシミだけを判断材料にするのは危険。
より確実なためにもぜひ「ツバ」の有無に注意していただきたい。非常に小さいが、特にムキタケとの区別がややこしいことが多く、そのときにこの小さいツバが役に立つのだ。ツバがあるほうがツキヨ、ないほうがヒラタケ、ムキタケ、シイタケ(ツキヨの誤食3部作)である。ツバあり、シミありの少なくとも一方の条件を満たすか、夜に青白く光るきのこ(これがツキヨタケの由来となった性質)は絶対に採取すべきではない。
さて、ここからが本題。今回は毒々しいきのこがテーマなので、まずは美しくかわいらしいヒラタケをご覧いただいたわけである。しかも今回の毒、ツキヨタケなんて比ではないくらい危険な猛毒きのこの可能性がある。前回は難問の老菌だったが、今回は同じ難問でも「幼菌」のほう。
では画像をご覧いただこう・・・コイツだ。
例によって3連発だが、正体はともかく、あまりにも個性的なこの個体のシルエットはご存知の方も少なくないだろう。ではさっそく予想。
◎ カラカサタケ
○ オオシロカラカサタケ
▲ コカラカサタケ
△ ドクキツネノカラカサ
△ クリイロカラカサ
× ゴルフの打ちっぱなし前
この状況で判断するのは非常に難しいし、口に入れるのであれば容易な判断は危険である。まずは予想の根拠から。根拠となった画像をご覧いただこう。
これ、まず間違いなくカラカサタケである。かなり大柄(傘25pくらい、高さ30pくらい)で、濡れ具合によっては毒きのこのテングタケに似ているし、柄だけ見れば光の加減によってはマツタケを超える高級きのこのコウタケにも見える。全体的にはテングタケに近いか?だから成菌となったこの形↑でも注意は必要。
で、このカラカサタケが今年は爆発的に発生しており、山歩き30分くらいで200本くらい生えてるんじゃねえの?と思われる勢いだった。これが◎推した根拠。カラカサタケは可食。かなりうまいらしい。でも、これにそっくりなオオシロカラカサタケは、食ったら命はない。オオシロカラカサタケのほうが傘は全体的に白っぽいし、生えるのは公園などもっと私たちの生活に身近なところである。
デカさではオオシロカラカサタケに似るが、色や形などのパッと見た目は強毒のコカラカサタケに似ている。コカラカサタケはカラカサタケよりもだいぶ小ぶりだが、カラカサタケにも個体差があるので大きさだけで判断するのは危険。だからこの時点でカラカサタケを食うのは無条件で危険ということになる。まあデカいカラカサタケだけを食えばなんとか大丈夫か。
ドクキツネノカラカサは、色合いは似ていないが、毒性がオオシロカラカサタケに似て、食ったら死ぬリスクが高い。オオシロカラカサタケは何しろデカイから、完食したらまず助からないだろう。コカラカサタケはバクバク食ったら危険だし、カラカサタケよりも小ぶりなドクキツネノカラカサも1本完食したら危ないかもしれない。
クリイロカラカサタケも毒キノコで、たくさん食うと生命は危険にさらされる・・・という具合に、カラカサ一族は非常にリスキーなファミリーなのだ。カラカサタケは正直いって食ってみたいけれど、私にはその勇気はない。写真はまず間違いなくカラカサタケだとわかっていても、どうしても食えない。
ほかにも色の変化やにおい、生える場所の傾向など見分けるポイントは把握しているのだが、それでも勇気はない。かなり美味なタマゴタケと食ったらタダじゃ済まないタマゴタケモドキ、タマゴテングタケの関係に似ているかもしれない。
ただ、タマゴファミリーは、なんというか、「AとB、Cの違い」というはっきりした離散的な違いがあるのに対し、カラカサ一族は「AとA'、A''、A'''の違い」という感じの、イマイチはっきりしない連続的な違いしかない印象がある。これが、タマゴは食うのにカラカサは食えないという差に表れているのかなぁ・・・
みなさんもカラカサを食うときはほんとうに注意してくださいね!
