2018年02月26日
14年間、稼働し続けている火星探査機に世界が震えた!
2003年アメリカ航空宇宙局NASAは火星表面上で過去に水が存在したことを決定づける証拠探査を行うためスピリットとオポチュニティという2基の無人探査機を火星へ打ち上げた。
火星に着陸した2基の探査機は90日で稼働を停止すると予想されていたがスピリットは2010年まで約6年間にわたって稼働。
オポチュニティに関しては4500日異常経過した現在でも地球に向けて火星のデータを送り続けている。
なぜ、探査機は当初の予想をはるかに上回って稼働を続けているのか?
火星の地面は鋭い岩と険しい丘でおおわれており大量の塵を含んだ竜巻が地表を吹き荒らしている。
火星の平均気温は-55℃とされているが磁気と場所によって変動し最高で26℃最低だと-128℃まで低下するという。
非常に厳しい環境である。
NASAのウェブサイトによると探査機はゴルフカートほどの大きさで険しい地面を乗り越えられる6輪のロッカー・ボギーというサスペンションシステムによって転ばないように設計されている。
また、ボディの中に採用されているヒーターと温度感知センサーによって厳しい寒さの中でも稼働することが可能になっている。
科学者チームは火星に吹き荒れる風とチリやホコリによって数か月の間に動力源であるソーラーパネルを覆ってしまうと考えられていたが、実際は火星特有の強い風によってパネル表面に積もった砂埃吹き飛ばし動力源を維持することができたのだ。
火星探査機ミッションのマネージャーであるジョン・カラス氏は厳しい環境下で稼働できる技術的な設計と人知を超えた幸運によって想像もできない長寿を可能にしたと語っている。
2基の探査機に与えられた最も重要な目的は初期の火星の環境条件において水が存在した証拠や生命が存在する可能性を調査することだった。
そして、調査の結果太古の昔に湖や川があった形跡を発見することに成功したのだ。
さらにオポチュニティの最近の活動によってエンデバー・クレーターから火星に少量の粘土鉱物が存在する可能性を示したり不思議なゼリードーナツ型の岩を13日間にわたって撮影することに成功している。
思いがけない数々の発見を納めている探査機は現在までの走行距離が約50qに達し20万枚以上の写真や火星に関する大量のデータを地球に送り続けている。
NASAは現在今世紀中に早ければ2030年代に実現が期待されている有人ミッションに先駆けて時差代の火星探査機を開発している。
完成すれば、スピリット・オポチュニティその後継機にキュリオシティに続く新たな探査機になるだろう。
火星探査機のさらなる進展に期待しよう。
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