通学通勤で良く利用した電車だが、体調に不安があったため景色を見る余裕は無かった。
買い物をサッと終え、帰りの電車に乗ると高校時代の友達に声を掛けられた。
友達、「覚えてる?」
私、「覚えてるわよ」
友達、「貴方、全然変わらないわね(笑)」
私、「貴方こそ、全然変わらないじゃない(笑)」
歳を取ると、平気でウソが付けるようになった。
私、「どこに住んでいるの?」
友達、「結婚をして尾張旭に住んでる」
私、「えーそうだったの、私も尾張旭よ」
友達、「えー本当に!?」
「尾張旭のどこに住んでいるの?」と聞けなかったのは、体調に不安があり、家に遊びに来られたら困るから。
尾張旭の駅で立ち話をしていると、女の子を乗せたバイクがやって来た。
私、「貴方、高校生の時、暴走族の男の子と付き合ってなかった(笑)?」
友達、「暴走族じゃないわよ、走り屋の彼よ(笑)!」
友達は、走り屋の男の子と付き合ってはいたが、名門の国立大学に進学した。
バイクでやって来た女の子が、私達オバサン二人に気付くと、ニコッと微笑み会釈をしてくれた。
女の子が電車に乗るのを見送ると、バイクを運転する男の子は私達オバサン二人に会釈をしてくれた。
友達、「そう言えば、貴方こそ、暴走族の男の子と付き合ってたじゃない」
私、「暴走族じゃないわよ、ただのバイク好きよ」
ただのバイク好きの男の子と親しくしていただけだが、両親からはメッチャ怒られた。
その日の夜、高校時代の共通の友達に電話をすると、昼間に会った友達は、現在、名古屋の病院に通院していることが分かった。
辛いのは私だけじゃない、と思う反面、鏡に映る私はやつれて見えた。
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