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2015年07月09日

4人死傷ひき逃げ 懲役22年の判決


去年7月、北海道小樽市で酒に酔って正常な運転が困難な状態で車を運転し、女性4人をはねて3人を死亡させたとして、危険運転致死傷などの罪に問われた男に対し、札幌地方裁判所は「通常では考えられないほど無謀で危険極まりない運転だ」と指摘して、検察の求刑どおり懲役22年の判決を言い渡しました。

札幌市西区の無職、海津雅英被告(32)は、去年7月、小樽市の路上で酒に酔って正常な運転が困難な状態で車を運転し、海水浴帰りの女性4人をはねて、3人を死亡させ1人に大けがをさせたとして、危険運転致死傷とひき逃げの罪に問われました。
先月から行われた裁判員裁判で、海津被告は「正常な運転が困難だったわけではない」と、危険運転致死傷の罪については否認していました。
9日の判決で、札幌地方裁判所の佐伯恒治裁判長は「当時、被告は7時間半近くにわたって酒を飲み続けて、酔いが残っていたのに、スマートフォンの画面を見るため15秒程度下を向き続けるという運転は、よそ見というレベルをはるかに超える危険極まりない行動だ」として、危険運転致死傷罪に当たると指摘しました。そのうえで、「通常では考えられないほど無謀で危険極まりない運転で、被害の大きさはこれまでの例を相当上回る重みがある」と述べ、検察の求刑どおり、ひき逃げの罪と合わせて懲役22年を言い渡しました。
海津被告は、当初、酒気帯びの状態で事故を起こしたとして起訴されましたが、女性の遺族などが7万人を超える署名を集めたことを受けて、検察は再捜査をした結果、被告は酒に酔って正常な運転が困難な状態だったと判断して、より罪が重い危険運転致死傷罪に変更する手続きをとっていました。
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遺族「判決受け入れ控訴しないように」

判決のあと、事件の被害者の遺族たちが記者会見を開き、このうち亡くなった原野沙耶佳さんの(当時29)父親の和則さんは「これまで署名活動に協力してくれた皆様のおかげです。海津被告には、申し訳ないという気持ちがあるのなら判決を受け入れて控訴しないでもらいたい」と話していました。
また、瓦裕子さんの(当時30)母親の明子さんは「求刑どおりの判決が出たことは非常にうれしく思います。今まで娘の遺影を見るのがつらくて向き合うことができませんでしたが、きょうは家に帰って娘に結果を報告したいと思います」と目に涙を浮かべながら話していました。
石崎里枝さんの(当時29)母親の日出子さんは「1周忌の前に判決が出てよかったです。これから明るく生きていかなければ娘も悲しむと思うので気持ちを立て直していきたいと思います。海津被告には22年という刑を受け入れて償ってほしい」と話していました。

一方、海津被告の弁護士は「判決は弁護側の主張する事情に触れずに判断がなされていて、残念な結果だと考えている。控訴するかは被告と相談したうえで判断したい」としています。
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