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2019年06月05日
“怒る脳”を鎮める「脳内物質」でイライラ解消!C
最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。
“怒る脳”を鎮める「脳内物質」でイライラ解消!C
セロトニン、オキシトシン――“幸せホルモン”で「怒りにくい人」に
2016/8/2 山口佐知子=ライター
「怒らずにいられた自分」を自分で褒めることも効果的
柿木隆介さん。自然科学研究機構 生理学研究所教授。
日本内科学会認定医、日本神経学会専門医。専門は神経科学。
著書に『どうでもいいことで悩まない技術』(文響社)、『記憶力の脳科学』(大和書房)など。
イライラしたりしているときは、まずはこれらの方法を試してみよう
「自分に合う対処法が見つかって、
怒りの感情が和らぐ効果を実感できたら、
その効果を意識することも大切です。
そして、『怒らずにいられた自分を褒める』ことを実践してください。
口に出さずとも、
『よく我慢できた』
『偉いぞ、自分』
などと心の中で褒めるだけでも十分です」(柿木さん)
「褒められることは、人間にとって快感のひとつ。
脳には快感を覚えると学習するという働きがあるので、
怒りの感情が生じるたびに抑制がききます。
こうした経験を繰り返すうちに脳が学習して、
徐々に怒りに振り回されないようになっていきます」(柿木さん)
なぜ「怒りやすい人」が増えているのか?
第1回でも触れたように、
最近は「怒りやすい人」が増えていると感じることが多くなった。
今の“怒りの現状”を脳の専門家である柿木さんはどう見ているのだろうか。
柿木さんは、現代人に怒りやすい人が増えたように感じる背景には、2つの変化があると考えている。
1つは、「小さな怒りの感情でも、すぐに言語化してしまうこと」だという
「今は怒りの感情を安易に表現するフレーズ(語彙)が増えたこともあり、
とっさに言葉として口から発しやすくなっています。
例えば、
「ヤバッ(ヤバイ)」
「うざっ(うざい)」
「はぁ?」
といったフレーズです。
これらのフレーズは、言う側と受け取る側で相当の温度差があります。
言う側はとくに罪悪感もなく、
反射的に口をついて出たとしても、
受け取る側には怒りの感情が芽生えやすいものです。
このため、原因はささいなことであっても、
『「怒りが怒りを呼ぶ』状態につながりやすいと考えられます」(柿木さん)
「『ハラスメント』に対する過剰な反応」
も怒りやすい人が増えた理由ではないかと柿木さんは指摘する。
「最近の日本では、
『パワハラ』や
『セクハラ』
『モラハラ』
といったハラスメントという概念が浸透して、
相手に訴えられることが怖くて、
怒りたくても怒れない状況が増えています。
そうした人たちの抑圧された怒りの感情が、
公共機関や官僚といった“公の人”に向けられやすいのでしょう。
また、『お客様は神様』という日本的な考え方も最近は少し行き過ぎにも感じます。
これも背景の1つではないでしょうか」(柿木さん)
柿木隆介(かきぎ・りゅうすけ)さん
自然科学研究機構 生理学研究所教授
柿木隆介(かきぎ・りゅうすけ)さん
1978年、九州大学医学部卒業後、
同大学医学部付属病院(内科、神経内科)、
佐賀医科大学内科に勤務。
1983〜85年、ロンドン大学医学部留学、
1993年より岡崎国立共同研究機構生理学研究所(現、自然科学研究機構)教授。
日本内科学会認定医、日本神経学会専門医。
専門は神経科学。
著書に『どうでもいいことで悩まない技術』(文響社)、『記憶力の脳科学』(大和書房)など。
“怒る脳”を鎮める「脳内物質」でイライラ解消!C
セロトニン、オキシトシン――“幸せホルモン”で「怒りにくい人」に
2016/8/2 山口佐知子=ライター
「怒らずにいられた自分」を自分で褒めることも効果的
柿木隆介さん。自然科学研究機構 生理学研究所教授。
日本内科学会認定医、日本神経学会専門医。専門は神経科学。
著書に『どうでもいいことで悩まない技術』(文響社)、『記憶力の脳科学』(大和書房)など。
イライラしたりしているときは、まずはこれらの方法を試してみよう
「自分に合う対処法が見つかって、
怒りの感情が和らぐ効果を実感できたら、
その効果を意識することも大切です。
そして、『怒らずにいられた自分を褒める』ことを実践してください。
口に出さずとも、
『よく我慢できた』
『偉いぞ、自分』
などと心の中で褒めるだけでも十分です」(柿木さん)
「褒められることは、人間にとって快感のひとつ。
脳には快感を覚えると学習するという働きがあるので、
怒りの感情が生じるたびに抑制がききます。
こうした経験を繰り返すうちに脳が学習して、
徐々に怒りに振り回されないようになっていきます」(柿木さん)
なぜ「怒りやすい人」が増えているのか?
第1回でも触れたように、
最近は「怒りやすい人」が増えていると感じることが多くなった。
今の“怒りの現状”を脳の専門家である柿木さんはどう見ているのだろうか。
柿木さんは、現代人に怒りやすい人が増えたように感じる背景には、2つの変化があると考えている。
1つは、「小さな怒りの感情でも、すぐに言語化してしまうこと」だという
「今は怒りの感情を安易に表現するフレーズ(語彙)が増えたこともあり、
とっさに言葉として口から発しやすくなっています。
例えば、
「ヤバッ(ヤバイ)」
「うざっ(うざい)」
「はぁ?」
といったフレーズです。
これらのフレーズは、言う側と受け取る側で相当の温度差があります。
言う側はとくに罪悪感もなく、
反射的に口をついて出たとしても、
受け取る側には怒りの感情が芽生えやすいものです。
このため、原因はささいなことであっても、
『「怒りが怒りを呼ぶ』状態につながりやすいと考えられます」(柿木さん)
「『ハラスメント』に対する過剰な反応」
も怒りやすい人が増えた理由ではないかと柿木さんは指摘する。
「最近の日本では、
『パワハラ』や
『セクハラ』
『モラハラ』
といったハラスメントという概念が浸透して、
相手に訴えられることが怖くて、
怒りたくても怒れない状況が増えています。
そうした人たちの抑圧された怒りの感情が、
公共機関や官僚といった“公の人”に向けられやすいのでしょう。
また、『お客様は神様』という日本的な考え方も最近は少し行き過ぎにも感じます。
これも背景の1つではないでしょうか」(柿木さん)
柿木隆介(かきぎ・りゅうすけ)さん
自然科学研究機構 生理学研究所教授
柿木隆介(かきぎ・りゅうすけ)さん
1978年、九州大学医学部卒業後、
同大学医学部付属病院(内科、神経内科)、
佐賀医科大学内科に勤務。
1983〜85年、ロンドン大学医学部留学、
1993年より岡崎国立共同研究機構生理学研究所(現、自然科学研究機構)教授。
日本内科学会認定医、日本神経学会専門医。
専門は神経科学。
著書に『どうでもいいことで悩まない技術』(文響社)、『記憶力の脳科学』(大和書房)など。