2015年09月15日
“たそがれの時代”を読んで……
この本は、はっきり言って、読んでいて憂鬱になる本です。
しかしながら、最後まで読まずにはいられない本です。
団塊世代の私は、21世紀に入り少子高齢化が急速に進む中、人口構成の変化や社会構造の変化等々の諸問題について、各種メディアで溢れる情報を通じて何となく理解しているつもりでした。
私は若い時(40代後半)に大病(胃がん)を患ったものの、その後は概ね元気。65才になって介護保険が健康保険から外されて請求が来て始めて自分が「高齢者」だと気づくくらいに、自分の老いについては無自覚でした。
大病からの回復後、地元に帰り、地域活動にも積極的に参加。地域の子ども達に関する諸活動に参画して「確かに少子化が進んでいるなあ」と思い、そして民生委員活動で「高齢者が多いなあ……」と感じる事はありましたが、少子高齢化についてどこか楽観視している所もありました。
しかし、この本「たそがれの時代」を読んで、少子高齢化社会の諸問題が思っていたよりも遥かに深刻である事を改めて痛感しました。
私のサラリーマン時代は高度成長期と重なり、バブルを経験し、転勤や海外出張も体験しました。
地元に帰った後、それなりに“老後対策”を考えているつもりでしたが、
この本を読んで、自分の考えているレベルと現実のレベルの違いを知り、
「少子高齢化の問題が現時点でここまで深刻化しているのか!?」
「ここまで深刻化するのはまだ先の話だと思っていたのに……」
と驚愕しました。
我が家には、娘が二人いますが、一人は外で働き、もう一人は自宅から通勤。そんな家庭環境において自分が「高齢者」だと言われても今まではあまり実感が湧きませんでした。
私の友人達との話でしばしば“同居している孫”の話題が出てきますが、私の場合、孫は自宅に住んでいないので、友人の話に相槌は打つものの、友人が抱えている悩みについてなかなか理解できない所が出てきたりします。
たまに女房と小旅行に出かけ、「空き家が増えたね……」「空き家の代わりに介護老人福祉施設が増えたね……」と言う会話はしていましたが、
「たそがれの時代」(特に第6章;98頁〜118頁のくだり)を読んでみると、自分の目で見れる範囲の外にある事例が統計データと共に述べられており、「高齢者にとっての生活環境悪化の問題がここまできているとは!」と思い、絶句しました。
第二の人生とは、いくつから考えるべきことなのか? いわゆる「終活」をどうするか?(お墓の問題、遺言書の問題、身辺整理、……等々) 医療費の問題は? 認知症対策は? 老後資金はどれくらい必要か(足りないのであれば、どうやって新たな収入源を確保するか)? 健康管理および予防対策は? 等々、考えればキリが無りません。
「自分だけは、大丈夫?」と言う自分への言い訳?を信じて生活してきましたが、今後の事はより真剣に再考していくべきだと心より思い、女房とも良く相談して老後を過ごさねばと考えています。
さしあたり、おカネの問題。カネで解決できない問題も多々有りますが。カネが有ると選択の自由が増えるのもまた事実。若い世代の負担が増える一方の年金制度が破綻を回避できるかどうか危ういと感じている私は、新たな収入源を模索していますが、さすがに若い時と同じ様には体が動かないので、日々進歩するITに関するスキルを自家薬篭中のものとして収入源確保の一助にしようと、只今奮闘中。とんとん拍子には進まないものの、なんとなく方向性が見えてきたところ。
また、仮に個人ごとの自助努力が功を奏しても、各地方自治体が少子高齢化問題に効果的な施策を実行できなければ、先行きは暗いとも思ってみたり。……「たそがれの時代」最終章・128頁辺りのくだりが、不安解消に向かうヒントを与えているように思います。
この本を読んで少し気になったのが、「少子化が進むなら、高齢者が元気に働けるようにしよう」という発想について思ったよりも深く突き詰めていない事。iPS細胞を応用した再生医療等、「活発に生きられる時間を長くする」のに役立つ医療技術が脚光を浴びている昨今、(文字通りの意味で)「若返り」や「不老長寿」を実現するために政府が何をすべきかについてもっと考えても良いのではないかと思います。(「若返り」や「不老長寿」が馬鹿げていると言うのであれば、サーチュイン遺伝子やレスベラトロールのニュースがあれほど多くの医学研究者の注目を集め、一大ビジネスにもなっているのは何故でしょう?)
