(掲載)2023年5月29日
日本経済新聞はマンション保険などについて、古い物件や災害の多い地域で火災保険に入れない時代が迫りつつあるとしています。
終わりなき料率引き上げ
個人向けの火災保険料が2024年度に1割超上がる見通しですが、損保各社は、既に過去20年で個人向け火災保険料を5回で4割値上げしています。
また、台風など自然災害の多発で保険金の支払額が膨らんでいるため、火災保険と一緒に加入する水災保険料も全国一律から市区町村別に5段階に分け、水災保険料の差は現状から最大1.5倍程度となる見込みだとのこと。
「築古物件」に強まる逆風
さらに、築年数による料率格差も広げようとしている。
ある損保が古くなればなるほど保険料が右肩上がりに上がるようにしており、すでに築30年の住居の保険料が5割引き上げられた地域もあり、東京海上日動火災保険は築年数が古い住宅を対象に、個人向け火災保険の引き受けを厳しくするとのこと。
また、損保は契約期間の短縮も進めている。2015年に最長36年だった契約期間を2022年に5年にしたが、損保関係者は「(将来的には)1年契約にしたいのが本音」と語ったとのこと。
マンション保険への影響が深刻!
水道管などが老朽化して漏水事故が多発するなか「漏水保険に加入できない物件が確実に増えている」(マンション管理コンサルタントの土屋輝之氏)との指摘があり、ある築30年以上の都内マンションは所有者から集めた管理費では値上げ分の保険料を払えず、漏水保険の契約を更新できなかったといいいます。
なお、代理店関係者は「ある大手損保では築30年のマンションで保険料が従来比5割超上がった。築30年の耐火性の住宅でも4割超上がった」とささやいたとのことです。
詳しくは下記(出典)をご参照のうえ、管理組合で対応策をご検討願います。
(出典)日本経済新聞社 2023/5/22 「古い一戸建て、火災保険の審査厳しく 東京海上日動」
(出典)日本経済新聞社 2023/5/9 「損保、火災保険料1割超上げ 水災補償はリスク別に5分類」
(出典)日本経済新聞社 2023/4/25 「火災保険、突如5割高も 古い物件・災害多発… 損保苦境」