2019年01月10日
『ボヘミアン・ラプソティ』ゴールデングローブ賞受賞!
2019年1月6日(米国時間)。第76回ゴールデングローブ賞において、『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)が作品賞・主演男優賞(ドラマ部門)を制しました。
アカデミー賞の前哨戦とも言えるゴールデングローブ賞。たとえ本作のファンであっても、作品賞を獲ることまでは予想していなかった方は少なくなかったはずです。私も驚きました。
実は『ボヘミアン・ラプソディ』は、実は製作トラブルに見舞われた作品でした。
2017年12月、監督としてクレジットされているブライアン・シンガーが20世紀フォックスによって解雇されていたことは、あまり知られていません。
理由はシンガーが撮影現場に現れなくなったからだとも、出演者やスタッフがシンガーの振る舞いに耐えきれなくなったからだとも、主演のラミ・マレックとシンガーが衝突を繰り返したからだともいわれています。
その後、残り約2週間の撮影で監督を務めたのは、エグゼクティブ・プロデューサーにクレジットされたデクスター・フレッチャーでした。(監督クレジットはシンガーのまま)
授賞式にシンガー監督の姿なく
映画公開時のプロモーションに登場しなかったシンガーは、当然のごとくゴールデングローブ賞の授賞式にも姿を見せませんでした。
そればかりか、壇上でスピーチしたラミ・マレックとプロデューサーのグレアム・キング氏の口からもその名前が出ることはありませんでした。
二人はクイーンのメンバーであるブライアン・メイとロジャー・テイラーに感謝を述べ、関わった全員を労いながらも、シンガーの名前は一度も出しませんでした。
授賞式のあと、シンガーはInstagramにて『ボヘミアン・ラプソディ』の舞台裏写真とともに「光栄です、ありがとうございます」とのコメントを発した。少なくともこの写真からは、「I Want to Break Free」のミュージックビデオ撮影シーンがシンガーによって撮られていたことがわかります。
解雇の真相は明かされず
シンガーは解雇を受けたあと、『ボヘミアン・ラプソディ』からの降板は不本意であるとの意志を示した声明文を発表しました。
シンガーが自身と家族の健康問題のために休養を求めたところ、フォックスは申し出を渋々受け入れたのちにプロジェクトから降板させたといいます。両者の主張は噛み合っておらず、真相はいまだわかっていないのは実情です。
米Entertainment Weekleyによれば、ゴールデングローブ賞の舞台裏では、ラミ・マレックとプロデューサーのグレアム・キング氏に対して、スピーチでシンガーへの言及がなかったことについて記者からの質問が相次いでいたそうです。(そりゃそうでしょう)
ただし、キング氏は「今夜お話しするべきことではありません。全員それぞれが力を合わせ、この物語のために情熱を尽くしたんです」とコメント。マレックは「私たちに唯一必要なのはフレディ・マーキュリーを称えること。[中略]彼にふさわしい愛情、祝福、賞賛を与えるんです」とだけ答えたそうです
次はアカデミー賞??
なにはともあれ、『ボヘミアン・ラプソディ』は製作トラブルを感じさせないほどの成果を、批評・興行の両面で収めることに成功しました。来たるアカデミー賞でも、主演のラミ・マレックがノミネートされることはもちろん、作品賞へのノミネートも期待できますね。
日本では2018年最大級の“お祭り”となった本作の今後を、これからも楽しみながら見守りたいと思います。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』は2018年11月9日(金)より全国の映画館にて公開中です。
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