今年もこのシーズンがやってきた。ヒラタケである。ヒラタケは毎年かなりの量をいただいている。ヒラタケのシーズンは約2カ月続くことになるわけだが、この時期ほど自然の恵みに感謝することはない。ほんとはそれじゃあダメなんだろうけど、感謝などまったくしなかった私にしては上出来である。というか、そういうふうに私を成長させてくれているのもまた自然なのだ。
で、まずは「初モノ」となったヒラタケの画像をご覧いただこう。
雨あがりだったこともあって見た目以上に重量があった。持った感じだとトータルでだいたい3kgくらいか。何度経験してもこの瞬間はとてもうれしい。しかし残念なことに、この木、写真のとおりボッキリ折れてしまったのだ。今年何度か来た台風にやられてしまった・・・
この奥にもヒラタケが大量に発生する木が3本あるのだが、全4本中3本が折れてしまった。残念でもあるが、これが自然のなせる業なのだから仕方がない。それに、生き残った木の根に近いほうにたくさんのヒラタケが今年も発生してくれている。さらに、大量ではなくてもちょこちょこ楽しみを提供してくれる朽ちた木を毎年見つけるので、今年も期待している。
野生のヒラタケを知る人ならだれでも知っていると思うが、環境によっては強い毒を持つ「ツキヨタケ」に酷似する株や個体がある。幸い私が入る山のヒラタケは、写真のとおり似ても似つかないから比較的安心である。ツキヨタケは柄の部分を割いてみると黒いシミがある、などといわれるが、ない個体もけっこう多いから、黒いシミだけを判断材料にするのは危険。
より確実なためにもぜひ「ツバ」の有無に注意していただきたい。非常に小さいが、特にムキタケとの区別がややこしいことが多く、そのときにこの小さいツバが役に立つのだ。ツバがあるほうがツキヨ、ないほうがヒラタケ、ムキタケ、シイタケ(ツキヨの誤食3部作)である。ツバあり、シミありの少なくとも一方の条件を満たすか、夜に青白く光るきのこ(これがツキヨタケの由来となった性質)は絶対に採取すべきではない。
さて、ここからが本題。今回は毒々しいきのこがテーマなので、まずは美しくかわいらしいヒラタケをご覧いただいたわけである。しかも今回の毒、ツキヨタケなんて比ではないくらい危険な猛毒きのこの可能性がある。前回は難問の老菌だったが、今回は同じ難問でも「幼菌」のほう。
では画像をご覧いただこう・・・コイツだ。
例によって3連発だが、正体はともかく、あまりにも個性的なこの個体のシルエットはご存知の方も少なくないだろう。ではさっそく予想。
◎ カラカサタケ
○ オオシロカラカサタケ
▲ コカラカサタケ
△ ドクキツネノカラカサ
△ クリイロカラカサ
× ゴルフの打ちっぱなし前
この状況で判断するのは非常に難しいし、口に入れるのであれば容易な判断は危険である。まずは予想の根拠から。根拠となった画像をご覧いただこう。
これ、まず間違いなくカラカサタケである。かなり大柄(傘25pくらい、高さ30pくらい)で、濡れ具合によっては毒きのこのテングタケに似ているし、柄だけ見れば光の加減によってはマツタケを超える高級きのこのコウタケにも見える。全体的にはテングタケに近いか?だから成菌となったこの形↑でも注意は必要。
で、このカラカサタケが今年は爆発的に発生しており、山歩き30分くらいで200本くらい生えてるんじゃねえの?と思われる勢いだった。これが◎推した根拠。カラカサタケは可食。かなりうまいらしい。でも、これにそっくりなオオシロカラカサタケは、食ったら命はない。オオシロカラカサタケのほうが傘は全体的に白っぽいし、生えるのは公園などもっと私たちの生活に身近なところである。
デカさではオオシロカラカサタケに似るが、色や形などのパッと見た目は強毒のコカラカサタケに似ている。コカラカサタケはカラカサタケよりもだいぶ小ぶりだが、カラカサタケにも個体差があるので大きさだけで判断するのは危険。だからこの時点でカラカサタケを食うのは無条件で危険ということになる。まあデカいカラカサタケだけを食えばなんとか大丈夫か。
ドクキツネノカラカサは、色合いは似ていないが、毒性がオオシロカラカサタケに似て、食ったら死ぬリスクが高い。オオシロカラカサタケは何しろデカイから、完食したらまず助からないだろう。コカラカサタケはバクバク食ったら危険だし、カラカサタケよりも小ぶりなドクキツネノカラカサも1本完食したら危ないかもしれない。
クリイロカラカサタケも毒キノコで、たくさん食うと生命は危険にさらされる・・・という具合に、カラカサ一族は非常にリスキーなファミリーなのだ。カラカサタケは正直いって食ってみたいけれど、私にはその勇気はない。写真はまず間違いなくカラカサタケだとわかっていても、どうしても食えない。
ほかにも色の変化やにおい、生える場所の傾向など見分けるポイントは把握しているのだが、それでも勇気はない。かなり美味なタマゴタケと食ったらタダじゃ済まないタマゴタケモドキ、タマゴテングタケの関係に似ているかもしれない。
ただ、タマゴファミリーは、なんというか、「AとB、Cの違い」というはっきりした離散的な違いがあるのに対し、カラカサ一族は「AとA'、A''、A'''の違い」という感じの、イマイチはっきりしない連続的な違いしかない印象がある。これが、タマゴは食うのにカラカサは食えないという差に表れているのかなぁ・・・
みなさんもカラカサを食うときはほんとうに注意してくださいね!
