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2024年01月27日
堀辰雄の『風立ちぬ』で執筆脳を考える4
【データベースの作成】
表1 「風立ちぬ」のデータベースのカラム
項目名 内容 説明
文法1 名詞の格 堀辰雄の助詞の使い方を考える。
文法2 態 能動、受動、使役。
文法3 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法4 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ 感覚ありなし
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 メンタルヘルス 受容と共生の接点。購読脳「従順さと幸福の探求」を共生にスライドさせるため、メディカル情報をここに置く。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 集中とCEN エキスパートシステム 集中は、ひとところに集めること、CENは、目の前の集中と課題の遂行時に活発になる神経ネットワーク「セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク。
花村嘉英(2023)「堀辰雄の『風立ちぬ』で執筆脳を考える」より
表1 「風立ちぬ」のデータベースのカラム
項目名 内容 説明
文法1 名詞の格 堀辰雄の助詞の使い方を考える。
文法2 態 能動、受動、使役。
文法3 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法4 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ 感覚ありなし
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 メンタルヘルス 受容と共生の接点。購読脳「従順さと幸福の探求」を共生にスライドさせるため、メディカル情報をここに置く。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 集中とCEN エキスパートシステム 集中は、ひとところに集めること、CENは、目の前の集中と課題の遂行時に活発になる神経ネットワーク「セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク。
花村嘉英(2023)「堀辰雄の『風立ちぬ』で執筆脳を考える」より
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堀辰雄の『風立ちぬ』で執筆脳を考える3
3 データベースの作成・分析
データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容はそれぞれの言語ごとに構文と意味の解析をし、何かの組を作ればよい。しかし、共生は作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
花村嘉英(2023)「堀辰雄の『風立ちぬ』で執筆脳を考える」より
データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容はそれぞれの言語ごとに構文と意味の解析をし、何かの組を作ればよい。しかし、共生は作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
花村嘉英(2023)「堀辰雄の『風立ちぬ』で執筆脳を考える」より
堀辰雄の『風立ちぬ』で執筆脳を考える2
2 「風立ちぬ」のLのストーリー
堀辰雄(1904−1953)は、一高の学生時代に室生犀星を通して知り合った芥川龍之介の影響で文学の道に進むことになる。東大に提出した卒論では芥川について取り上げた。模倣することなく、芥川が仕事を終えたところが辰雄の出発であった。
「風立ちぬ」は、1936年から1938年にかけて文芸雑誌に発表された。その中でモデルにした節子という女性は、堀辰雄が1933年軽井沢で知り合い、翌年9月に婚約した矢野綾子といわれている。しかし、不幸が訪れる。綾子は肺結核を患い、辰雄も同じ症状になったため、1935年7月、一緒に長野県八ヶ岳山麓にある冨士見高原療養所に入院する。辰雄は回復しても綾子はその12月に亡くなった。辰雄が内容を大切にしているため、小説は事実に即して書かれている。しかし、年数などで多少のずれはある。
特に最終章の「死のかげの谷」では、病気という運命に従い従順に生きた節子への思いが溢れている。婚約の期間はごくわずかでも、互いを幸福にすることがテーマになっている。つまり、ただ目の前のことに集中できれば、幸福になれるというマインドフルネスの境地に達している。中身を見てみよう。
初夏の夕方、一瞬生まれる一帯の景色が幸福感に満たされて眺めることができるのは、見慣れているのに今この時でしかなかった。それだけ目の前にある節子との生活に集中していたのである。いつかずっと後になって、美しい夕暮れが蘇ることがあれば、幸福そのものの絵が見えてくるとした。はたして、そんなことが起こった。
節子に病室で今のような生活に満足しているか尋ねると、満足しているという。ずっとあとになって思い出したらどんなに美しいことか言われたことがあった。初夏の夕方に似た、秋の午前の全く異なる光を帯びた一面の風景を見て、あの時の幸福に似た、締めつけられるような感動で胸がいっぱいになった。ここではただ目の前の秋の午前の光に集中できている。
冬になり、薄暗いベッドの中に、静かに寝ている節子は、辰雄の傍にいられるだけでいいという目をして見つめている。辰雄は、幸福を主題に物語を書きながら自分たちの幸福を信じている。ここでも目の前のことに集中している。そのため「死のかげの谷」は、「幸福の谷」と呼べるほどになる。
