躁病者とのかかわり

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「ここに花瓶があったはずだ。」
義母が発狂している。大きな声で、泥棒騒ぎというわけだ。
本当に発狂です、多分想像出来ないと思う・・・。
もう義母のどろぼう騒ぎは、慣れてきた。しかしいつも嫌な気分になる。


今回のどろぼうとなるターゲットは、私だった。

「花子さん、どこへやった。貴方が来て無くなった。」
と言う。
義父は、義母が騒いでいても何処かへ行った。
夫は怒っている。母親へ「具体的にどういう花瓶なんだ？」と強い口調になっている。
義母から、”具体的”なものが出るはずが無いのは分かっていて、夫は言っている。

とりあえず、探す気などないが、探すふりをする。
５分後、「あったあった。」と義母の声。
見に行くと、その花瓶と花瓶の周りには何十年ものつもったホコリがべったりとついていた。
腹が立ち、「こんなもの見たこともない、この大量のホコリは何なんだ、いつからここに置いてある？」と強い口調を義母へ向けた。
「はぁ、お父さんだ、お父さんがここへ置いただ。」とそれだけ。
「何故、私をどろぼう扱いしたのか謝れ。」と言ってにらんだ。
「お父さんが悪い、お父さんが悪い。」
それだけだ。

その花瓶、何のために探していたか？

探していただけだった。
突然思い立って、探していただけだった、自分の目に入って存在がはっきりしたら終わりだった。

今の今なんだと思った。
思い立った今、その思い立ったものが今、目の前にないから発狂した。
と思った。
だって、目の前に現れたら発狂がおさまったからだ。

躁病、恐ろしい病気です。



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