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2017年11月24日

ドラマ「可愛い悪魔」


なんと。ついに、DVDが発売されるようだ。

2018.2.15追記 2019. 6. 8更新
「可愛い悪魔」のDVDは、諸事情により、現在、販売を見合わせているようです。
詳細はこちら(メーカーのHP)→ http://dig-mov.net/
また状況が変わりしだい、こちらの記事内容も更新させていただきます。






可愛い悪魔(1982)

監督 大林宣彦

キャスト
 秋本涼子/秋吉久美子
 川村浩二/渡辺裕之
 川村ありす/ティナ・ジャクソン
 川村圭子/赤座美代子 
 みなみらんぼう、岸田 森 ほか

 


その昔、火曜サスペンス劇場で放送された、大林亘彦監督による異色のホラーサスペンス。
私の幼年時代における、最恐のトラウマ作品である。

あらすじ
ある年の夏、結婚式の最中に、花嫁が教会の二階から落ちて亡くなった――。数年後、死亡した花嫁の妹で、海外暮らしをしていた秋本涼子が帰国する。涼子は欧州にピアノ留学していたが、恋人の事故死をきっかけに精神を病んでしまい、日本へ戻り療養することになったのだった。やがて心身を取り戻し、社会復帰がかなった涼子は、亡き姉の結婚相手だった川村浩二のはからいで、浩二の姪である、ありすという少女のピアノの専任教師として川村家に住み込むことになる。かくして、川村家の人々のもとで新生活に踏み出すことになった涼子だったが、やがて身の回りで次々と奇怪な事件が起こり始め・・・。



早い話が、少女による連続殺人事件の物語なんである。瀟洒な洋館に暮らし、一見、小公女然とした可愛らしい少女が、次々と陰惨な犯行に手を染めていく。あいにく未見だが、「悪い種子」という、アメリカの古い映画がモチーフになっているのではという見方もあるようだ。個人的には、後年、マコーレー・カルキンが主演した「危険な遊び」という映画を見たときに、この「可愛い悪魔」を思い出した。ストーリー的にはもちろん異なるが、いずれも子どもの中に潜む残虐性を描く作品だ。
無邪気ないたずらの延長線上のようなところで、次々とむごたらしい事件が起きていくということだけでも充分不気味なのだが、「可愛い悪魔」の場合は、ここに大林亘彦監督による、いささかやりすぎ感のある独特のホラー演出がプラスされる。この恐怖の演出こそがまさしくトラウマの要因なのである。私はのちにこのドラマに出演していたみなみらんぼう氏が、チャリティイベントか何かのゲストで地元にやってきて、子供向けに握手会のようなことをしていたときも(当時、みなみさんは子どもにとっては”うたのおじさん”的な人だった)、このドラマでの役どころがあまりにキモコワすぎたため腰が引けて容易に近づけず、赤座美代子さんにいたっては、あれから何十年経ってもいまだそのイメージは「=(イコール)金魚鉢」である。子ども心にかなりの衝撃的な爪痕を残したドラマであった。

もう一度見たくともなかなかお目にかかれる機会がなく、数年前には東京都内の映画館で上映されたこともあったようなのだがこれも見逃してしまい、残念に思っていたところのまさに待望のDVD化。
作り物感満載の演出に、今だと思わず笑ってしまうような気がしなくもない。が、それにつけても発売日が待ちきれぬほどに楽しみではある。

2017年11月07日

今さら映画鑑賞記「悪魔が来りて笛を吹く」



「悪魔が来りて笛を吹く」(1979年)

何十年越しにようやく観たという感じ。名探偵・金田一耕助が登場する、有名どころの映像作品はたいがい観てるつもりなのだが、この作品だけはうっかりスルーしていた。子供の頃、映画のCMに登場する、フルートを持った悪魔のビジュアルがやたら恐ろしく、長いことトラウマになっていたせいもある。しかし、改めて今この悪魔を見てみると、うーん…。私の感性はどうやらどんどん退化しているらしい…。大人になるってさびしいものね。

そんなこんなで、この作品に関しては、先に原作の方を読むことになったわけだけれど、はじめてこの物語の世界観に触れたときは、いやはやそれはもう・・・なかなかの衝撃であった。
なるほどそれで、映画のキャッチコピーが「わたしはこの恐ろしい小説だけは映画にしたくなかった」とかなんとかいうことになってたわけだ。
「悪魔が来りて笛を吹く」は、おそらく、横溝正史が書いた一連の”金田一耕助”シリーズのなかでも、トップレベルにおぞましく、かつ、やるせない作品であり、と同時に、まごうことなき傑作であると個人的には思っている。それにしてもまあ、登場人物の人間関係の複雑なこと!この小説に限らず、横溝作品はとかくその傾向にあるけれど、それにつけてもこの小説は群を抜いてるんじゃないだろうか。私は、自分で実際に人物相関図を作ってみることなしには、頭の中がごちゃごちゃになり、とてもこの物語を読み進めていくことはできなかった。まあそういうとこが、横溝ワールドの醍醐味でもあるわけだけど。

