2018年03月04日
指紋認証はもう古い!新しい「生体認証」はこれだ!
セキュリティ保全の分野においては個人認識をする技術生体認証が重要視されている。
生体認証には顔・声紋・指紋といった身体的・行動的特徴に基づくものがある。
バークレイズは従来の個人識別番号とパスワードのセキュリチィーでは容易に破られてしまう可能性があるため指紋認証システムのTouchIDをスマホからネットバンキングを行う顧客向けに導入した。
だが、指紋を偽造する方法はなくはない。
極端な話その人物の指を切り落として使用したりセロファンで指紋を採取しそれを利用するなど方法があるのだ。
完全に不正を防ぐのは難しいだろう。
それが脳であればコピが容易でなくより高度な生体認証システムとして利用できるのではないかと有望視され開発が進められている。
高精度な認証技術
ここ数年で行われているいくつもの研究において脳紋(brainprint)は人によって異なり独自のものであると明らかにされている。
脳が考える方法は人それぞれであるゆえに、不正を防止するものとして脳の電気的活動をベースにする生体認識技術は確かなものであると有力視されている。
個人を特定するにあたり指紋は99.8%という精度である。
それに対して脳紋は当時の102人を対象にした実験で98%と指紋認証にかなり近い精度で特定できると明らかになっている。
近年ではFMRIという血流動態反応を視覚化する方法での測定で脳の活動を確認している。
脳紋認証装置の開発
しかし日常的な生体認証を行ううえではfMRIは実用的ではない。
なぜならコストがかかることや長時間スキャナーの中で動かずにいるという難しさがあるからである。
そのためEEGという脳はパターンを電極を通して測定する脳波計が注目され始めた。
しかしそのEEGも測定時にゼリーが塗られた電極付きのキャップを被っていなければいけないので楽ではない。
こうした難点から脳紋を利用する技術の実現が難しいとされていた。
所が最近では耳から脳波を測定できる一般的なイヤフォン型のものが開発された。
イヤフォンの表面に電極を組み込み使用するのだ。
脳波常に様々な情報を処理しているため脳波には雑音が混じっており測定は簡単ではない。
雑音を減らすための強力な演算能力が必要な技術もあるがなかなか難しかった。
しかしそれも今までほども問題ではなくなってきたのだ。
近年の目覚ましいスマートフォンの進化によりあらゆる演算能力をスマートフォンで賄えるようになってきたのだ。
脳紋の問題点
だが脳紋が未だに世間いっぱんに普及していない理由は幾つかある。
その1つとして双子には使えないという事だ。
なぜなら双子の脳波はほとんど同じパターンを示すからだ。
そしてもう1つこれが最大の問題なのだが脳紋が長期的に安定していないこと。
脳の接続は経験に応じて随時変化しているので一定に間隔で定期的に測定を続けなければいけないのである。
解決方法
特定の発信音を鳴らすイヤフォンを用いればこうした脳紋の変化を最小限に抑えらっることがイギリス、ケント大学の研究チームの調査から判明した。
この発信音が脳を落ち着かせ活動に対する集中力を高くさせると推測されているが発信音が脳に与える影響についてはまだ完全には明らかにはなっていない。
ニューヨークの銀行では内部システムなどにアクセスする際3つ以上の認証メカニズムを併用する多因子認証プロトコルがニューヨーク州金融サービス局の推奨により導入されるようになるだろう。
新しいサイバーセキュリティ基準を満たすうえでは指紋認証や声紋認証よりも脳紋の方がよりふさわしいと言えるだろう。
例えば指紋認証の場合セキュリティが破られてしまうと指紋は一生変化することがないため新しい指紋が用意することができない。
だが脳紋の場合異なる精神活動を用いれば新しく変えることができるのだ。
パスワードの代わりになる
例えばATMを利用する際に暗証番号を入力する代わりにイヤフォンを耳に入れATM画面に表示される個人識別番号を見るというやり方で従来の英数字のパスワードに代る役割を果たすことができる。
個人識別番号を見ることで変化する脳波を読み取りそれが認証されてATMを利用できるという仕組みである。
また無理やりパスワードを引き出そうとされる状況においてはストレスで正しい脳の働きをせず脳紋が変わり犯罪の防止にも役立つだろう。
脳紋を利用することにより他人の脳の動きをコピーすることの難しさからセキュリティに有効なのは明らかである。
特にセッキュリティが必要とされる場面では脳紋を多因子認証システムの代わりや一部として採用される可能性は高い。
もしかするとある日いきなり銀行から脳波を測定するイヤフォンが送られてくるかもしれない。
いろいろなところでパスワードを作ってしまい忘れがちな私にとっては昨今のセキュリティ=パスワードという流れが向いていない。
そんな人にはこの脳紋の採用は朗報なのかもしれない。
iPhoneなどの指紋認証は、その日の調子によって何度試してもロック解除できずその対策に全部の指の指紋を登録したり結局パスワードが必要になったりするのが面倒なのでパスワードが必要ない社会に変わっていくことを心から望んでいる。
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