やぶさか

東京江東区深川東雲に、住んでいたころ、まだ目の前が海だった。
バケツを持ってよく釣りに行って、わずかな時間で、

バケツがすぐいっぱいになるほど、ハゼが釣れ、
から揚げにして、腹いっぱい食べたもんです。


２年前ほどから、ダンプカーが頻繁に走り、埋め立てが進み、
どんどん海が遠くなって行く、そんなころ、新聞の見出しに、

「小学生が砂浜で小判を拾い、本物であることが判明した」
というような記事が新聞に載ったんです。それからというもの、
　
あまり車も通らない東雲が、蜂の巣を突いたような騒ぎになっちゃいました。
日曜日になると東雲の砂浜は、黒山の人だかり、潮干狩りの恰好でね。

まさに東雲が、ゴールドラッシュだったんです。
つまり、ダンプカーが運んだ土に紛れ込んでいたんだそうで。　

その後大判が何枚か出たが、すべて東京都の物として没収された。
中には、そっと持ち帰った人がいたでしょうけどね。

当時の金額で、たしか大判が７万円程っだった記憶がある。　

他に機関銃のものと思われる弾丸が、無傷の状態で相当な数が出土した。
自分も本物を見せてもらい、えらく興奮した覚えがあります〜。

真鍮でできた薬きょうと、銅の弾丸、もちろん信管は付いたまま、
そんな弾丸を、あの潮干狩りの道具で

カチャカチャ掘り返したり、ふんずけてていたんですよ
かなり物騒な海岸でもあったんですね。


白ヘビは幸運の象徴
　神の使い