「人食いバクテリア」とも呼ばれる劇症型溶血性レンサ球菌感染症の2023年の患者報告数が過去最多となり急激に症状が進み、致死率は3割だという。
つまり、発症すると約3分の1の確率で死ぬことになる。
病原性や感染力の高い株が国内でも相次いで、感染の拡大が確認されている。
厚生労働省は17日、患者から採取した検体の解析を進めるよう自治体に依頼したようだ。
主な病原体はA群溶血性レンサ球菌という細菌で、感染すると年齢を問わずまれに劇症化することがあり、劇症型の初期の症状は咽頭痛や発熱、下痢・嘔吐(おうと)、全身の倦怠(けんたい)感などだが、多臓器不全や呼吸不全などを起こし、発症から数十時間で死亡することもあると報告されている。
致死率は3割とされる30代以上が多く、高齢者が大半を占めているようだ。
筋肉周辺の組織を壊死(えし)させることから、「人食いバクテリア」とも呼ばれ、通常は菌が検出されない血液や髄液などに菌が侵入し、多くの臓器の機能が急激かつ劇的に低下するのが特徴のようだ。
劇症型を引き起こすのは、A群のほかG群など複数あり、感染研によると、A群の50歳未満の死者数が増え、23年7〜12月中旬に報告された50歳未満の患者65人のうち21人が死亡、致死率は高い。
感染経路は手足の傷口からの感染が知られているが、まだわからないことが多い。
感染症に詳しい専門家の話によると「なぜ劇症型になるのかなど、はっきりとわかっていないことも多い。手を洗ったり、傷口を清潔に保ったりするなど、一般的な感染症対策をしてもらいたい」と説明している。
2024年01月17日
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