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【画像あり】シンプルな歯磨きのイラスト手順表【絵カード活用の実例】
2017年08月08日
【画像あり】シンプルな歯磨きのイラスト手順表【絵カード活用の実例】
シンプルな歯磨きのイラスト手順表【絵カード活用の実例】
【この記事を3行で要約】
お金をかけずに作成した。
歯を磨く順番をイラストで示す
支援グッズです。
目 次
1. 歯磨き支援グッズ|イラスト手順表のコンセプト
2. 無料でダウンロードできる「絵カード」を活用
3. イラスト手順表【その1】
4. イラスト手順表【その2】
5. 使ってみた体験談
歯磨き支援グッズ|イラスト手順表のコンセプト
(1) 対象となる人
・発達障害や自閉症スペクトラムなど、障害のある人
・歯磨きを練習している小さなお子さん
・歯磨きが苦手なお子さん
・歯磨きが雑で、よく虫歯になるお子さん
(2) 置き場所
・洗面所など、歯磨きをする場所
(3) 使い方
・手順書を見ながら、歯磨きをする。
(4) コンセプト
・お金をかけずに作成する。
・作成が簡単である。
・洗面所に置ける。
・シンプルなイラストで、手順をわかりやすく示す。
・初めは、そばの大人(または支援者)が言葉がけをする。一緒に練習する支援グッズ。
・慣れたら、自分で手順書を見ながら歯を磨く。自立を促すお助けグッズ。
無料でダウンロードできる「絵カード」を活用
手順表で使うイラストは、
インターネットで探せば
無料でダウンロードできるものがあります。
イラスト手順表【その1】
作り方
@ 歯磨きの手順を示すイラストデータをインターネットで探す。
A 手順の順番通りに、イラストを一列に並べる。
・この記事では、Wordを使って作った。
・Excel、一太郎などのパソコンソフトを活用してもよい。
・ソフトを使わずに、はさみ、のり、手書き文字でも、手作りの温かみがあるものができてよい。
「上」から「下」に「一列に」イラストを並べると
やる順番がわかりやすく
次にやる箇所も
理解しやすいだろう。
自分で作成することで
お金をかけなくても、歯磨きの手順表は作れました。
B ラミネート加工した。
・防水のためです。
・表面がテカテカしているのは、ラミネート加工したためです。
・ホームセンターの事務コーナーで、ラミネートフィルムとラミナーターは販売されている。
・防水が目的なので、100均のクリアファイル等でもよい。
アレンジ1 台紙を貼る
台紙といっても、
本当に紙だと水に弱いので
プラスチック段ボールを使いました。
プラスチック段ボール(通称プラダン)は100均で買えます。
アレンジ2 「仕上げ磨き」を付け加える
最後に「仕上げ磨き」の項目を
付け加えたバージョンになります。
アレンジ3 その他
収納や掲示を考えたときの
工夫をご紹介します。
歯磨きをする時に
手に持って使うのではなく
手順表を壁に掲示したり、
壁掛け収納をしたりする場合もあるかと思います。
その場合は
・ 手順表の上部に穴を開ける。フックに掛ける。
・ 手順表の裏にマグネットシートを貼る。金属に付く。
などの工夫が考えられます。
テープや画鋲を使わないので、
壁面を傷めてしまうような心配がありません。
イラスト手順表【その2】
机に置けるバージョンです。
さらに、
「1つ1つ、歯磨きの手順カードをめくる」
仕様になっています。
※1つ、1つ手順カードをめくるメリット、デメリット
手順表(その1)を使ったときに
途中で、集中力が切れて
どこまでやったか、忘れてしまう。
そんな場合に有効です。
1つ、1つ、確認してめくることで
確実に取り組めます。
デメリットは
手順表(その1)のような
1列に図が並んだ表で
わかる人にとっては
めくるという動作が
少し面倒くさくなるかもしれません。
三角形の土台は
プラスチック段ボール(通称プラダン)を
使いました。
上部に穴を開けて
リングを通します。
このリングは100均で売っています。
使ってみた体験談
体験談
小6の自閉症の男の子 Aくん
Aくんと歯磨きをするときには
手順表(その1)を使って取り組んだ。
自分で歯磨きをした後に
大人が仕上げ磨きをするという流れである。
当初より
Aが自分で歯を磨くときは
短い時間でやめてしまう傾向にあった。
強制して長く続けさせようとすると
逆に抵抗する反応になった。
そこで
手順表(その1)を指差しながら
「1,2,3・・・10」と
ゆっくり10秒数えるまで
図の箇所を磨くという方法をとった。
磨く箇所は@〜Eまであるので
それを6回、繰り返す。
すると
やることの見通しがついたのがよいのか
そのやり方は納得して、継続できたのである。
たった10秒?と思われるかもしれないが
自閉症の子にとって
これは、とてつもなく大きな進歩である
このやりとりが成立した後には
歯磨きにかける時間を延ばし、
次なるステップへと導くテクニックがある。
この子の場合
2つのテクニックを使った。
テクニック@
「1〜、2〜、3〜・・・」と、さらにゆっくり数える。
テクニックA
「今日は10までの数の代わりに、短い歌にしよう」と言う。
こうすることで
あまり意識しないでも
自然に歯を磨いている時間が
延びたのである。
仕上げみがきのときも
同様に
手順表(その1)を指差しながら
取り組んだ。
そんな様子を見た
お母さんの驚きの言葉が
今でも忘れられない。
母親
「うちの子、歯磨きを
すごい嫌がってやらせてくれないでしょ?」
「え!?本当に!?
どうやったのですか?え〜!?」
やり方を説明し、よければ
ご家庭でも使ってみてくださいと
手順表(その1)を渡す。
後日
「家でもできました♪
すごいですね!歯磨きのときはいつも
怒れちゃっていたのに、あっけないほど
すんなりでした〜♪」
落ち着いている感じのお母さんが
トーンの高い様子で話してくれた。
中1の自閉症スペクトラムの男の子 Bくん
Bくんと歯磨きをするときには
手順表(その2)を使った。
「うちの子は、歯磨きを嫌がる。逃げます」
と、最初に母親から聞かされた。
実際に接してみると
ほんのちょっとだけ
歯磨きをしたかと思うと
「もうやったよ。終わったよ」
と言う。
ひどいときは
やっていないのに
「歯磨きをやったよ」
と(すぐにばれる)嘘をついた。
しばらくのやりとりを経て
「1、2、3・・・10」と数える間
歯を磨くという話にのってくれた。
自分で磨いているときに
目をつぶり、眉間にしわを寄せた
すごく痛そうな表情で取り組んでいた。
もしかしたら
感覚過敏などの原因により
歯茎に当たるブラシが痛い
可能性があるかもしれない。
仕上げ磨きをやろうと言って
口唇に触ろうとすると
とても過敏に反応して
十分やらせてくれない。
彼の場合
指示理解も高いので
まずは
「自分で磨く」やり方を
高められるように
歯磨きの方法を練習した。
その後
母親と話をすると
自分で歯磨きの練習に
時間をかけて取り組めたことに
驚いていた。
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