2018年09月25日
第4R〜タマゴタケタマゴタケモドキタマゴテングタケクイズ!
必ずお読みください!
ほんとうはこの日のブログも書きたかったのだが、書く時間がなかった。でもせっかく採れたし撮れたので、でっかいけどかわいらしいきのこを予想の前にまずは掲載しておく。
↑アカヤマドリ。カワイイでしょ!でもさすがにちょっとデカくなりすぎたので、柄の部分はほぼ虫にやられており、厚さ1pくらいの輪切り1枚しか食えなかった。傘の部分はすべておいしくいただいた。バターソテー。う〜ん、美味。
↓アカヤマドリ親子。まあ実際の親子関係があるんだかないんだか、きのこについてはよくわからん。とにかくふたつで仲良くくっついて生えてた。親はもうズルズルぐちょぐちょに腐っており万事休す、無念なり・・・
子のほうがちょうど私の手に収まる、非常に持ちやすいサイズだったから、親のバカでかさの想像はつきますよねぇ?アカヤマドリはとても大きくなるイグチなんですよねー。子供の傘だけでもけっこう腹にたまる。
そしてその帰りに見つけたバカでかいタマゴタケ。これはたぶん私が見た中では過去最高のレコードである。背が高くて30pくらいあり、傘は私の手のひらを思い切り広げても全然入りきらないくらいのビッグサイズだ。かなりの老菌だったがまだ十分にみずみずしかったので、こちらも「タマゴタケめし」でおいしくいただいた。
↑見えている柄は短いが、落ち葉が積もっており、ご覧のとおりかなり急勾配の斜面だったので、ツボ(※詳細は後述)はずっと下にある。それに今までこんなにデカいツボは見たことがない。
↓イグチの老菌かよってくらい豪快に反りかえってはいたが、中央の出っ張りがはっきりしており、老菌ながらもまだ若々しさを残している。
では、そろそろ本題に入ろう。今回は予想というか、みなさんにもクイズを出題しようと思う。予想兼クイズである。
だいたいきのこというやつは、幼菌の判断が難しい。たとえば前回だかその前だかに登場した猛毒菌のバライロウラベニイロガワリと美食菌アメリカウラベニイロガワリなんて、ガキのころは双子かっつーくらい似ている(ように私には見える)。
ツボがあるテングタケのファミリーなんてもっと難しい。タマゴタケがなぜ「タマゴ」なのかというと、ガキの時分はこんなだからだ。
まるでゆで卵のように見えるかもしれないが、ユデタマゴタケではない。テングタケの一族はみな、こういう「卵」の形で生まれてくるのである。これを突き破って立派なきのことして成長してゆくのだ。
↑卵の殻を破ったタマゴタケ幼菌。私の手に持った白い部分がツボ(卵の殻)
↓(たぶん)猛毒ドクツルタケ幼菌。上のタマゴタケよりもさらに成長すると、柄が伸び、ツボが柄の最下部に残る。こいつはチビでもデカくても食ったら死ぬ。
という具合に、どうみてもゆで卵の状態の生まれたてテングタケ一族は、難しいどころか、判断は不可能なのである。そして老菌。きのこというやつは、年老いてくると溶け始めるからこちらも難しいのだ。
人間だってそうじゃないですか。赤ん坊なんてどれも同じに見えるし、なんならじーさんばーさんも大差ないように感じられますよね?(あれ、俺だけ?)だから今回の「老菌当てクイズ」も非常に難問なのである。
問題の画像はすべて同個体。ヒントとなるのは根元のほう。「ツボ」を確認していただけただろうか?コイツもおそらくテングタケのファミリーである。ポイントは、うすら黄色い色をどう解釈するか・・・では予想。
◎ タマゴタケ
○ キタマゴタケ
▲ タマゴタケモドキ
△ タマゴテングタケ(大穴)
× きのこじゃない(単勝万馬券)