「風立ちぬ」の購読脳は、「従順さと幸福の探求」にし、目の前の集中と課題の遂行時に活発になる神経ネットワーク「セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク(CEN)」の活動が辰雄にはあるため、執筆脳は「集中とCEN」にする。シナジーのメタファーは、「堀辰雄とマインドフルネス」である。
花村嘉英(2023)「堀辰雄の『風立ちぬ』で執筆脳を考える」より
堀辰雄(1904−1953)は、一高の学生時代に室生犀星を通して知り合った芥川龍之介の影響で文学の道に進むことになる。東大に提出した卒論では芥川について取り上げた。模倣することなく、芥川が仕事を終えたところが辰雄の出発であった。
「風立ちぬ」は、1936年から1938年にかけて文芸雑誌に発表された。その中でモデルにした節子という女性は、堀辰雄が1933年軽井沢で知り合い、翌年9月に婚約した矢野綾子といわれている。しかし、不幸が訪れる。綾子は肺結核を患い、辰雄も同じ症状になったため、1935年7月、一緒に長野県八ヶ岳山麓にある冨士見高原療養所に入院する。辰雄は回復しても綾子はその12月に亡くなった。辰雄が内容を大切にしているため、小説は事実に即して書かれている。しかし、年数などで多少のずれはある。
特に最終章の「死のかげの谷」では、病気という運命に従い従順に生きた節子への思いが溢れている。婚約の期間はごくわずかでも、互いを幸福にすることがテーマになっている。つまり、ただ目の前のことに集中できれば、幸福になれるというマインドフルネスの境地に達している。中身を見てみよう。
初夏の夕方、一瞬生まれる一帯の景色が幸福感に満たされて眺めることができるのは、見慣れているのに今この時でしかなかった。それだけ目の前にある節子との生活に集中していたのである。いつかずっと後になって、美しい夕暮れが蘇ることがあれば、幸福そのものの絵が見えてくるとした。はたして、そんなことが起こった。
節子に病室で今のような生活に満足しているか尋ねると、満足しているという。ずっとあとになって思い出したらどんなに美しいことか言われたことがあった。初夏の夕方に似た、秋の午前の全く異なる光を帯びた一面の風景を見て、あの時の幸福に似た、締めつけられるような感動で胸がいっぱいになった。ここではただ目の前の秋の午前の光に集中できている。
冬になり、薄暗いベッドの中に、静かに寝ている節子は、辰雄の傍にいられるだけでいいという目をして見つめている。辰雄は、幸福を主題に物語を書きながら自分たちの幸福を信じている。ここでも目の前のことに集中している。そのため「死のかげの谷」は、「幸福の谷」と呼べるほどになる。
「風立ちぬ」の購読脳は、「従順さと幸福の探求」にし、目の前の集中と課題の遂行時に活発になる神経ネットワーク「セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク(CEN)」の活動が辰雄にはあるため、執筆脳は「集中とCEN」にする。シナジーのメタファーは、「堀辰雄とマインドフルネス」である。
花村嘉英(2023)「堀辰雄の『風立ちぬ』で執筆脳を考える」より
堀辰雄の『風立ちぬ』で執筆脳を考える1
1 先行研究
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。言語の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なおLのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
花村嘉英(2023)「堀辰雄の『風立ちぬ』で執筆脳を考える」より
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。言語の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なおLのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
花村嘉英(2023)「堀辰雄の『風立ちぬ』で執筆脳を考える」より
2024年01月18日
阿城の『棋王』で執筆脳を考える9
4 まとめ
阿城の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「棋王」のLのストーリーをデータベース化し、最後に文献で止めたところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人6対4、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識して、できるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默−ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
花村嘉英 三浦綾子の「道ありき」でうつ病から病跡学へのアプローチを考える 中国日語教学研究会上海分会論文集 2021
阿城 棋王 民族文化派小説 時代文艺出版社 1989
阿城 チャンピオン(立間祥介訳)徳間書店 1989
阿城 Wikipedia
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
阿城の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「棋王」のLのストーリーをデータベース化し、最後に文献で止めたところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人6対4、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識して、できるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默−ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
