2015年11月15日
話題の本「君の膵臓をたべたい」。とにかく本のタイトルが気になって。読んで良かった。
価格:1,512円 |
いつも何かしら本を読んでいる私ですが、良い意味でこんなに期待を大きく上回ってくれた本は久しぶりのような気がします。
「君の膵臓をたべたい」
本好きな方ならこのタイトルや表紙は絶対一度は耳にしたり目にしたりしたことがあるはず。
私は新聞広告でこのタイトルを目にしてからというもの、本の帯にあるコピーと、ある意味衝撃的なこの作品タイトルとのギャップが頭から離れず、ずっと気になっていましたが今回やっと読むことが出来ました。
ちなみに帯のコピーは
「読後、このタイトルに涙する」「ラスト40ページは涙、涙、涙」
などなど。。
この作品タイトルで、どこをどうしたらこの感想になるの?!
というこの作品への興味、が一番でしたね。
作者は「住野よる」さん。
(以前は「夜休みの黒子」、「夜野やすみ」と名乗っていたことも。)
今年の6月19日に双葉社より発売。
初版から重版され、9月に20万部を突破したとのこと。
(ちなみに又吉さんの「火花」は8月で209万部!これはこれですごい!)
そして驚きなのが、この作品がデビュー作だということ!これにはびっくり!元々は小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿された作品が話題となり書籍化された、という異色の作品です。
(「小説家になろう」サイトではすでにこの作品は削除されています)
私はこういった諸情報を知らずにとりあえず読んでみました。
誰にも興味を持たず、誰からも興味を持たれず、いつも一人でいた「僕」。
「僕」がたまたま病院で拾った「共病文庫」という名の日記。
その持ち主であるクラスメート「桜良(さくら)」が家族以外誰にも話していない秘密を知る事になる。
「僕」とは正反対の、クラスでも人気者で太陽のように明るい「桜良」に振り回される、何気なくて儚くて宝物のような日常。
そして読者を裏切る衝撃の結末ー。
内容は完全なる青春小説。タイトルの意味は早い段階からわかりますが、読み進むに連れて深みを増します。
そして私は読みながら、この作品が「ライトノベル」と呼ばれるジャンルに分類される作品だと気づきました(今さら〜?!)
本好きな人にはもしかしたら少なくないのかもしれませんが、私もラノベは避ける方。
何というか、中高生向け感が否めなくて横山秀夫や雫井修介、道尾秀介、薬丸岳や貴志祐介、、などばっかり読んでる私(それもミーハーですが)にはちょっと物足りないんじゃないか?と勝手に思い込んで完全に眼中にはなかったんですよね。
(お好きな方すみません、ラノベ、私も学生の頃は少しは読んでいたんですが汗)
しかーーーし!「君の膵臓をたべたい」がラノベだと気付いても、もうそんなことどうでもいい!という感じでどハマりしていました。。
そうです、いわゆるイッキ読み。
もちろん文章の読みやすさ、というのが一番の要因だろうと思いますが、とにかく主人公の二人の会話のテンポの良さ、面白さが半端ない!
どんどん、次を読んでしまいたくなるんですね。
それと、初めは「?」と思うんですが、「僕」の名前が一向に出てこず、登場人物から「地味なクラスメイト」くん、「大人しい生徒」くん、などその人にとっての「僕」の立ち位置での呼ばれ方をします。
(もちろん、実際は名前を呼ばれています)
その手法?が新鮮で変化していく様も興味深かった!
そしてこの小説の最大の魅力は、
「桜良」からの絡みに対する「僕」の受け答えのセンスの良さ!
もう、モロ私好み〜!!
恥ずかしながら、いい歳して高校生の主人公の「僕」に恋をしてしまいました・・・。
いや、この気持ちは読んで頂けたらわかります!
「住野よる」さん、PNだけでは性別がわかりませんが、私は「絶対に男性だ!」と確信しました。
(もちろん、男性でした)
この歳だからこそ、青春と呼ばれる時間の儚さ、尊さ、輝きが心に沁みます。
友達でもない、恋人でもない二人の関係にキュンキュンします!
そして、若い世代にはもう聞き慣れ過ぎて無感動になりつつある、「命の尊さ」「仲間の大切さ」をもう一度考えさせてくれる作品だと思えます。
私はこの本を大きくなった自分の子供たちに読ませたい。
デビュー作だから専門の方々からすれば、少し幼稚で雑な文章であることは否めないかもしれませんし、好き嫌いもあるかもしれません。
でも人並みには読書をしている私でも、ここまで印象に残った作品は久しぶりです。
読み終わった後の余韻がものすごくて、次に何を読むか?まで影響を及ぼした作品は初めて。
もし、少しでも気になる方がいたら、読んで損はないと思うのでぜひ!
きっと「キミスイ」のとりこになります(笑)
価格:1,512円 |
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