ところでこの本、Amazonでも購入できますが、下記の発行所に直接問い合わせても購入できます。
「1日でも、いや、1時間でも早く入手したい」「時間短縮のために多少の出費は厭わない」という人はAmazonで注文しても良いかと思いますが、
「1週間や2週間ぐらい待ってみてもどうという事は無い」という人は発行所に直接問い合わせた方が、たぶん総合的な満足度が高くなると思います。
◆たそがれの時代◆
佐賀新聞社取材班 編
発行所 佐賀新聞プランニング (佐賀市天神3-2-23)
(電話 0952-28-2151 もしくは 0952-28-2152)
定価:500円(税別)
しかしながら、最後まで読まずにはいられない本です。
団塊世代の私は、21世紀に入り少子高齢化が急速に進む中、人口構成の変化や社会構造の変化等々の諸問題について、各種メディアで溢れる情報を通じて何となく理解しているつもりでした。
私は若い時(40代後半)に大病(胃がん)を患ったものの、その後は概ね元気。65才になって介護保険が健康保険から外されて請求が来て始めて自分が「高齢者」だと気づくくらいに、自分の老いについては無自覚でした。
大病からの回復後、地元に帰り、地域活動にも積極的に参加。地域の子ども達に関する諸活動に参画して「確かに少子化が進んでいるなあ」と思い、そして民生委員活動で「高齢者が多いなあ……」と感じる事はありましたが、少子高齢化についてどこか楽観視している所もありました。
しかし、この本「たそがれの時代」を読んで、少子高齢化社会の諸問題が思っていたよりも遥かに深刻である事を改めて痛感しました。
私のサラリーマン時代は高度成長期と重なり、バブルを経験し、転勤や海外出張も体験しました。
地元に帰った後、それなりに“老後対策”を考えているつもりでしたが、
この本を読んで、自分の考えているレベルと現実のレベルの違いを知り、
「少子高齢化の問題が現時点でここまで深刻化しているのか!?」
「ここまで深刻化するのはまだ先の話だと思っていたのに……」
と驚愕しました。
我が家には、娘が二人いますが、一人は外で働き、もう一人は自宅から通勤。そんな家庭環境において自分が「高齢者」だと言われても今まではあまり実感が湧きませんでした。
私の友人達との話でしばしば“同居している孫”の話題が出てきますが、私の場合、孫は自宅に住んでいないので、友人の話に相槌は打つものの、友人が抱えている悩みについてなかなか理解できない所が出てきたりします。
たまに女房と小旅行に出かけ、「空き家が増えたね……」「空き家の代わりに介護老人福祉施設が増えたね……」と言う会話はしていましたが、
「たそがれの時代」(特に第6章;98頁〜118頁のくだり)を読んでみると、自分の目で見れる範囲の外にある事例が統計データと共に述べられており、「高齢者にとっての生活環境悪化の問題がここまできているとは!」と思い、絶句しました。
第二の人生とは、いくつから考えるべきことなのか? いわゆる「終活」をどうするか?(お墓の問題、遺言書の問題、身辺整理、……等々) 医療費の問題は? 認知症対策は? 老後資金はどれくらい必要か(足りないのであれば、どうやって新たな収入源を確保するか)? 健康管理および予防対策は? 等々、考えればキリが無りません。
「自分だけは、大丈夫?」と言う自分への言い訳?を信じて生活してきましたが、今後の事はより真剣に再考していくべきだと心より思い、女房とも良く相談して老後を過ごさねばと考えています。
さしあたり、おカネの問題。カネで解決できない問題も多々有りますが。カネが有ると選択の自由が増えるのもまた事実。若い世代の負担が増える一方の年金制度が破綻を回避できるかどうか危ういと感じている私は、新たな収入源を模索していますが、さすがに若い時と同じ様には体が動かないので、日々進歩するITに関するスキルを自家薬篭中のものとして収入源確保の一助にしようと、只今奮闘中。とんとん拍子には進まないものの、なんとなく方向性が見えてきたところ。
また、仮に個人ごとの自助努力が功を奏しても、各地方自治体が少子高齢化問題に効果的な施策を実行できなければ、先行きは暗いとも思ってみたり。……「たそがれの時代」最終章・128頁辺りのくだりが、不安解消に向かうヒントを与えているように思います。
この本を読んで少し気になったのが、「少子化が進むなら、高齢者が元気に働けるようにしよう」という発想について思ったよりも深く突き詰めていない事。iPS細胞を応用した再生医療等、「活発に生きられる時間を長くする」のに役立つ医療技術が脚光を浴びている昨今、(文字通りの意味で)「若返り」や「不老長寿」を実現するために政府が何をすべきかについてもっと考えても良いのではないかと思います。(「若返り」や「不老長寿」が馬鹿げていると言うのであれば、サーチュイン遺伝子やレスベラトロールのニュースがあれほど多くの医学研究者の注目を集め、一大ビジネスにもなっているのは何故でしょう?)
ところでこの本、Amazonでも購入できますが、下記の発行所に直接問い合わせても購入できます。
「1日でも、いや、1時間でも早く入手したい」「時間短縮のために多少の出費は厭わない」という人はAmazonで注文しても良いかと思いますが、
「1週間や2週間ぐらい待ってみてもどうという事は無い」という人は発行所に直接問い合わせた方が、たぶん総合的な満足度が高くなると思います。
◆たそがれの時代◆
佐賀新聞社取材班 編
発行所 佐賀新聞プランニング (佐賀市天神3-2-23)
(電話 0952-28-2151 もしくは 0952-28-2152)
定価:500円(税別)
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