花村嘉英 三浦綾子の「道ありき」でうつ病から病跡学へのアプローチを考える 中国日語教学研究会上海分会論文集 2021
阿城 棋王 民族文化派小説 時代文艺出版社 1989
阿城 チャンピオン(立間祥介訳)徳間書店 1989
阿城 Wikipedia
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
阿城の『棋王』で執筆脳を考える8
表3 情報の認知
同上 情報の認知1 情報の認知2 情報の認知3
A 表2と同じ。 3 2 2
B 表2と同じ。 2 2 2
C 表2と同じ。 3 2 2
D 表2と同じ。 3 2 1
E 表2と同じ。 3 2 1
A:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
B:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
C:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
D:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
E:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
結果
貧乏育ちの将棋馬鹿が下放の時代に将棋を通じて本当の人生や幸せを感じる物語。主役の王一生は、仕事をして金が稼げるようにと高校を卒業してから将棋をやるように母親からいわれ、のっぽに勝つも地区のトーナメントに参加せず、最後になって九面指しでめいっぱい力を発揮するため、購読脳の「平凡と真の人生」から執筆脳の「知恵の結集と達成感」という組を引き出すことができる。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
同上 情報の認知1 情報の認知2 情報の認知3
A 表2と同じ。 3 2 2
B 表2と同じ。 2 2 2
C 表2と同じ。 3 2 2
D 表2と同じ。 3 2 1
E 表2と同じ。 3 2 1
A:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
B:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
C:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
D:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
E:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
結果
貧乏育ちの将棋馬鹿が下放の時代に将棋を通じて本当の人生や幸せを感じる物語。主役の王一生は、仕事をして金が稼げるようにと高校を卒業してから将棋をやるように母親からいわれ、のっぽに勝つも地区のトーナメントに参加せず、最後になって九面指しでめいっぱい力を発揮するため、購読脳の「平凡と真の人生」から執筆脳の「知恵の結集と達成感」という組を引き出すことができる。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
阿城の『棋王』で執筆脳を考える7
【連想分析2】
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、Bその他の条件である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、Bその他の条件である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
阿城の『棋王』で執筆脳を考える6
分析例
1 チャンピオンとの対決も含め九面指しの後でへとへとになっている。
2 この論文では、「棋王」の購読脳を「平凡と真の人生」と考えているため、意味3の思考の流れ、知恵の結集に注目する。
3 意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3知恵の結集@ありAなし、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし、人工知能 @知恵の結集A達成感。
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「平凡と真の人生」を作る。
ステップ2:チャンピオンとの対決も含め九面指しが行われ、王一生がへとへとになっている様子。チャンピオンの老人による調整で引き分けとなり、泣けるほどに幸せを感じるため、執筆脳の「知恵の結集と達成感」と組になるため、解析の組と相互に作用する。
A:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
B:@視覚+B哀+Aなし+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
C:@視覚+C楽+Aなし+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
D:@視覚+C楽+@あり+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
E:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
1 チャンピオンとの対決も含め九面指しの後でへとへとになっている。
2 この論文では、「棋王」の購読脳を「平凡と真の人生」と考えているため、意味3の思考の流れ、知恵の結集に注目する。
3 意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3知恵の結集@ありAなし、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし、人工知能 @知恵の結集A達成感。
