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2014年02月26日

狩野芳崖 「蕜母観音」 二重箱 一応極めあり 真贋灰色

お寺に寄贈 2014年4月19日(父のお墓のある御寺)

狩野芳崖は1888年/明治21年に肺炎で亡くなったとされる。
亡くなる4日前に作り上げたと伝えられる作品がある。
それは、東京芸術大学大学美術館に重要文化財として保管され、切手にもなっている有名な作品「悲母観音」である。

東京芸術大学大学美術館には、遺作の他に、その下図が3点ほどあり、すべて重要文化財となっている。
その計4点の観音像を比べてみると、それぞれ違う顔を持ち、子供の頭の形でさえ違いが分かる。

つまり、体力のなくなりかけた弟子のいる作者が、一人で書ききる必要があったのだろうかということ。
また、落款のない遺作を誰かが完成させたのではないかということなど、悶々としてしまう。
ウィキペディアには弟子に岡倉天心の甥岡倉秋水、岡不崩などとある。また、橋本 雅邦のウィキペディアには、明治22年(1889年)(※一年ずれている)に芳崖は死去、その絶筆である《悲母観音》の仕上げを任されたとある。

やはり、狩野芳崖は仕上げていなかったのか?

もしも、一度は狩野芳崖が絹本に色絵を付けて描き上げたとしたら、下図のような子供(後頭部がやや突出した)の頭になっていてもおかしくない。また、羽織りの鳳凰、子供に鳳雛と拡大しないと確認できないお札でいう透かしのような描出もある。

私の持っている作品は、亡き父が、景気のよかった建築会社の社長から、数百万円すると言われていた日本刀(銘刀)と交換したものである。二重箱で、裏箱に極めもある。ところが、関西で有名な買い取り業者に買い取りを依頼すると、
極めをしている人物が低評価であり、また、作品にも違和感があり、とても綺麗な作品であるので、中央にも相談したが、いい返事なく、当店ではお取扱いできない商品でありましたとのこと。つまり、作品そのものの評価よりも、真作の証拠となる客観的裏付けがないと、堂々と取引できないので、商品にならないという回答であると思われる。
つまり、この私の作品は贋作極まったわけでなく、プロでも真作の可能性ありと思わせた上作の一品なのである。

さて、ここで気を付けなければならないのは、「悲母観音」のレプリカ(絹本、色絵付け)や工芸品、完全な贋作が存在することだ。その鑑別として、レプリカは遺作の「悲母観音」に似ていて、工芸品や贋作には鳳凰がなかったり、作風が異なりすぎたりするということだろう。(しかし、作品のつくられたであろう時代が新しいものはそればかりでないかもしれない。)

では、私の作品「蕜母観音」はどうか。
レプリカのように遺作ににていない。特に背景の色。
でも、これはこれで全体的にまとまっており上作に見える。
観音の羽衣に鳳凰、子供には鳳雛?!(カルガモのよう・・・違和感)
観音の真珠様飾りが遺作とことなる。(違和感)
子供の右腕や手足の指に違和感。(下図の指は上出来なのに・・・)
なんといっても署名に違和感。(岡倉秋水の書いた芳崖といわれる芳崖署名に似ている)

どちらにしても、業者のいうとおり、グレーゾーンは脱せない。

皆様はどう思いますか?

どうかお気軽にコメントして下さい。
狩野芳崖 「蕜母観音」P1100455 (2).JPGP1100456.JPGP1100461.JPGP1100459.JPGP1100454.JPGP1100458.JPG
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posted by 越後守 at 22:56 | Comment(102) | TrackBack(0) | 掛け軸
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