ここまでタマゴタケの写真を何枚となくご覧いただいているから、「ぜんぜん違うじゃねぇかこのインチキ野郎!」と思うかもしれない。しかしそれは違う。インチキ野郎の部分は正しいが、きのこはそんなに単純ではないのだ。
実はこのタマゴタケというやつは、赤い成分の水溶性が高い。雨が降ると赤が溶け流れてしまうのだ。実際タマゴタケを焼いて食ったりすると、きのこの水分が赤を洗い落としてうすら黄色っぽくなる。赤かったタマゴタケは、食べるころには猛毒タマゴタケモドキみたいな色になってしまうのだ。味は同じでも、これはかなり怖い。
これと同じことが↑の写真にも起こっていると考えられる。キタマゴタケはタマゴタケの兄弟みたいなもので、こちらも食べられる。が、このへんでは見たことがないので、色はキタマゴタケに近くても、確率的にはタマゴタケのほうが高い。
また、食ったらほぼ死ぬタマゴタケモドキ、タマゴテングタケの可能性はほぼない。というのも、本問画像の2番目を拡大してもらうとわかるが、全体的に溶けているものの、手前側の花びらみたいになったところに「条線」が残っていることがわかると思う。
これは、選択肢の中ではタマゴタケやキタマゴタケのみに見られる特徴である。てな具合に「タマゴタケ」を導いたわけだが、いかがだろうか?
ただしイマイチ強気になれないのは、本体のツボのまわりにツボらしき球体が規則的に並んでいる点。以前も書いたように、タマゴタケは確かに群生はする。かなり大規模な菌輪(輪を描くように発生)を形成することもある。ただ、上記のような、1つの個体を取り囲むように群生するタマゴタケは見たことがない。この点は引っ掛かる。
とすると、選択肢にはないテングタケ一族の可能性も十分考えられることになるし、単勝万馬券の「きのこじゃない」なんていう可能性は・・・さすがにこれはキビシイか。
いやー長くなってしまいましたすいませんごめんなさいかんにんしてやー。やっぱ写真ためこむと載せるのが難しいですなぁ・・・
ほんとうはこの日のブログも書きたかったのだが、書く時間がなかった。でもせっかく採れたし撮れたので、でっかいけどかわいらしいきのこを予想の前にまずは掲載しておく。
↑アカヤマドリ。カワイイでしょ!でもさすがにちょっとデカくなりすぎたので、柄の部分はほぼ虫にやられており、厚さ1pくらいの輪切り1枚しか食えなかった。傘の部分はすべておいしくいただいた。バターソテー。う〜ん、美味。
↓アカヤマドリ親子。まあ実際の親子関係があるんだかないんだか、きのこについてはよくわからん。とにかくふたつで仲良くくっついて生えてた。親はもうズルズルぐちょぐちょに腐っており万事休す、無念なり・・・
子のほうがちょうど私の手に収まる、非常に持ちやすいサイズだったから、親のバカでかさの想像はつきますよねぇ?アカヤマドリはとても大きくなるイグチなんですよねー。子供の傘だけでもけっこう腹にたまる。
そしてその帰りに見つけたバカでかいタマゴタケ。これはたぶん私が見た中では過去最高のレコードである。背が高くて30pくらいあり、傘は私の手のひらを思い切り広げても全然入りきらないくらいのビッグサイズだ。かなりの老菌だったがまだ十分にみずみずしかったので、こちらも「タマゴタケめし」でおいしくいただいた。
↑見えている柄は短いが、落ち葉が積もっており、ご覧のとおりかなり急勾配の斜面だったので、ツボ(※詳細は後述)はずっと下にある。それに今までこんなにデカいツボは見たことがない。
↓イグチの老菌かよってくらい豪快に反りかえってはいたが、中央の出っ張りがはっきりしており、老菌ながらもまだ若々しさを残している。
では、そろそろ本題に入ろう。今回は予想というか、みなさんにもクイズを出題しようと思う。予想兼クイズである。
