2018年08月30日
さようなら
天賦の才に恵まれた人というのは、よほど神さまに愛でられるのか
案外早く向こうへと旅立っていってしまう
たぐいまれな歌唱力やダンスで多くのファンを魅了した芸能界のスターたちや
文壇の奇才たち
こちらのお二人に至っては、まさに国の至宝
さしあたって、杉浦日向子さん、それから手塚治虫、藤子・F・不二雄の両先生、このお三方に関しては、私の場合、彼らはきっと時空をこえてやってきたタイムトラベラーだったに違いないと思っていて、三人とも現代でのある一定のお役目を終え、杉浦さんは花のお江戸へ、手塚先生と藤子先生は未来へと、それぞれ元いた自分の世界に帰っていっただけなのだとわりと本気で思っていたりする。
そう思わないとやってられないぐらい、まだまだ歌声も聴きたかったし、本も読んでみたかったのに、みんなみんな逝ってしまう
そしてまたひとり、天才が旅立っていった
平成最後の、残暑厳しき晩夏の折に
まさかこの方の訃報に接することになろうとは
先生の目を盗みながら、学校の教室でみんなで回し読みしたちびまる子ちゃん
夏休みの宿題をためすぎてあせりまくる話が好きだった。(まるこのおじいちゃんが書く、代筆ばればれの「けふは〜」ではじまる古風な絵日記には腹がよじれるかと)
エッセイも絶品で買い集めては読んだものだったが、引っ越しのごたごたでほとんど失くしてしまい、ショックで3日ぐらいまっしろな灰状態になった遠い思い出
でも今回の喪失感はあのときと比ぶべくもない
本なら買い直すことができるものね
それにしても神さまもずいぶんといけずなことをする
まさか、まる子までこんなに早く連れてくなんて〜
どうしてくれるんだよう、この、心にぽっかり穴があいたようなさびしいきもち
そういえば「いけず」ということばも「ちびまる子ちゃん」で覚えたのだっけ
愛蔵書遭難事件の難を逃れて、唯一手もとに残っていたさくらさんのエッセイ
ひさしぶりに本棚から取り出して、ページをめくってみることにします
What we have once enjoyed we can never lose. All that we love deeply becomes a part of us.
「私たちが心から楽しんだものは失わない。心から愛したものは私たちの一部となる」(ヘレン・ケラー)
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