このような技法は撥鏤(ばちる)と呼ばれ、
奈良時代に中国から伝わりました。
正倉院に撥鏤「尺」、「碁石」などが所蔵され、
今日に至っています。
この技法で表に蓮を、裏に天を舞う菩薩像を彫りました。
蓮は泥の中から美しい花を咲かせることから、
仏教の象徴とされています。墨書銘は「満月」です。
【撥鏤とは】
象牙といえば、大変希少で硬質感や気品のある色合いが特徴ですが、
奈良時代に中国から伝わった「撥鏤」は、象牙本来の色は用いずに、
染め・撥ね彫りを施し、より華のある趣に仕上げます。
そんな独特の美しさを醸し出す「撥鏤」は伝わった当時、
象牙や染料は殆どが輸入物であり、
撥鏤技法を施した製品は大変高価なものでした。
一部の貴族のみが知る贅沢な美だったことと思います。
象牙根付 天平 鈴木鈴 作
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