続きはこちら
タグ:映画 70年代

2017年10月15日

今さら映画鑑賞記「セカンド・ラブ」


1983年の日本映画 大原麗子主演の「セカンド・ラブ」を見た。



DVDジャケットがずいぶんとなやましい感じではずかしいので、画像を小さく載せてみた
しかし実際は、まあ恋愛ものなので、そういうシーンもあるにはあるけど、決してその手の作品ではない。(と、自分でも何言い訳してるんだか)

一口で言えば、フランス映画の小品にありがちな感じの作品だと思った。
ときにはフィクションらしく、リアリティのない突拍子もない出来事が起こったりもするが、基本的には、そのへんのだれかの日常を切り取ったような話が、ただ淡々と進んでいく感じ。つまるかつまらないか、で言ったら、たぶんつまらない映画なんだと思う。ただ、言わんとしていることはなんとなく伝わってくる。あくまでも私感だが、この映画は、ある夫婦のひとつの「かたち」を、趣味良く、文芸的に描こうとしているように見えた。男勝りのキャリアウーマン妻を演じる主演の大原麗子は、見た目も演技も、それに充分足りえる存在感があるし、大原の年下の夫役である、若かりし頃の小林薫も、いちいち根拠もないことで年上妻にやきもきする、いかにも頼りなさげな優男夫の感じがうまく出ていて悪くない。だけど、いかんせん、いろんなエピソードがあちこちとっちらかってる印象は否めないし、なんといっても、小林薫の浮気相手として登場する、中村れい子のB級臭が凄まじく、水着だか下着だかわかんないような衣装で、調子っぱずれのロックをがなり立てるシーンなど、随所で笑ってしまい、ちっとも物語の世界に感情移入できなかった。まあでも、この作品が、猥雑な情緒むんむんの80年代の東映映画だったことを思い出し、「やはり東映ものはこうでなくちゃ」と、溜飲を下げることで、この作品を自分の中で消化することにした。
それにしても、この映画が、大原麗子の映画での代表作だというから驚きだ。そういえば、あれだけもてはやされた女優さんだったのに、大作めいた作品に出ていた記憶があまりない。ウイスキーのCMしか浮かんでこないな。
いずれにしても、在りし日の麗子さまの見目うるわしいお姿をひさびさに拝見できただけでも収穫だった。白いとっくりセーターがとてもよく似合っていた。ねじりはちまきファッションにはちょっと笑ったけど。

 
タグ:80年代 映画

2017年10月04日

なつかしいドラマ「回転ドアの女」


思いがけなく子どもの頃に見た懐かしいドラマを再び見ることができた。
1984年放送の「回転ドアの女」。単発のサスペンスドラマだ。
主演の一人は田中美佐子で、当時小学生だった私はこの作品で初めて彼女のことを知った。
私はてっきり、このドラマを「火サス」あたりで見たように思っていたのだが、これは勘違いで、このドラマは「ザ・サスペンス」というTBS系の土曜夜に一時期存在した2時間ドラマ枠で放送されていたものだった。言われてみればそんな番組があったような気もするが、あまり覚えていない。

それにしても、なぜ私が子供時分にたまたま見た、おそらく小品と言っていいだろうこのドラマのことを鮮烈に覚えているかというとそれは、このドラマの中での田中美佐子と共演者の河原崎長一郎とのあるシーンが、当時ちょっとしたトラウマになったからだった。私はその後もしばらくこのときの田中美佐子の痛々しい役どころが頭を離れず、後年、彼女が売れっ子の女優さんになってからも「あのときのかわいそうな人だ」と、何かにつけてこのドラマのことを思い出してしまい、河原崎長一郎氏については「危ないオジさん」と、画面越しに長らくその警戒をゆるめなかった。(本来は実直な役どころの多い役者さんだったのに、幼かったとはいえ失礼致しました)
昔はこの手のドラマから、親からは教わりにくいさまざまな危機管理も学べていたような気がする。

