せっかくのミステリーなので、ドラマの謎解きネタバレはなしで。
「アストリッドとラファエル 文書係の事件録」について
「アストリッドとラファエル 文書係の事件録」は、犯罪資料局で働く謎解きが大好きな天才アスペルガーのアストリッドと、シングルマザーで豪快なラファエルという正反対の二人が協力し合い事件を解決していくフランス発のミステリー。
自閉症の天才と、子持ちの未婚刑事、どちらもありがちな設定だけれど、双方女性の組み合わせはなかったな。
自閉症のアストリッドは高度な知識を持っているがコミュニケーションスキルが低く、なかなか同僚と打ち解けていない。そんな彼女の才能に目を付けたシングルマザーのラファエル刑事が、アストリッドを捜査に引き込んでいく。
回を重ねるごとに、アストリッドとラファエルはお互いに信頼関係を築いていき、私生活でも行動を共にするように。他人を寄せ付けなかったアストリッドが、自宅にラファエルを迎え入れたときには思わずニンマリしてしまった。そして、少しづつ彼女のことを理解する仲間も増えていき、シーズン1の最後には後見人をつけずに自立するまでに成長していく。
第1話「Puzzle」
ラファエルがアストリッドの才能に目を付けて、無理やり捜査に関わらせたのがそもそもの始まり。といっても、アストリッドは警察官だった父親から犯罪捜査のノウハウを教えられた天性の捜査官。ラファエルへ最初にアプローチをしたのはアストリッドだ。
アストリッドがアスペルガーという設定から「bridge」(北欧ドラマ)のサーガみたいな人物を想像していたのだけど、まったく違って、純粋培養されたちょっと奥手で無垢な感じの女性。
まるで母親のようにアストリッドを理解するラファエルに手を引かれ、やっと社会に一歩を踏み出したところ、ということがわかる話。
そして、謎を解き明かすまで思考を止めない意志の強さも見せる。
検視官が苦戦していたルービックキューブをほんの数秒の、それも視聴者の目に映らないところで、全面整えてしまうシーンがある。
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第2話&第3話 「Hantise 」
弁護士が法廷の弁論中に恐怖によって心臓が停止するという怪事件が勃発。以前から幽霊の屋敷として知られている弁護士の自宅を捜索するアストリッドとラファエル。
幽霊の存在を否定するアストリッドは、怪奇現象の正体を過去の資料を元に解決していく。
そんな中、幼いころに家を出た母親がアストリッドに連絡を取りたがっていることが判明する。そして、ラファエルを初めて“紙の部屋”に招き入れる。
アストリッドのデスクの上には木製の立体パズルが置かれていた。
第4話「 Chainon Manquant」
国立自然史博物館で古生物学者のダナ・バレットが死んでいるのが見つかる。死因は遅延性の溺死とアストリッドが突きとめるのだが、まわりに溺死する要素は皆無。
コンピューターの起源になったとされるグレイコード・パズルとダーウィンの進化系図なんかを絡めてくる。双方世紀の大発見だとアストリッド。
この回で、アストリッドが日本びいきなことがはっきりわかり、毎週月曜日に「味」という日本食材を扱うお店に買い物に行くこと。日本語や茶道もたしなむことが明かされる。
第5話「 Chambre Close」
売れっ子の著名推理作家アンリ・フランクールが自宅で服毒死しているのが発見される。さらに真犯人と思われた人物も服毒し…という事件。
アストリッドはパズル好きになったのは、母が残したからくり箱がきっかけだったと明かす。そのパズルも日本製。箱根土産の定番・寄せ木細工で作られたからくり箱だ。
ラファエルはアメリカに移住していたアストリッドの母が帰国していることを掴む。
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第6話「 Fulcanelli」
パリの地下一体に広がる採掘場跡に若い男性の遺体が落ちてくる。パリのカタコンブは観光用に整備されているけれど、それ意外の場所で公式に出入り可能なところってどれくらいあるんだろう?
遺体は蝋化して60年前死亡した時のままの姿だったことから、すぐに身元が判明する。賢者の石や錬金術、指輪に隠された謎と、インディージョーンズばりの宝探しシーンまで出てきてワクワクさせられる。この回のパズルはこの謎解きの部分。
ルールに従順なアストリッドに、ラファエルがルールの抜け道を指南され、謎解きを続けたいため、サクッと違反ぎりぎりを受け入れちゃうアストリッドがカワイイ。この回には日本要素なし。
手持無沙汰な時間、時々アストリッドは知恵の輪で時間つぶしをしてるのも印象的。(第一話にも知恵の輪が登場している)
第7話 「L’Homme qui n’existait pas」
バスの中で電子タバコを吸っていた男が突然死亡。
毒物を炭そ菌と即座に見極めたアストリッドとラファエルはバス中に隔離されることに…。
ここでやっとアストリッドの魅力に気づく男性ジュリアンが登場するが、「私はあなたに惹かれていない」ということを理路整然と並べたてて断ってしまう。
相手を傷つけない方法を取ったと胸をはるアストリッドだった。振られた後もジュリアンはたびたび登場。シーズン2ではもう一度アプローチをかけてくるかも?
ジュリアンには心惹かれなかったようだが、アストリッドは初めてラファエルを自宅に招き入れる。
第8話「 La Mort et Compagnie」
自閉症の会を主催するウィリアムの兄ポールが亡くなり、アストリッドとラファエルは葬儀に参列する。
しかしポールの遺体は行方不明になり、新たな死体がポールの自宅で見つかる。ポールが生き返ったことをウィリアムに口止めされ、必至に嘘をつこうとするアストリッドがカワイイ。
ポールは仕出された日本料理のフグ寿司のテトロドトキシンが原因で仮死状態になっていたことが明らかになる。
アストリッドの母・マチルドが密かに連絡をとっていたラファエルの策でシルエットゲーム“タングラム”大会でアストリッドと再会。
第9話「 Invisible」
シーズン1の最終話。アパートで若い女性の惨殺遺体が発見され、現場に犯人指紋やDNAが多く残されていたことから、事件はすぐに解決する。
しかし、実は同じ手口で10年間にわたって連続殺人が行われていたことにアストリッドが気が付く。
ずっとアストリッドを支え、後見人でもあったガイヤールとの別れがある。
まとめ
アストリッドは毎回自分のデスクに「立体パズル」を常備していた。
この立体パズルの多くがグレイコード・パズルと呼ばれるもので、どうやらアストリッドのお気に入りらしい。そして、ラファエルに圧勝したタングラム・ゲーム。日本では幼児向け教材としての取り扱いなのだが、競技になっているとは知らなかった。
歩きながら知恵の輪をしたり、寄せ木細工のからくり箱を自力で開封したりとアストリッドのパズルへの情熱は並外れている。
シーズン2では、どんなパズルと日本が飛び出すのか、今からとっても楽しみ!
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