2019年05月22日
THE SECOND STORY 俊也と真梨 <8 素性>
素性
叔父に父の話をする時、僕は卑屈になった。「僕は実父の素性も犯罪も知っています。こんな素性の男が真梨と結婚していいのかどうか。叔父さんが本当は認めたくないんじゃないか、そのことが気になってしょうがないんですが。」と切り出した。
叔父が「僕は妾の子だよ。正真正銘の不始末の子なんだ。そのうえ母は、ほかの男と結婚して、その男と心中してしまった。人の出目をとやかく言える立場じゃない。それに好きでそうなったわけじゃない。人間、そうとしか生きられない時ってあるもんだよ。」と言った。
僕は叔父の出生の話を聞いて言葉が継げなくなってしまった。裕福な出身でないことはなんとなく知っていた。しかし叔父の母親にそんないきさつがあるのは初めて知った。サラッとした言い方だったが結構ドラマチックな話だ。
叔父は「梨花は全部知ってる。だから家の中では僕は気楽だよ。梨花に、その話をして付き合いが始まった。真梨はその娘だよ。知らされなければ怒る。知らされたら理解する。そんなに馬鹿には育てていない。真梨には君から説明してやってくれ。それが礼儀だろ?」といった。
叔父は父が今は商店街で乾物屋をやっていることを知っていた。大きくはないが繁盛している。そんな中でも再婚もせず独身生活を続けているらしい、と教えてくれた
「本山さんがお前の親権を渡したのは聡に会ったからだ。聡と話したからだ。聡がお前や依子さんを幸福にできる男だと悟ったからだ。辛かったはずだ。泣いて頼まれたよ。それでも、お前たちの将来を考えて親権を放した。あの時、お前たちを幸福にできる唯一の方法だったんだ。親を甘く見るな。それより、まだ婚約してないんだから、呼び捨ては変だろう。呼び捨ては婚約してからだ。」と厳しく叱責された。なんとなしに不機嫌だったのはこれだった。
僕は、叔父に感謝した。叔父は父の消息を見ていてくれたのだった。真梨には父や母のことを話しておかなければならなかった。世間知らずで一途な真梨に、そんなおどろどろしい話をして冷静でいられるだろうかと心配だった。
一番怖かったのは婚約をやめたいといわれることだった。けっこう、いろいろなことを決心しなければならなかった。近い将来サラリーマン生活に区切りをつけることも決心した。多分、婿養子になるだろうことも決心した。
婚約破棄で最も困ることは真梨への執着心の持っていきどころがなくなってしまうことだった。叔父は「真梨はそんなに馬鹿ではない」といった。でも、恋人の父親が犯罪歴を持っていることが分かって婚約をやめることがそんなに馬鹿だとは思えなかった。
続く
最近老けた気がする
鏡を見るのが嫌
お化粧映えがしない
それ、みんなお肌の疲れです。
栄養と抗酸化物質でケアしましょう。
サプリメントならお派を内側から輝かせます。
高濃度プラセンタの栄養とアスタキサンチンの抗酸化機能が美しいあなたを作ります。
叔父に父の話をする時、僕は卑屈になった。「僕は実父の素性も犯罪も知っています。こんな素性の男が真梨と結婚していいのかどうか。叔父さんが本当は認めたくないんじゃないか、そのことが気になってしょうがないんですが。」と切り出した。
叔父が「僕は妾の子だよ。正真正銘の不始末の子なんだ。そのうえ母は、ほかの男と結婚して、その男と心中してしまった。人の出目をとやかく言える立場じゃない。それに好きでそうなったわけじゃない。人間、そうとしか生きられない時ってあるもんだよ。」と言った。
僕は叔父の出生の話を聞いて言葉が継げなくなってしまった。裕福な出身でないことはなんとなく知っていた。しかし叔父の母親にそんないきさつがあるのは初めて知った。サラッとした言い方だったが結構ドラマチックな話だ。
叔父は「梨花は全部知ってる。だから家の中では僕は気楽だよ。梨花に、その話をして付き合いが始まった。真梨はその娘だよ。知らされなければ怒る。知らされたら理解する。そんなに馬鹿には育てていない。真梨には君から説明してやってくれ。それが礼儀だろ?」といった。
叔父は父が今は商店街で乾物屋をやっていることを知っていた。大きくはないが繁盛している。そんな中でも再婚もせず独身生活を続けているらしい、と教えてくれた
「本山さんがお前の親権を渡したのは聡に会ったからだ。聡と話したからだ。聡がお前や依子さんを幸福にできる男だと悟ったからだ。辛かったはずだ。泣いて頼まれたよ。それでも、お前たちの将来を考えて親権を放した。あの時、お前たちを幸福にできる唯一の方法だったんだ。親を甘く見るな。それより、まだ婚約してないんだから、呼び捨ては変だろう。呼び捨ては婚約してからだ。」と厳しく叱責された。なんとなしに不機嫌だったのはこれだった。
僕は、叔父に感謝した。叔父は父の消息を見ていてくれたのだった。真梨には父や母のことを話しておかなければならなかった。世間知らずで一途な真梨に、そんなおどろどろしい話をして冷静でいられるだろうかと心配だった。
一番怖かったのは婚約をやめたいといわれることだった。けっこう、いろいろなことを決心しなければならなかった。近い将来サラリーマン生活に区切りをつけることも決心した。多分、婿養子になるだろうことも決心した。
婚約破棄で最も困ることは真梨への執着心の持っていきどころがなくなってしまうことだった。叔父は「真梨はそんなに馬鹿ではない」といった。でも、恋人の父親が犯罪歴を持っていることが分かって婚約をやめることがそんなに馬鹿だとは思えなかった。
続く
最近老けた気がする
鏡を見るのが嫌
お化粧映えがしない
それ、みんなお肌の疲れです。
栄養と抗酸化物質でケアしましょう。
サプリメントならお派を内側から輝かせます。
高濃度プラセンタの栄養とアスタキサンチンの抗酸化機能が美しいあなたを作ります。
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/8827465
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック