2019年02月12日
『神経回路の変化』
最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。
脳の進化と成長
『神経回路の変化』
子どもの脳では、神経伝達物質の種類が変化する
乳幼児は、細やかな指の動きができない。
これは指を動かすための神経細胞のネットワーク(神経回路)が必要以上に広くつながりあっているため。
成長とともに不要な回路がなくなって必要な回線だけが残り、細かい指の動きができるようになる。
成長中の脳では、神経細胞のつながり方だけではなく、神経細胞自体の性質もたくみに変化する。
具体的には二つの変化が起きる。
一つは、神経伝達物質に対する反応変化だ。ある神経細胞は、神経伝達物質として『GABA(γアミノ酪酸)』という物質を放出する。
GABAを受け取った別の神経細胞は、最初のころは電気信号が発生する反応(『興奮』)を示す。
ところが、成長とともに、電気信号の発生がおさえられる反応(『抑制』)を示すようになる。
成長とともに正反対の反応になる。
この変化が起こることで、神経細胞に余計な興奮がおきなくなり、必要以上に情報が広がるのを防げるようになる。
もう一つの変化は、成長にともなって、使用する神経伝達物質が変わるのだ。
生理学研究所 鍋倉淳一教授らは、マウスの聴覚に関わる神経細胞で、成長とともに神経伝達物質が『GABA』から『グリシン』へと切り替わる現象を発見した。グリシンはGABAより反応時間が短い神経伝達物質だ。「反応時間が短いグリシンを使うことで、ネットワークが活動するタイミングの精度が上がると考えられる(鍋倉教授)」。
参考文献:ニュートン別冊 脳力のしくみ 2018年7月15日発行
脳の進化と成長
『神経回路の変化』
子どもの脳では、神経伝達物質の種類が変化する
乳幼児は、細やかな指の動きができない。
これは指を動かすための神経細胞のネットワーク(神経回路)が必要以上に広くつながりあっているため。
成長とともに不要な回路がなくなって必要な回線だけが残り、細かい指の動きができるようになる。
成長中の脳では、神経細胞のつながり方だけではなく、神経細胞自体の性質もたくみに変化する。
具体的には二つの変化が起きる。
一つは、神経伝達物質に対する反応変化だ。ある神経細胞は、神経伝達物質として『GABA(γアミノ酪酸)』という物質を放出する。
GABAを受け取った別の神経細胞は、最初のころは電気信号が発生する反応(『興奮』)を示す。
ところが、成長とともに、電気信号の発生がおさえられる反応(『抑制』)を示すようになる。
成長とともに正反対の反応になる。
この変化が起こることで、神経細胞に余計な興奮がおきなくなり、必要以上に情報が広がるのを防げるようになる。
もう一つの変化は、成長にともなって、使用する神経伝達物質が変わるのだ。
生理学研究所 鍋倉淳一教授らは、マウスの聴覚に関わる神経細胞で、成長とともに神経伝達物質が『GABA』から『グリシン』へと切り替わる現象を発見した。グリシンはGABAより反応時間が短い神経伝達物質だ。「反応時間が短いグリシンを使うことで、ネットワークが活動するタイミングの精度が上がると考えられる(鍋倉教授)」。
参考文献:ニュートン別冊 脳力のしくみ 2018年7月15日発行
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