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2016年03月01日

ウナギの故郷はグアム

ウナギは海で生まれて川に登って育つという習性があります。日本にやってくるウナギも海からやってくることは間違いない事実でした。しかし、具体的にどこで産卵して、どのようにやってくるのかは2006年になってようやく明らかになりました。

ウナギの故郷はグアム島に近い『スルガ海山』という海中にある山です。水深3,000mの深い海の中に400mほどの山が出来ているのですが、そこで1,000万個ほどの卵を散乱します。卵は海面に浮かび、やがて孵化します。そして、黒潮の流れに乗りながら成長し、日本にたどり着く頃にはシラスウナギ(稚魚)となっているのです。

日本で5〜12年かけてゆっくり成長し、少しずつ大きくなります。そして、繁殖のために再びスルガ海山に向かうのです。

元々、ウナギ自体は熱帯の生き物だったのですが、次第に温帯ウナギへと進化した種も存在しています。熱帯であるスルガ海山で産卵して、生育は温帯である日本という不思議な体質を持っています。日本とグアムの距離はおよそ2,500kmあります。非常に長い旅を続けてウナギは日本にやってきて、産卵のために再び去っていくのです。

ウナギが川から離れた沼地に住んでいる理由
ときどき、ウナギが川から離れた池や沼地で釣れることがあります。「海から川に向かっているのにどうして?」と思うことはありませんか?

謎だらけの生態のウナギですが「地上を這うことができる」ということは分かっています。例えば、岩を登ったり断崖も這ったりすることが出来るため、ある程度はどこへでも行くことができるのです。

ウナギはちょっとした水分があればどこへでも行きます。したがって、池や沼に住んでいることもあるのです。

土用の丑の日は全くのデタラメだった?



夏になると「土用の丑の日だからウナギを食べよう」というキャッチコピーを見かけます。例えば、スーパーやコンビニ、鰻屋さんなど、様々な場面で出くわすものだと思います。

しかし、多くの人は「なぜ、土用の丑の日にウナギを食べるのか」その理由を知りません。ただ、昔から言われているということは事実です。

実はこの習慣、江戸時代に発明家の平賀源内が広めたものだと言われています。これは、知り合いの鰻屋に対して授けたキャッチコピーなのです。つまり「土用の丑の日=ウナギ」という根拠はどこにもなく、単純に語呂が良いとか、印象深いからとか、そのような理由で付けられたのです。

もっとも、ウナギには栄養素が豊富に含まれており、夏バテの解消や体力回復、その他いろいろな症状に関して改善効果があることで知られています。夏場にウナギを食べることは健康に良いことは間違いないのです。

ウナギを切腹させてはならない

元々、ウナギは関西から広まった料理です。当時は腹から開くという調理法でした。

しかし、江戸時代になると「ウナギを腹から開く調理法は切腹と同じようなものだからよくない」と言う考え方が流行しました。そこで、ウナギを背中から開くという考え方が中心になりました。特に関東ではウナギは背中から開くことが基本ですが、現在はどちらの開き方も一般的となっています。

ただし、これには諸説あって、ウナギの腹開きは相当な料理人でなければ難しいという説もあります。関西には腕の立つ料理人は多かったのですが、関東にはそれだけの料理人がいなかったとも言われています。

ウナギに山椒を合わせる理由






ウナギといえば「山椒(さんしょ)と合わせて食べるもの」とイメージする人も多いのではないでしょうか?事実、土用の丑の日に食べるウナギは山椒を合わせて食べることが習慣になっています。

その理由には山椒が食欲増進や消化の促進に効果的な薬味だから、という背景があります。夏バテしやすい時期ですから、胃腸を刺激してその機能を改善する山椒は非常に効果的であると言えます。

また、刺身にわさびや生姜が添えられるように、臭み消しや味を整える効果も期待できます。油っぽく匂いの強いウナギを美味しく食べるためには山椒が欠かせないと考える人も多かったのです。
posted by AZARASHI at 13:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品
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