2013年08月16日
『すべてがFになる』 森 博嗣
氏のデビュー作だが、この作品は実は2,3作目で、編集から、この作品を1作品目で出そうということになったというのは、あとで、何かのエッセイを読んだ時に知った。
すべての作品の始まりは、ここにある。
四季シリーズも、百年シリーズも。
とりあえず原点に返ってみた。
そして、初めて読んだあの時、衝撃を受けたフレーズを拾い上げてみた。
やっぱり、この思考はすごい。今、読み返しても、やっぱり凄いなと思える。
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「自然を見て美しいなと思うこと自体が、不自然なんだよね。汚れた生活をしている証拠だ。窓のないところで、自然を遮断して生きていけるというのは、それだけ、自分の中に美しいものがあるということだろう?つまらない仕事や汚れた生活をしているから、自然、自然ってご褒美みたいなものが欲しくなるのさ。」
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「思い出と記憶ってどう違うか知ってる?」
「思い出は、良いことばかり、記憶は嫌いなことばかりだわ」
「そんなことはないよ。嫌な思い出も、楽しい記憶もある。」
「じゃあ、何です?」
「思い出は全部記憶してるけどね、記憶は全部は思い出せないんだ。」
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「先生・・・・、現実って何でしょう?」
「現実とは何か、と考える瞬間にだけ、人間の思考に現れる幻想だ」
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「死を恐れている人はいません。死に至る生を恐れているのよ。苦しまないで死ねるなら、誰も死を恐れないでしょう?」
「おっしゃるとおりです」
「死んでいることが本来で、生きているというのは、そうですね・・・、
機械が故障しているような状態。生命なんてバグですものね」
(中略)
「生きていることは、それ自体が、病気なんです。病気が治ったときに、生命も消えるのです。そう、例えばね、先生。眠りたいって思うでしょう?眠ることの心地良さって不思議ですわ。
何故、私たちの意識は、意識を失うことを望むのでしょう?意識がなくなることが、正常だからではないですか?」
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すべての作品の始まりは、ここにある。
四季シリーズも、百年シリーズも。
とりあえず原点に返ってみた。
そして、初めて読んだあの時、衝撃を受けたフレーズを拾い上げてみた。
やっぱり、この思考はすごい。今、読み返しても、やっぱり凄いなと思える。
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「自然を見て美しいなと思うこと自体が、不自然なんだよね。汚れた生活をしている証拠だ。窓のないところで、自然を遮断して生きていけるというのは、それだけ、自分の中に美しいものがあるということだろう?つまらない仕事や汚れた生活をしているから、自然、自然ってご褒美みたいなものが欲しくなるのさ。」
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「思い出と記憶ってどう違うか知ってる?」
「思い出は、良いことばかり、記憶は嫌いなことばかりだわ」
「そんなことはないよ。嫌な思い出も、楽しい記憶もある。」
「じゃあ、何です?」
「思い出は全部記憶してるけどね、記憶は全部は思い出せないんだ。」
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「先生・・・・、現実って何でしょう?」
「現実とは何か、と考える瞬間にだけ、人間の思考に現れる幻想だ」
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「死を恐れている人はいません。死に至る生を恐れているのよ。苦しまないで死ねるなら、誰も死を恐れないでしょう?」
「おっしゃるとおりです」
「死んでいることが本来で、生きているというのは、そうですね・・・、
機械が故障しているような状態。生命なんてバグですものね」
(中略)
「生きていることは、それ自体が、病気なんです。病気が治ったときに、生命も消えるのです。そう、例えばね、先生。眠りたいって思うでしょう?眠ることの心地良さって不思議ですわ。
何故、私たちの意識は、意識を失うことを望むのでしょう?意識がなくなることが、正常だからではないですか?」
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