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「平凡と真の人生」を作る。
ステップ2:チャンピオンとの対決も含め九面指しが行われ、王一生がへとへとになっている様子。チャンピオンの老人による調整で引き分けとなり、泣けるほどに幸せを感じるため、執筆脳の「知恵の結集と達成感」と組になるため、解析の組と相互に作用する。
A:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
B:@視覚+B哀+Aなし+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
C:@視覚+C楽+Aなし+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
D:@視覚+C楽+@あり+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
E:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
阿城の『棋王』で執筆脳を考える5
【連想分析1】
表2 受容と共生のイメージ合わせ
チャンピオンとの対決後でへとへとの場面
A "妈,儿今天…妈"。大家都有些酸,扫了地下,打来了,劝了。王一生哭过,滞气调理过来,有了精神,就一起吃饭。意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
B 画家竟喝得大醉,也不管大家,一个人倒在木床上睡去。电工领了我们,脚卵也跟着,一齐到礼堂台上去睡。意味1 1、意味2 3、意味3 2、意味4 1、人工知能 2
C 夜KK的,伸手不见五指。王一生已近睡死。我却还似乎耳边人声嚷动,眼前火把通明,山民们铁了脸,肩着柴禾在林中,咿咿呀呀地唱,我笑起来,想:意味1 1、意味2 4、意味3 2、意味4 1、人工知能 2
D 不做俗人,哪儿会知道这般乐趣?加破人亡,平了头每日荷锄,识到了,即是幸,即是福。意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
E 衣食是本,自有人类,就是每日在忙这个。可囿在其中,终于还不太象人,倦意渐渐上来,就拥了幕布,沉沉睡去。 意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
表2 受容と共生のイメージ合わせ
チャンピオンとの対決後でへとへとの場面
A "妈,儿今天…妈"。大家都有些酸,扫了地下,打来了,劝了。王一生哭过,滞气调理过来,有了精神,就一起吃饭。意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
B 画家竟喝得大醉,也不管大家,一个人倒在木床上睡去。电工领了我们,脚卵也跟着,一齐到礼堂台上去睡。意味1 1、意味2 3、意味3 2、意味4 1、人工知能 2
C 夜KK的,伸手不见五指。王一生已近睡死。我却还似乎耳边人声嚷动,眼前火把通明,山民们铁了脸,肩着柴禾在林中,咿咿呀呀地唱,我笑起来,想:意味1 1、意味2 4、意味3 2、意味4 1、人工知能 2
D 不做俗人,哪儿会知道这般乐趣?加破人亡,平了头每日荷锄,识到了,即是幸,即是福。意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
E 衣食是本,自有人类,就是每日在忙这个。可囿在其中,终于还不太象人,倦意渐渐上来,就拥了幕布,沉沉睡去。 意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
阿城の『棋王』で執筆脳を考える4
【データベースの作成】
表1 「棋王」のデータベースのカラム
項目名 内容 説明
文法1 態 能動、受動、使役。
文法2 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法3 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ 実現ありなし
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「情動と畏敬」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。その際、未知の情報については、学習につながるためカテゴリー化する。記憶の型として、短期、作業記憶、長期を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 知恵の結集と達成感 エキスパートシステム 知恵の結集とは、合体して理を悟り処理すること、達成感とは、目的を達し成功すること。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
表1 「棋王」のデータベースのカラム
項目名 内容 説明
文法1 態 能動、受動、使役。
文法2 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法3 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ 実現ありなし
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「情動と畏敬」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。その際、未知の情報については、学習につながるためカテゴリー化する。記憶の型として、短期、作業記憶、長期を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 知恵の結集と達成感 エキスパートシステム 知恵の結集とは、合体して理を悟り処理すること、達成感とは、目的を達し成功すること。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より