新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は年齢が高い人ほど重症化しやすいことが広く知られているが、これまでの研究で肥満や大気汚染、統合失調症など、多様なリスク要因が存在していることが判明し、さらに「空気中の花粉の量が増えると新型コロナウイルスに感染するリスクが高くなる可能性がある」との研究結果が、米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された。
花粉は気道の細胞に存在する「抗ウイルス反応を示すタンパク質」に干渉し、インフルエンザウイルスなどの呼吸器系ウイルスに感染しやすくさせるとのこと。
研究チームは、ヨーロッパ・アフリカ・アジア・北アメリカ・南アメリカ・オセアニアなどに存在する248カ所の花粉監視サイトが収集したデータと、その地域における新型コロナウイルスの感染者数データを入手。
これらのデータを分析し、空気中の花粉量が新型コロナウイルスの感染者数とどのように関連しているのかを、2020年3月〜4月の期間で調査したという。
分析の結果、花粉の量が増加した4日後に新型コロナウイルスの感染率も増加することが判明し、各国で見られたCOVID-19の症例率の変動は、平均して44%が花粉の暴露に関連していたと述べている。
一般的にアレルギーを起こさないタイプの花粉でも新型コロナウイルスの感染率増加と関連していたそうだ。
今回の研究結果から、「花粉が多い日はできるだけ屋内にとどまり、花粉への暴露を制限するようにしてください」と述べ、屋外に出る際はマスクを着用して花粉が呼吸器に入るのを防ぐことも重要だとアドバイスしている。
2021年03月12日
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