2016年02月18日
懐かしいビーチボーイズのサウンド、原動力ブライアン・ウィルソンの悩める半生「ラブ&マーシー’15」劇場公開2015年6月
「Love and Mercyは、1988年にリリースされたブライアンの初ソロ・アルバムの冒頭を飾っていた楽曲。映画、あるいはテレビという間接メディアを通して映し出されるすさんだ世の中の光景を眺めながら、今夜もっとも必要なものは愛と慈悲だ…と、デビュー当時の美しく透明な歌声とはまるで変わってしまったしゃがれ声でブライアンは歌う。長い苦闘の日々を過ごしながら、ひたすら心の平静を願い続けた者ならではの無垢さが聴く者の胸を射抜く」とは、映画の紹介記事。
このラブ&マーシーは、愛と慈悲。「1966年には、傑作『ペット・サウンズ』を制作し、同年シングル盤『グッド・ヴァイブレーション』の大ヒットで、その天才的な音楽的才能を世に知らしめた。同時に、ブライアンのLSDなどへの薬物依存が増しており、音楽性にも大きな変化をもたらした。
しかし、渾身の作だった『ペット・サウンズ』が、その難解さから当時のファンに歓迎されなかったことや、次作の『スマイル』の制作が頓挫したことなどをきっかけに次第に精神に異常を来たし、スタジオに火を放とうとしたり、スタジオを訪問したキャピトル・レコードの重役夫人を悪魔呼ばわりしたり、レコーディング中に消防士の格好をするなどの奇行に走り出す。
やがて、自宅に引き篭って酒やドラッグ、過食におぼれ肥満化、自堕落な生活に浸り、バンドの活動にもあまり関わらなくなってしまうなど、彼の音楽キャリアは20年近く低迷の一途を辿る。『ペット・サウンズ』を絶賛していたポール・マッカートニーが自宅を訪れた際、家のロッカーに隠れていたというのは、当時の有名なエピソードである」とウィキペディアにあるが、ブライアンを管理しているのがユージン医師(ポール・ジアマッティ)だった。
過剰な薬物を飲ませ厳しく日常を監視し囚われの身になっているのがブライアン(ジョン・キューザック)だった。そういう状況を救うことになるのがキャデラックのセールスウーマン、メリンダ(エリザベス・バンクス)だった。
ブライアンと逃げ出すチャンスだと思ったとき、ユージンに見つかる。そこでユージンの本心が分かる。ユージンはブライアンの金が目当てだった。後にブライアンの病名も他の医師によって否定される。
ブライアンとメリンダは結婚して今は幸せのようだ。これは音楽映画ではない。当然作曲をするブライアンだから音楽が絡んではくる。
1960年代、大ヒットの「グッド・ヴァイブレーション」を夏の夕暮れによく聴いたものだ。この映画の題名になった「Love and Mercy」の歌詞を、映画の字幕から引用してみよう。
古びた映画館で頬杖をついて座っていた
スクリーンには暴力があふれている
今夜 必要なのは愛と慈悲
心からの愛と慈悲を、あなたとあなたの友達に
部屋でテレビのニュースと見てた
多く人が傷ついて、僕を恐れさせる
今夜 必要なのは愛と慈悲
心からの愛と慈悲を、あなたとあなたの友達に
ブライアンは愛と慈悲をメリンダから与えられた。その愛と慈悲がなければ、ブライアンは廃人同様の生涯だっただろう。余韻の残る映画だった。
この映画の監督ビル・ポーラッドは大金持ちの息子だ。父親は雑誌フォーブスのアメリカ国内の富豪ベスト400に入り、メジャーリーグ球団ミネソタ・ツィンズのオーナーでもある。
それではタイトルの曲「Love and Mercy」をどうぞ!
監督
ビル・ポーラッド生年不詳。プロデューサーが本業でこの作品ではじめて監督をした。ポーラッドがプロデュースした映画で私が観たのは’05「ブロークバック・マウンテン」’07「イントゥ・ザ・ワイルド」’11「ツリー・オブ・ライフ」’14「わたしに会うまでの1600キロ」
キャスト
ジョン・キューザック1966年6月イリノイ州生まれ。80年代のブライアンを演じた。
ポール・ダノ1984年6月ニューヨーク州ニューヨーク市生まれ。60年代のブライアンを演じた。
エリザベス・バンクス1974年2月マサチューセッツ州ピッツフィールド生まれ。
ポール・ジアマッティ1967年6月コネチカット州ニューヘイヴン生まれ。
DVDはこちらからどうぞ!
ラブ&マーシー
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