英語民間試験見送り
格差対策間に合わず
24年度めどに見直し
11月1日萩生田大臣から「大学入試英語成績提供システム」に係る今後の方針について記者会見がありました。
受験生をはじめとした高校生、保護者の皆様へ大臣の気持ちをメッセージとして伝えたとしております。
この問題は、以前にも取り上げましたが、20年1月実施が最後となる大学入試センター試験の後継となる大学共通テストの英語へ民間試験導入という目玉でもあったはずです。
センター試験での「読む」「聞く」だけではなく、「書く」「話す」も加えた4技能を総合的に測るためということで、6団体7種類の試験から最大2回受験できるとしていました。
とはいえ、英語能力テスト「TOEIC」が大学入試英語成績提供システムへの参加申し込みを取り下げたあたりから雲行きが怪しくなってきました。
この「TOEIC」は、テスト日程や試験会場が多いということが一番の魅力で、高校生にとっては受験の機会を増やすことができるという他にない優位性があり、さらに対策教材も充実しているために受験しやすい試験だったことは間違いありません。
また、東大・名大・京大・東北大などが公平性の課題などを理由として成績の活用を見送る動きが続き、国立大学の足並みが揃わないという状況になっていました。
こうした中で、
10月24日のBSフジの番組で、萩生田文科相は英語民間試験の利用で不公平感について問われ、次のように発言したそうです。
「それを言ったら『あいつ予備校通っていてずるいよな』というのと同じ」と反論。「裕福な家庭の子が回数受けてウォーミングアップできるみたいなことがもしかしたらあるのかもしれない」と述べた。試験本番では、高3で受けた2回までの成績が大学に提供されることを踏まえ、「自分の身の丈に合わせて、2回をきちんと選んで勝負して頑張ってもらえれば」と答えた。
(2019年10月28日朝日新聞朝刊「萩生田文科相『身の丈に合わせて』発言を謝罪 英語試験」)
この発言が炎上し、1週間後には見送り発表となったわけですが、本人や文科省側はこの発言は関係ないと言っているようですが、影響ないわけはないでしょうね。
格差対策間に合わずというフレーズが一番そのことを物語っていますよね、
そもそもセンター試験の前には『大学共通第1次学力試験』というものがあって、
筆者はその最初の実施された年代が受験生でしたが、私立大受験したので実経験はありません。
その大学共通第1次学力試験がどうして始まったのか、
ウィキペディア(Wikipedia)によると、
共通テストの構想は1960年代以降文部省やその周辺から発案されていた。1970年代に入って政府および与党の推進により実現する運びとなり、国立大学協会の賛同を得て、入試問題の難問・奇問の出題をなくし「入試地獄」を緩和するという目的で導入が決定された。
それまでそれぞれの大学での個別入試で行われていたわけですが、入試地獄を緩和するという目的だったはずなのに、二次試験の大学を選択しなければならないため、受験産業による受験生や大学からの情報収集およびそれに基づく情報分析が受験生に重宝されて、大学・学部・学科の序列化・固定化が進んだという弊害も起こってきたわけです。
こうして振り返ってくると、私の結論は次の通りです。
センター試験から大学共通テストに移行するのではなく、
全ての共通テストをぶっ壊す!
各大学で個別入試を行う!
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