だいたいきのこというやつは、幼菌の判断が難しい。たとえば前回だかその前だかに登場した猛毒菌のバライロウラベニイロガワリと美食菌アメリカウラベニイロガワリなんて、ガキのころは双子かっつーくらい似ている(ように私には見える)。
ツボがあるテングタケのファミリーなんてもっと難しい。タマゴタケがなぜ「タマゴ」なのかというと、ガキの時分はこんなだからだ。
まるでゆで卵のように見えるかもしれないが、ユデタマゴタケではない。テングタケの一族はみな、こういう「卵」の形で生まれてくるのである。これを突き破って立派なきのことして成長してゆくのだ。
↑卵の殻を破ったタマゴタケ幼菌。私の手に持った白い部分がツボ(卵の殻)
↓(たぶん)猛毒ドクツルタケ幼菌。上のタマゴタケよりもさらに成長すると、柄が伸び、ツボが柄の最下部に残る。こいつはチビでもデカくても食ったら死ぬ。
という具合に、どうみてもゆで卵の状態の生まれたてテングタケ一族は、難しいどころか、判断は不可能なのである。そして老菌。きのこというやつは、年老いてくると溶け始めるからこちらも難しいのだ。
人間だってそうじゃないですか。赤ん坊なんてどれも同じに見えるし、なんならじーさんばーさんも大差ないように感じられますよね?(あれ、俺だけ?)だから今回の「老菌当てクイズ」も非常に難問なのである。
問題の画像はすべて同個体。ヒントとなるのは根元のほう。「ツボ」を確認していただけただろうか?コイツもおそらくテングタケのファミリーである。ポイントは、うすら黄色い色をどう解釈するか・・・では予想。
◎ タマゴタケ
○ キタマゴタケ
▲ タマゴタケモドキ
△ タマゴテングタケ(大穴)
× きのこじゃない(単勝万馬券)
ここまでタマゴタケの写真を何枚となくご覧いただいているから、「ぜんぜん違うじゃねぇかこのインチキ野郎!」と思うかもしれない。しかしそれは違う。インチキ野郎の部分は正しいが、きのこはそんなに単純ではないのだ。
実はこのタマゴタケというやつは、赤い成分の水溶性が高い。雨が降ると赤が溶け流れてしまうのだ。実際タマゴタケを焼いて食ったりすると、きのこの水分が赤を洗い落としてうすら黄色っぽくなる。赤かったタマゴタケは、食べるころには猛毒タマゴタケモドキみたいな色になってしまうのだ。味は同じでも、これはかなり怖い。
これと同じことが↑の写真にも起こっていると考えられる。キタマゴタケはタマゴタケの兄弟みたいなもので、こちらも食べられる。が、このへんでは見たことがないので、色はキタマゴタケに近くても、確率的にはタマゴタケのほうが高い。
また、食ったらほぼ死ぬタマゴタケモドキ、タマゴテングタケの可能性はほぼない。というのも、本問画像の2番目を拡大してもらうとわかるが、全体的に溶けているものの、手前側の花びらみたいになったところに「条線」が残っていることがわかると思う。
これは、選択肢の中ではタマゴタケやキタマゴタケのみに見られる特徴である。てな具合に「タマゴタケ」を導いたわけだが、いかがだろうか?
ただしイマイチ強気になれないのは、本体のツボのまわりにツボらしき球体が規則的に並んでいる点。以前も書いたように、タマゴタケは確かに群生はする。かなり大規模な菌輪(輪を描くように発生)を形成することもある。ただ、上記のような、1つの個体を取り囲むように群生するタマゴタケは見たことがない。この点は引っ掛かる。
とすると、選択肢にはないテングタケ一族の可能性も十分考えられることになるし、単勝万馬券の「きのこじゃない」なんていう可能性は・・・さすがにこれはキビシイか。
いやー長くなってしまいましたすいませんごめんなさいかんにんしてやー。やっぱ写真ためこむと載せるのが難しいですなぁ・・・