内閣府が17日発表した2020年4〜6月期の国内総生産の速報値は、物価の変動を除いた実質で前期比7・8%減、この状態が1年続いた場合の年率換算は27・8%減となり、リーマン・ショック後の09年1〜3月期の年率17・8%減を上回る戦後最悪のマイナス成長を記録したことを発表した。
新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急事態宣言で個人消費が大きく落ち込み、世界的な感染拡大により輸出も急減して内外需ともに総崩れだったとされる。
安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」は瀕死の状態だ。
足元の深刻な不況は新型コロナウイルスの感染拡大と、後退局面に入っていた令和元年10月に消費税の増税を強行した“判断ミス”が原因だ。
自民党総裁の任期満了を来年に控ている。
そこで自民党内で取り沙汰されるのが、景気刺激に向けた時限的な消費税減税だ。
消費税減税を大義名分に早期の衆院解散に踏み切るのではとの臆測がある。
英国やドイツなどは、コロナ禍で既に日本の消費税に相当する付加価値税の減税に踏み切った。26年11月の衆院解散では消費税率10%への増税を先送りするか否かが総選挙の大義名分となった経緯があり、景気後退期に引き上げてしまった税率を下げるなら、十分な口実になるというわけだ。
ただ、安倍首相は月刊誌「中央公論」9月号のインタビューで消費税減税論には否定的な考えを表明している。また、英国はリーマン・ショック直後の2008(平成20)年末に付加価値税を時限的に引き下げたが、10年1月に元の水準に戻し、翌年にはさらに増税している。仮に日本で減税が実現したとしても、補正予算を含むコロナ対策の莫大(ばくだい)な財政支出を回収するため終息後に東日本大震災の復興増税のような増税とセットになる可能性がある。
衆院解散選挙は次元的な消費減税か!? その後、選挙で勝てば大増税だ。
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