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2013年04月08日

暗かっこいい若大将の青春

a.さあ、地元のサクラもおおかた見頃を過ぎたし、大物中の大物、ベートーベンに入ろう、

b.ベートーベン、クラシック音楽がいちばん青春だったころだ、

a.ちょっとやそっとの不幸、若さが跳ね返すんだ、青春だからな、

b.しかし、ここで紹介するクレンペラー盤は、いずれも70歳過ぎてます、それでも青春なんすか、

a.ココロは永遠に17のままだ、分からん奴やなあ、

b.煎じ詰めると、どれがお勧めなんすか、

a.ベートーベンの第7シンフォニー(1968年の録音)は何度かもう取り上げたけど、あと言うまでもなくミサ・ソレムニス、他にはピアノ協奏曲第3番と合唱幻想曲、序曲は「レオノーレ」の1〜2番や「献堂式」「フィデリオ(1962年の録音)」あたりは無敵、

b.どこから行きますか、

a.ピアノ協奏曲第3番、これほど深く掘り下げた内容の濃い演奏はこれからも不可能じゃないのかなあ、

b.まだ20代のピアニストだったバレンボイムをソリストに迎えて1から5番と合唱幻想曲を録音してます、おおかた1967年10月にまとめて、

a.そのなかで、決定的に素晴らしいのがこの三番と合唱幻想曲のふたつ、

b.どう素晴らしいんすか、

a.例によって最晩年のクレンペラー独特のユックリズムで最初から最後まで素晴らしいんだけど、特にまん中のゆっくりした楽章は、30歳のベートーベンとは思えないほど中身の深い音楽になってる、

b.全体に暗い曲なんすか、

a.第一楽章は得意のハ短調で、暗(クラ)カッコイイ、

b.暗カッコイイ?

a.不幸なんだけど、それを上回るパワーでこれを乗り越えていく青春の力、かっこええやろ、

b.はあ、ゆっくり静かな第2楽章は?

a.片思いの人がいるのかなあ、落ち着いた作曲活動の合間にふとその人の面影が脳裏をよぎって、ほの甘い瞑想に耽ってるような、

b.ロマンチックやなあ、やっぱベートーベンはクラシックの若大将っすね、で、フィナーレの第三楽章は、

a.クセが強いとか言って、クレンペラー敬遠気味だった父親だけど、この楽章はよほど気に入ってたのか、何度も聴いてた、ちなみにここからが一番入りやすい、

b.しかし、バレンボイムのボの字も無いんすが、

a.ピアニストの個性というより完全にクレンペラーの個性を聴くための演奏だけど、これはこれでいいんだ、お孫さんほど歳の離れた20代のピアニストだから、クレンペラーの解釈に素直に従うこともできたし、作曲当時のベートーベンと同じ若者の心で演奏できる、

b.YOUTUBEで全部聴けますわ、

a.じゃあ、いちばん親しみやすい最後の楽章からどうぞ、しかし、青春の音楽、若大将だなあ、ベートーベン、


YOUTUBEから
ベートーベン ピアノ協奏曲第3番の第三楽章
バレンボイムのピアノ、クレンペラー指揮ニューフィルハーモニア管弦楽団
http://www.youtube.com/watch?v=tSLlNkk1h4I&list=PLB58DB9122A318392



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