日本でも「おしっこを飲んで健康になれる」といった話題がメディアでも取り上げられたことがあった。
その「飲尿療法」について、ボンド大学のクリスチャン・モロ氏らが尿を使う上での安全性とその理由についての解説だ。
尿の使用の歴史は古く、古代エジプト人や古代中国人などは戦いの傷を癒やしたり、歯を漂白したりなど、さまざまな病気の治療薬として尿を用いていたと伝えられているようだが、こうした使い方は医学的に代替する手段がない場合に限られていて、現代でも病気の治療に尿を用いることを推奨する人もいるという。
尿の成分は95%が水で、2%は尿素、残りはクレアチニン、さまざまな塩やタンパク質などが含まれ、尿に含まれる尿素には保湿効果といったさまざまな効能があるが、尿中の尿素の濃度は低いため治療上の利点は少なく、また、排泄された尿には毒素や化学物質、場合によっては病原性細菌などが含まれている可能性があり、摂取すると深刻な下痢、吐き気、おう吐、感染症などを引き起こすおそれがあるいう。
体内には無数の細菌が常駐し、体内で尿を蓄える膀胱にも存在しているという研究があり、排泄される尿も無菌ではないことが指摘されているらしい。
2010年の研究において、現代ではさまざまな病気や問題に対し、尿を飲んだり治療に用いたりすることは化学的根拠がないことが指摘された。
「肝心なのは、飲尿療法には科学的に裏付けられた効能がないということです」とクリスチャン・モロ氏らは解説している。
2022年10月31日
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