2019年02月06日
『脳の発生』
最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていくつもりですが、まだまだ前説の段になります。
脳の進化と成長
『脳の発生』
ヒトの脳は急激に爆発的に拡大した!
脳の発生は進化の歴史をたどる
ヒトの脳は生命の38億年という進化の歴史を経て出現し、巨大化し、高度化を遂げた。
ヒトの脳の発生の様子をみると、脳の進化の歴史をたどることができる。
卵子が受精して3週間(#妊娠5週)経つと、長さ2mmほどの『神経管』が杯の中にできる。
この神経管が脳の起源である。
神経管は、生命進化の歴史では約5億6000年前(古生代カンブリア紀)の脊椎動物の出現にさかのぼる。
約38億年前の生命誕生から約32億年の歴史を、ヒトの発生では約3週間で駆け抜ける!
受精後4週には脊髄で神経細胞が分化しはじめる。受精後5週(#妊娠7週)には身長が1cmに達し、くねくねと身をよじりはじめる。
これは約5億年前に出現した原始的な魚の脳機能の状態を通過しつつあることになる。
この頃から、人間に特徴的な大脳が頭の両側に膨らんでくるのがみえる。
その後、大脳は週を追うごとに巨大化する。
ヒトでは大脳の成長がどの動物よりも長く続く。
こうして私たちは、生命進化や脳と心の謎も探求できる大脳を獲得するのだ。
#産婦人科で使われる『妊娠◯週』は、最終月経の第1日目から数える(新しい卵子が卵巣で成熟しはじめる日)。
受精後1週は、およそ妊娠3週となる。
受精後5週
神経細胞は脳幹と脊髄にだけ出現し、原始的な魚の段階。
大脳は神経細胞を生み出す『マトリックス細胞』だけからなる。
受精後7週
脊髄の神経細胞はすべて完成し、機能を発揮しはじめる。
大脳では神経細胞が分化しはじめる。
受精後10週
脊髄の神経細胞が手足の末端まで伸び、筋肉と結合する。
受精後13週
脳幹(間脳・中脳・延髄)の神経細胞の形成が完了する。
大脳では盛んに神経細胞が生み出され、大脳皮質の形成が活発に進行する。
受精後17週
長期間続いた大脳での神経細胞の産出もほぼ完了に近づき、140億個程度の神経細胞が大脳皮質を形成する。
大脳の神経細胞数はこれがピークで、以降は障害を通じて減る一方である。
受精後20週
脳幹や脊髄を中心に、成熟しつつある神経細胞の軸索に『髄鞘』ができはじめる。
この髄鞘化は、神経細胞どうしの連結と、信号の伝達・情報機能の完成へ向けて、脳機能の整備が始まったことを意味する。
受精後22週
脳幹では動眼神経や顔面神経などに続いて、三叉神経や聴神経、内耳神経などの感覚神経にも髄鞘化が始まるが、実際に見えたり、聞こえたりはしない。
受精後26週
大脳表面には中心溝や頭頂後頭溝、シルビウス裂がはっきり認められるようになる。
人間らしさを特徴づける大脳の出現である。
脳幹はますます完成に近づき、音や光に対する反射や、呼吸へつながる運動も出現する。
受精後30週
視神系や脳幹、脊髄から大脳に向かう軸索にも髄鞘化がはじまる。
中耳が作られ、外界の音が聞こえる体制ができる。
光が脳に伝えられるようになる。
受精後37週
いつ生まれてもよい体制がととのう。
大脳皮質のシワが増え、完成したパターンに近づく。
大脳内部の軸索にも髄鞘化がはじまる。
やがて脳の活動には一時的な抑制がかかり、胎動もほぼ停止し、出産を待つ。
参考文献:ニュートン別冊 脳力のしくみ 2018年7月15日発行
脳の進化と成長
『脳の発生』
ヒトの脳は急激に爆発的に拡大した!
脳の発生は進化の歴史をたどる
ヒトの脳は生命の38億年という進化の歴史を経て出現し、巨大化し、高度化を遂げた。
ヒトの脳の発生の様子をみると、脳の進化の歴史をたどることができる。
卵子が受精して3週間(#妊娠5週)経つと、長さ2mmほどの『神経管』が杯の中にできる。
この神経管が脳の起源である。
神経管は、生命進化の歴史では約5億6000年前(古生代カンブリア紀)の脊椎動物の出現にさかのぼる。
約38億年前の生命誕生から約32億年の歴史を、ヒトの発生では約3週間で駆け抜ける!
受精後4週には脊髄で神経細胞が分化しはじめる。受精後5週(#妊娠7週)には身長が1cmに達し、くねくねと身をよじりはじめる。
これは約5億年前に出現した原始的な魚の脳機能の状態を通過しつつあることになる。
この頃から、人間に特徴的な大脳が頭の両側に膨らんでくるのがみえる。
その後、大脳は週を追うごとに巨大化する。
ヒトでは大脳の成長がどの動物よりも長く続く。
こうして私たちは、生命進化や脳と心の謎も探求できる大脳を獲得するのだ。
#産婦人科で使われる『妊娠◯週』は、最終月経の第1日目から数える(新しい卵子が卵巣で成熟しはじめる日)。
受精後1週は、およそ妊娠3週となる。
受精後5週
神経細胞は脳幹と脊髄にだけ出現し、原始的な魚の段階。
大脳は神経細胞を生み出す『マトリックス細胞』だけからなる。
受精後7週
脊髄の神経細胞はすべて完成し、機能を発揮しはじめる。
大脳では神経細胞が分化しはじめる。
受精後10週
脊髄の神経細胞が手足の末端まで伸び、筋肉と結合する。
受精後13週
脳幹(間脳・中脳・延髄)の神経細胞の形成が完了する。
大脳では盛んに神経細胞が生み出され、大脳皮質の形成が活発に進行する。
受精後17週
長期間続いた大脳での神経細胞の産出もほぼ完了に近づき、140億個程度の神経細胞が大脳皮質を形成する。
大脳の神経細胞数はこれがピークで、以降は障害を通じて減る一方である。
受精後20週
脳幹や脊髄を中心に、成熟しつつある神経細胞の軸索に『髄鞘』ができはじめる。
この髄鞘化は、神経細胞どうしの連結と、信号の伝達・情報機能の完成へ向けて、脳機能の整備が始まったことを意味する。
受精後22週
脳幹では動眼神経や顔面神経などに続いて、三叉神経や聴神経、内耳神経などの感覚神経にも髄鞘化が始まるが、実際に見えたり、聞こえたりはしない。
受精後26週
大脳表面には中心溝や頭頂後頭溝、シルビウス裂がはっきり認められるようになる。
人間らしさを特徴づける大脳の出現である。
脳幹はますます完成に近づき、音や光に対する反射や、呼吸へつながる運動も出現する。
受精後30週
視神系や脳幹、脊髄から大脳に向かう軸索にも髄鞘化がはじまる。
中耳が作られ、外界の音が聞こえる体制ができる。
光が脳に伝えられるようになる。
受精後37週
いつ生まれてもよい体制がととのう。
大脳皮質のシワが増え、完成したパターンに近づく。
大脳内部の軸索にも髄鞘化がはじまる。
やがて脳の活動には一時的な抑制がかかり、胎動もほぼ停止し、出産を待つ。
参考文献:ニュートン別冊 脳力のしくみ 2018年7月15日発行
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