2016年06月04日
568話 なんとか元気でやっています。
「今日そちらに帰るから、顔出しにいくね。」
龍之介は珍しく母親に電話をかけた。
「お〜龍之介、元気にしとるか。あ〜待っとるよ。
何時ごろに来れる?」
年老いた母親はうれしそうに声をはった。
「今から出るところだから、お昼ごろにまでには。」
高速をとばし、龍之介は自宅に帰った。
>交通ルールは守りましょう
「あっ お父さんお帰りなさい」
自宅にいるのはあずき一人。あずきは明日の日曜から
行く少年自然の家の準備で大忙し。
持っていくズボンを手洗いしたり、上着を洗濯したり。
龍之介ならどちらも洗濯機にかけてしまうだろう。
「もうちょっと待ってて」
(ノ・_・)ノ凹 ┣凹━凹━凹┫
洗濯をする彼女を眺めながら、流石に女の子だと龍之介は感心した。
11時ごろ母親からの催促の電話が入る。
時間に神経質で、待ち合わせの予定時間より先に、
まだか、まだかの催促がほぼ毎回入ることはお馴染みだ。
「今自宅から出ようとしたところ。あずきと一緒に行くから。」
母親は安心した声で、「気を付けてきなさいよ。」と念をおす。
「あずき 急ごう おばあちゃんが待ってる。」
母親の家についた龍之介たちは、父の仏壇に線香を
あげる。
「できたら、お墓にも行きたいんだけど・・・
睡眠不足で時差ボケなんだ。だから、またの機会にするね。」
三人は近くにある、行きつけのお好み焼き屋で昼食をとった。
あずきと、龍之介はいつもの具材入りで、母はミックスを注文
した。この店のお好み焼きのソースの味は絶品だ。
間もなく、中学生の二人連れがやってきた。大柄な丸坊主の一人が
龍之介に挨拶をする。
「やあ、この前は惜しかったね。」
県大会出場を掛けた中学総合体育大会地区予選準決勝。
その相手チームのキャッチャーで4番のスラッガーだ。
だが、まだ2年生。
「はい。悔しいかったです。」
結果は1対0。相手チームは2年生主体のチームで来年こそは
このチームの出番であろう。
後で龍太郎に聞いた話では、このスラッガーは試合終了と同時に
男涙を流していたらしい。
本当に惜しい試合であって、なによりも県大会出場を逃したことが
とても悔しかったのだ。
「あの人誰?」
「優勝したM中の龍太郎くんのお父さん。
ジュニアで一緒だったから・・・」
ジュニアの後輩たちは龍太郎達においつき、追い越そうと
一生懸命に頑張っている。野球選手はこのように、礼儀正
しく人に好かれる選手でありたい。
「お待たせしました。」
「美味しそう。さあ、食べようか。」
店のおばちゃんはどうやらあずきのことがお気に入りで、
どこの誰か記憶していてくれる。会計の時にはおかしなど
何か手に持たせてくれる。
「おばちゃん また来るね。」
龍之介が単身赴任をして早3週間が経過し、毎週
自宅に帰宅している。もうじきそのような機会もだんだん
少なくなっていくのだろうが、帰った時ぐらい、母親と仏壇、
そしてこのお好み焼き屋のおばちゃんには顔を出したい。
龍之介は珍しく母親に電話をかけた。
「お〜龍之介、元気にしとるか。あ〜待っとるよ。
何時ごろに来れる?」
年老いた母親はうれしそうに声をはった。
「今から出るところだから、お昼ごろにまでには。」
高速をとばし、龍之介は自宅に帰った。
>交通ルールは守りましょう
「あっ お父さんお帰りなさい」
自宅にいるのはあずき一人。あずきは明日の日曜から
行く少年自然の家の準備で大忙し。
持っていくズボンを手洗いしたり、上着を洗濯したり。
龍之介ならどちらも洗濯機にかけてしまうだろう。
「もうちょっと待ってて」
(ノ・_・)ノ凹 ┣凹━凹━凹┫
洗濯をする彼女を眺めながら、流石に女の子だと龍之介は感心した。
11時ごろ母親からの催促の電話が入る。
時間に神経質で、待ち合わせの予定時間より先に、
まだか、まだかの催促がほぼ毎回入ることはお馴染みだ。
「今自宅から出ようとしたところ。あずきと一緒に行くから。」
母親は安心した声で、「気を付けてきなさいよ。」と念をおす。
「あずき 急ごう おばあちゃんが待ってる。」
母親の家についた龍之介たちは、父の仏壇に線香を
あげる。
「できたら、お墓にも行きたいんだけど・・・
睡眠不足で時差ボケなんだ。だから、またの機会にするね。」
三人は近くにある、行きつけのお好み焼き屋で昼食をとった。
あずきと、龍之介はいつもの具材入りで、母はミックスを注文
した。この店のお好み焼きのソースの味は絶品だ。
間もなく、中学生の二人連れがやってきた。大柄な丸坊主の一人が
龍之介に挨拶をする。
「やあ、この前は惜しかったね。」
県大会出場を掛けた中学総合体育大会地区予選準決勝。
その相手チームのキャッチャーで4番のスラッガーだ。
だが、まだ2年生。
「はい。悔しいかったです。」
結果は1対0。相手チームは2年生主体のチームで来年こそは
このチームの出番であろう。
後で龍太郎に聞いた話では、このスラッガーは試合終了と同時に
男涙を流していたらしい。
本当に惜しい試合であって、なによりも県大会出場を逃したことが
とても悔しかったのだ。
「あの人誰?」
「優勝したM中の龍太郎くんのお父さん。
ジュニアで一緒だったから・・・」
ジュニアの後輩たちは龍太郎達においつき、追い越そうと
一生懸命に頑張っている。野球選手はこのように、礼儀正
しく人に好かれる選手でありたい。
「お待たせしました。」
「美味しそう。さあ、食べようか。」
店のおばちゃんはどうやらあずきのことがお気に入りで、
どこの誰か記憶していてくれる。会計の時にはおかしなど
何か手に持たせてくれる。
「おばちゃん また来るね。」
龍之介が単身赴任をして早3週間が経過し、毎週
自宅に帰宅している。もうじきそのような機会もだんだん
少なくなっていくのだろうが、帰った時ぐらい、母親と仏壇、
そしてこのお好み焼き屋のおばちゃんには顔を出したい。
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