2019年05月25日
家族の木 THE SECOND STORY 俊也と真梨 <11 結婚式>
結婚式
結納は東京から大阪の田原家に行われた。家は東京の叔父が最近建てた家の近くに買うことになった。会社から車で20分ぐらいの場所で大きくはないがきちんとした家だった。
大阪の田原家からは家財道具の代金が贈られた。実際には真梨と僕が選んだ家具の代金を大阪が払うというものだった。真梨は余り高価な物を選ばなかった。自分が使っていたものも新居に持ち込んだ。叔母の躾だとおもった。
結婚式は東京で行われて式費用も両家折半だった。叔母と真梨は結婚式の衣装合わせに夢中になった。二人で何度も会場のホテルに足を運んだ。こういうことに無頓着そうに見えた叔父も衣装合わせの写真を見ては、きれいだきれいだと喜んで、結局レンタルで済ませる予定だった衣装を買い取ってしまった。夫婦で盛り上がって楽しそうだった。
結婚式には当然親戚が出席したのだけれど一つの親族が集まるだけだから大規模にはならなかった。会社関係の招待客はごくわずかだった。
僕は新婚旅行の代金だけを出した。ここでも真梨は贅沢を言わなかった。というよりも言えなかったのだろう。僕の貯金はごくわずかだった。結婚のセレモニーはすべてこなしたが、どれも地味なものだった。
驚いたのは浅田隆一からの祝儀があまりにも大金だったことだ。浅田隆一は大阪の田原家と古い付き合いのある政治家だった。今は引退して選挙とは無縁になっている。さすがに政治家だ。目立つところには大金を使うのだと感心した。
真梨との生活は、お気楽そのものだった。サラリーマンとして一花咲かせたかった僕は毎日遅くまで働いた。真梨からクレームが付くかと思いきや、何のことはないしっかり実家の世話になって大学を卒業した。
真梨は結婚を機に大学をやめるのかと思ったが以前より熱心に勉強しだした。もともと教育学部で児童心理学を専攻していたのが婚約を機に勉強に熱が入りだした。子供の教育を見据えての話なのだろう。
真梨の服装は相変わらず紺色や白、グレーなど学生のようでしかも相変わらず優等生タイプだ。家の中はきちんと片付き食事も栄養バランスのいいものだった。紙製の栞のように思えた色気のない少女はいつの間にかしっかり者の良妻になっていた。そして夜は新妻らしくセクシーだった。
続く
結納は東京から大阪の田原家に行われた。家は東京の叔父が最近建てた家の近くに買うことになった。会社から車で20分ぐらいの場所で大きくはないがきちんとした家だった。
大阪の田原家からは家財道具の代金が贈られた。実際には真梨と僕が選んだ家具の代金を大阪が払うというものだった。真梨は余り高価な物を選ばなかった。自分が使っていたものも新居に持ち込んだ。叔母の躾だとおもった。
結婚式は東京で行われて式費用も両家折半だった。叔母と真梨は結婚式の衣装合わせに夢中になった。二人で何度も会場のホテルに足を運んだ。こういうことに無頓着そうに見えた叔父も衣装合わせの写真を見ては、きれいだきれいだと喜んで、結局レンタルで済ませる予定だった衣装を買い取ってしまった。夫婦で盛り上がって楽しそうだった。
結婚式には当然親戚が出席したのだけれど一つの親族が集まるだけだから大規模にはならなかった。会社関係の招待客はごくわずかだった。
僕は新婚旅行の代金だけを出した。ここでも真梨は贅沢を言わなかった。というよりも言えなかったのだろう。僕の貯金はごくわずかだった。結婚のセレモニーはすべてこなしたが、どれも地味なものだった。
驚いたのは浅田隆一からの祝儀があまりにも大金だったことだ。浅田隆一は大阪の田原家と古い付き合いのある政治家だった。今は引退して選挙とは無縁になっている。さすがに政治家だ。目立つところには大金を使うのだと感心した。
真梨との生活は、お気楽そのものだった。サラリーマンとして一花咲かせたかった僕は毎日遅くまで働いた。真梨からクレームが付くかと思いきや、何のことはないしっかり実家の世話になって大学を卒業した。
真梨は結婚を機に大学をやめるのかと思ったが以前より熱心に勉強しだした。もともと教育学部で児童心理学を専攻していたのが婚約を機に勉強に熱が入りだした。子供の教育を見据えての話なのだろう。
真梨の服装は相変わらず紺色や白、グレーなど学生のようでしかも相変わらず優等生タイプだ。家の中はきちんと片付き食事も栄養バランスのいいものだった。紙製の栞のように思えた色気のない少女はいつの間にかしっかり者の良妻になっていた。そして夜は新妻らしくセクシーだった。
続く
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