2019年08月03日
扁桃体の暴走 不安症/不安障害
扁桃体の暴走 不安症/不安障害
扁桃体がストレス反応(不安、緊張、恐怖など)を
引き起こすことによって、
私たちを生命の危険から守る仕組みになっているのです。
脳の中の扁桃体が活性化することによって、
時折「扁桃体のハイジャック」と
呼ばれる現象が私たちの頭に起こります。
例えば、目の前にスズメバチが飛んできたとします。
「スズメハチだ!」と視覚で確認すると、
扁桃体が活性化してストレス反応を引き起こします。
扁桃体から分泌され、
人間は血圧や心拍数が上昇したり、
筋肉の緊張などの自律神経の反応が起こります。
また扁桃体の活性により、
大脳新皮質(だいのう
しんひしつ)という部位
では、
スズメハチに注意が集中してスズメハチに関する記憶が蘇ってきます。
それとは別の一次体性感覚野でも、
自分の体で起こっている自律神経の反応を感知して
「緊急事態発生」
という情報を大脳新皮質へ流します。
人間の命に関わるような
瞬時の大切な判断を
体に伝えているのが『扁桃体』です。
病的な不安は、
強度や過剰に持続することで
脅威に対する反応をかえって妨げるという結果を招きます。
不安が強すぎて”死の恐怖”まで強まる発作が起きる人がいます。
『パニック障害』です。
自律神経症状である身体症状を伴なうことが特徴です。
発汗、頻脈、呼吸促迫、動悸、
下痢、めまい、血圧上昇、失神、
四肢のふるえ、落ち着きがない、
尿意、胃の不快感、吐き気など。
不安が10分ほどで急速に高まり、
20〜30分ほどで収まります。
欧米諸国のパニック障害の12ヶ月有病率は
2〜3%と推定されています。
女性は男性より2倍ほど多いといわれています。
どの年代でも発生しますが、
思春期後期や成人早期に最も多く発症します。
パニック障害の発症には
遺伝的要因が関与していると考えられています。
発病時期の患者には
生活上のストレスが多かったり、
特に重要な人や物との別離を
体験したりしていることが
報告されています。
患者の扁桃体に異常な興奮が見られ、
前頭前野、海馬後のネットワークの
変調が起こっています。
治療は、扁桃体興奮の抑制と、
ネットワークの復旧にあります。
パニック障害では10〜65%に
うつ病が起こっています。
また恐怖症、強迫性障害、
薬物依存症を併発している人も多いです。
治療には、うつ病で使用する抗うつ薬や
認知行動療法が有効な治療法です。
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、
ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)
を第一選択薬として使用します。
認知行動療法は、
不安の発作と身体症状との関係に
ついて教育したり、
不安を回避する方法や
呼吸法などのリラックスする方法を訓練したりします。
不安症から「恐怖症」に
特定の対象に、
不合理な恐れを抱き、
それを避けようとするのが「恐怖症」です。
不安とは、将来の脅威に対する予期。
恐怖とは、目の前の脅威に対する情動反応です。
患者に不安を引き起こすような
刺激がなんども繰り返されるうちに、
それを避けようとする行動が
学習され、条件反射のようになったものが
『恐怖症』です。
恐怖症は家族で発症することが多いので、
遺伝的要因が関係していると
考えられています。
また、両親との死別や離別、
家庭内の暴力などは、
子供の恐怖症を増加させる
ことが知られています。
【参考文献】
ニュートン別冊 精神科医が語る 精神の病気
心の病気の原因と対策が、この1冊でよくわかる!
監修 仮屋暢聡 株式会社ニュートンプレス 2019年4月5日発行
扁桃体がストレス反応(不安、緊張、恐怖など)を
引き起こすことによって、
私たちを生命の危険から守る仕組みになっているのです。
脳の中の扁桃体が活性化することによって、
時折「扁桃体のハイジャック」と
呼ばれる現象が私たちの頭に起こります。
例えば、目の前にスズメバチが飛んできたとします。
「スズメハチだ!」と視覚で確認すると、
扁桃体が活性化してストレス反応を引き起こします。
扁桃体から分泌され、
人間は血圧や心拍数が上昇したり、
筋肉の緊張などの自律神経の反応が起こります。
また扁桃体の活性により、
大脳新皮質(だいのう
しんひしつ)という部位
では、
スズメハチに注意が集中してスズメハチに関する記憶が蘇ってきます。
それとは別の一次体性感覚野でも、
自分の体で起こっている自律神経の反応を感知して
「緊急事態発生」
という情報を大脳新皮質へ流します。
人間の命に関わるような
瞬時の大切な判断を
体に伝えているのが『扁桃体』です。
病的な不安は、
強度や過剰に持続することで
脅威に対する反応をかえって妨げるという結果を招きます。
不安が強すぎて”死の恐怖”まで強まる発作が起きる人がいます。
『パニック障害』です。
自律神経症状である身体症状を伴なうことが特徴です。
発汗、頻脈、呼吸促迫、動悸、
下痢、めまい、血圧上昇、失神、
四肢のふるえ、落ち着きがない、
尿意、胃の不快感、吐き気など。
不安が10分ほどで急速に高まり、
20〜30分ほどで収まります。
欧米諸国のパニック障害の12ヶ月有病率は
2〜3%と推定されています。
女性は男性より2倍ほど多いといわれています。
どの年代でも発生しますが、
思春期後期や成人早期に最も多く発症します。
パニック障害の発症には
遺伝的要因が関与していると考えられています。
発病時期の患者には
生活上のストレスが多かったり、
特に重要な人や物との別離を
体験したりしていることが
報告されています。
患者の扁桃体に異常な興奮が見られ、
前頭前野、海馬後のネットワークの
変調が起こっています。
治療は、扁桃体興奮の抑制と、
ネットワークの復旧にあります。
パニック障害では10〜65%に
うつ病が起こっています。
また恐怖症、強迫性障害、
薬物依存症を併発している人も多いです。
治療には、うつ病で使用する抗うつ薬や
認知行動療法が有効な治療法です。
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、
ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)
を第一選択薬として使用します。
認知行動療法は、
不安の発作と身体症状との関係に
ついて教育したり、
不安を回避する方法や
呼吸法などのリラックスする方法を訓練したりします。
不安症から「恐怖症」に
特定の対象に、
不合理な恐れを抱き、
それを避けようとするのが「恐怖症」です。
不安とは、将来の脅威に対する予期。
恐怖とは、目の前の脅威に対する情動反応です。
患者に不安を引き起こすような
刺激がなんども繰り返されるうちに、
それを避けようとする行動が
学習され、条件反射のようになったものが
『恐怖症』です。
恐怖症は家族で発症することが多いので、
遺伝的要因が関係していると
考えられています。
また、両親との死別や離別、
家庭内の暴力などは、
子供の恐怖症を増加させる
ことが知られています。
【参考文献】
ニュートン別冊 精神科医が語る 精神の病気
心の病気の原因と対策が、この1冊でよくわかる!
監修 仮屋暢聡 株式会社ニュートンプレス 2019年4月5日発行
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