2016年08月27日
『パパのいうことを聞きなさい!』 松 智洋
今日はお気に入りのラノベの話でも。
玉石混合のラノベ世界の中にあって、
面白いと思えるものってなかなかない
んですが、これはお勧めです。
簡単にあらすじ言っちゃうと、姉夫婦が
飛行機事故で行方不明(死亡しているだろうけど確定はさせてない)に
なった大学生が姉夫婦が残した姪っ子3人(中学生、小学生、幼児)
を引き取って、姉夫婦の死を受け入れ、乗り越えていくってお話かな。
この子たちが健気で良い子たちなんだ。
ご都合主義で最後に死んでませんでした〜的な展開に
してないところもいい。それやってたら、もう色々と台無しだったよ。
正直、本編 3巻くらいまでにしておけば良かったのにと個人的には
思ってたんだけど。あとは冗長やなぁと。
で、今回、後日譚的な「after1」ってのが出たので購入して読んでみたら、
読んでるr時は、うーん、こういうのだったら後日譚、いくらでも書けるな、
どこまで書くつもりだろうと思っていたら、「あとがきにかえて」というところで、
作者死亡という驚愕の事実が…。
ということで、これ以上、「パパ聞き」の続刊が刊行されることはないって
ことだ。っつうか、この巻、執筆中に重い病であることが分かって、書きあげて
逝去って・・・・。
これを知って、再度、読みなおしてみると、
・・・・・あ、あかん、弱いねん、こういう話。
切ないわぁ、重いわぁ、ちょーかっこいいわぁ。>松先生
死にゆくものから、生き続ける者たちへのメッセージっていうか。
自分の死期を自覚した人が書いているメッセージがズブズブと
突き刺さってくる。
っつうわけで、このafterも含めてシリーズ通して読んで欲しい。
美しく完結させてくれている。
しかし、惜しい作家さんがまた一人、この世を去ってしまった。
パパのいうことを聞きなさい!
パパのいうことを聞きなさい!