さて、改めて見てみると肝心のストーリーの方はほとんど忘れ去ってしまっていたが、物語は初老の刑事(中村敦夫)が殺人犯の若い女(田中美佐子)を新幹線で東京へ護送しているシーンから始まってゆく。一見仲の良い親子にも見える二人だが、それもそのはず、実はこの二人は、女が幼い頃に離れ離れになった本当の親子だった。刑事の方は捜査の過程でそのことを知るが、女は刑事が自分の実の父親であることなど全く知る由もない。お話は、なぜこの父と娘が生き別れることになったのか、そして、父と別れた後、娘がどんな人生を送ることになり、そして殺人に手を染めるに至ったのか、回想するかたちで展開していく。護送シーンにはまだ開通してまもないだろう頃の東北新幹線が使われていた。そういえばこのころの東北新幹線の終着駅は大宮で、ドラマの中でも二人の到着を待つ刑事たちが大宮駅に駆けつける場面があった。私も当時東北に住んでいたので、たしか大宮で新幹線を下りると、東京へ向かうリレー号とかいう電車に乗せられたなあとぼんやり思い出したり、それから例のシーンでは、さすがにもう今ではどぎまぎすることもなかったけれど、不覚にも家族と一緒にこのドラマを見てしまって、恥ずかしさのあまり石像と化した当時の自分を思い出したりとか、いろいろしみじみと懐かしかった。

エンディングロールを見ていてちょっと驚いたのは、このドラマ、脚本が川内康範だった。川内康範氏といえば、森進一との「おふくろさん」の歌詞をめぐる騒動と、みごとなお耳のおケケがいまだ記憶に新しい。あの騒動の時はずいぶんご立腹なさっていてコワそうなじいさまだと思ったけれど、一方で、スヌーピーに似ているとの理由で、奥様に「スヌー」と呼ばれていると、柔和な表情で語っていた姿も印象的だった。
作詞にとどまらず、多方面で活躍してきた方だというのは当時の報道などでも見知っていたが、2時間ドラマの脚本なんかも書いていたんだな。

ところで、このドラマの「回転ドアの女」というタイトルだが、何でこんなタイトルなんだろうと不思議に思ったのだが、どうやら常に先行きの見えない人の一生というものを回転ドアになぞらえているらしかった。

さすが、スヌー。深いぜ。


2017年09月22日

ドラマ「同窓会」を思い出すの巻

NHK BSの歴史番組「ザ・プロファイラー」。来月から新シリーズが始まるというので楽しみにしているのだけど、初回の「オードリー・ヘップバーン」特集が、最近、マイナス事案で時の人になってしまっている斉藤由貴が出演しているとの理由で、別な特集と差し替えになってしまったらしい。残念。

斉藤由貴といえば、彼女は私が子供の頃に、即席めんか何かのCMをきっかけにキラ星のごとく現れた人気アイドルだったが、そのころからすでに他のアイドルとは一線を画した、言葉は悪いが「変わり者」的な、ある種独特な雰囲気を持っていた。だけど「歌って良し、演じて良し」みたいなところがあって、個人的にはわりと買っていた。「卒業」は今でも名曲だと思っているし、アルバムに入っている「家族の食卓」という歌が好きだったな。あと、東宝の女優さんだから、あの頃は毎年、夏休みなんかの時期に合わせて主演映画が公開されてて、それもよく見に行った。黒柳徹子さんの若い頃を演じた「トットチャンネル」が良かった。なんだ、私、りっぱにファンだったな。照れくさい。

だけど、斉藤由貴といえばやっぱり思い出すのは、90年代に放送されていた、伝説の放送コードぎりぎりドラマ「同窓会」だ。今思い返しても凄いドラマだった。荒唐無稽なストーリー展開もさることながら、斉藤由貴をはじめとする、出演者の体当たり演技も何かと話題になっていたけれど、私がこのドラマで一番印象的だったのは、出ている人が、次々しれーっと消えていくことだった。なんの余韻も残さず突如物語から去っていくのだ。準主役級の役どころなのに「もうイヤー!」的な絶叫セリフを最後に、翌週からぷっつり姿を消した方もいた。あまりに話の展開がスゴすぎて、ほんとに「もうイヤー」になったのかもしれない。

タイトルからして、久々に再会した同級生たちの様々な人間模様が物語の核になっていきそうなものだったが、結局、当初7,8人いた同級生役で、最後まで物語にからんでたのは、記憶している限りでは、斉藤由貴、高嶋政宏、西村和彦、荻野目慶子の4人だけだった。彼らはいずれも主要級のキャストだったので、残るべくして残っていたに過ぎないのかもしれないが、それにしても改めてこうしてお名前を並べてみると、いろんな意味でなかなかメンタルの強そうな面々である。まあこれはあくまで私感だが。

その後の続報によると、斉藤さんは「ザ・プロファイラー」だけでなく、来年の大河ドラマや、CMなんかも全て降りることになったみたいだ。してしまったことの代償はあまりにも大きい。だけど、いつかは浮かぶ瀬もあるだろう。そのときはまた持ち前の、あんな「同窓会」のようなスゴいドラマを乗り越えれるたくましさ(?)で、表舞台に戻ってきてもらいたい。

というか「オードリー・ヘップバーン」特集が見たいだけなんだけどね。(このままお蔵入りはいやよ)

※ほぼ敬称略、ごめんなさい


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うたたねスナック

    関東在住 趣味は読書・歩くこと
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