第6回 当座預金・当座借越
1.当座預金取引について
会社の金庫には現金を基本的に置かない。危ないですから。現金の入金があったら銀行に預け、支払いは銀行を通して行うことが最善です。
その為には、銀行と契約して専用の口座を開設する必要があります。これが当座預金とよばれる口座です。銀行に当座預金口座を開設すれば入出金事務の代行をやってもらえます。やってもらうわけですから利息は付きません。
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あらためまして当座預金とは、会社が銀行に支払決済をしてもらうために開設する無利息の預金口座です。
預金といった場合、一般的には普通預金を思い浮かべるかと思いますが、当座預金は、他の預金と違い無利息の預金で、お金を引き出すのに銀行から交付された小切手を使用するのが特徴です。これを、小切手を振り出すと言います。
<小切手見本>
<小切手の会計処理をまとめれば以下のようになる。>
@自己が小切手を振り出したときは当座預金の減少として処理する。
A自己振出小切手を受け入れた場合には当座預金の増加として処理する。
B他人が振出した小切手を受け入れた場合には現金の増加として処理する。
C他人が振出した小切手を仕入れた商品などの支払いにあてたときは現金の減少として処理する。
2.銀行との便利な契約である当座借越取引について
小切手は、当座預金残高を超えて振り出せないのは当然ですが、比較的頻繁に行われる取引ですので、残高が不足していると振出せないのは不便です。そこでよく行われるのが、あらかじめ銀行と「当座借越契約」を結んでおいて当座預金残高を超えて、もちろん限度はありますが、借入限度額までは、小切手を振り出すことができるようにしています。これはとても便利な仕組みです。
そして、決算時に当座預金勘定が貸方残になっていたら、当座預金残高を超えて銀行から借り入れて小切手を振り出したことになり、負債の増加となります。
この時に処理する勘定科目を「当座借越(負債)」といいます。
決算時に当座預金勘定が貸方残になっていたら「当座借越勘定」あるいは「借入金勘定」に振替ます。