肺の病気だったので
ここ数年毎日毎日苦しそうで
何もできないのが悲く
最後は本当に辛そうで…
長生きしてほしいのと、
楽にしてあげたいの間で
家族がゆれに揺れた。
結局、最後の望みだった帰宅はかなわず
これ以上苦しませるのは酷と判断
ずっと決断できなかった父も泣く泣く諦め
安らかな時間を作ってあげるために
鎮静剤をお願いした。
そして、
一日ほど苦しみから解放されて
眠るように旅立っていった。
葬儀は神式で、
お祝い事以外で玉串を捧げるのは初めての体験だった。
宮司の儀式は目新しいことばかりで
通夜の席では涙もでてこず、ただ荘厳な儀式に見惚れてしまった。
御霊をうつす式なんて、仏教ではやらないもの…。
それでも二日目の葬儀は玉串奉納も慣れて、
棺に花を添える時には、気づくと号泣していた。
ただ眠っているように見える母と、
もう一緒にいられないと気づいてしまったから。
火葬場で真っ白な骨になった母は小さな骨壺に収められた。
帰宅後、祭壇が設けられた。
母はこれからこの家の「守り神」になる。
三宝に供物、酒と塩と米。
仏も守り神も、意味合いは変わらないはずなのに
なんとも不思議な気持ちに。
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