2019年05月19日
THE SECOND STORY 俊也と真梨 <5 作戦>
作戦
真梨は、この年単位不足で留年した。叔父か叔母と一緒でなければ外出ができなくなっていた。友人関係は、ほとんど切れてしまったようだった。残ったのは幼稚園から付き合いのある2人だけだった。
友人たちの逮捕劇が終わって真梨は大学へ行くようになったが寄り道は一切しなかった。親しい友人が時々家に遊びに来るだけになっていた。
叔父は心配して時々僕に真梨を食事に連れ出すように頼んだ。僕は、この世間知らずの従妹のお守りに少し疲れていた。そのころ会社の同僚の女性との付き合いが始まっていた。
その日も真梨のお守りを頼まれた。叔父と叔母が仕事関係の宴席に出るというので、夜二人で留守番をしていた。真梨は長時間一人で家にいることができなかった。
僕がテレビに夢中になっていた時に、突然真梨の部屋から軽い悲鳴が聞こえた。「お兄ちゃん、来て!お兄ちゃん!お兄ちゃん!」と呼ばれて、慌てて二階の真梨の部屋へ駆け込んだ。
真梨がこちらに背中を向けてベッドの横の何かを見ていた。ゴキブリか何かだろうと思って僕もそばへ行った。その時いきなり真梨が振り向いた。僕は、前へつんのめって真梨にかぶさるように倒れてしまった。慌てて身体を離そうとしたが真梨の腕が僕の腰に巻き付いていて離れることができなかった。
「どうした?こんなとこ叔父さんに見られたらどんなことになるかわかってるか?」僕は、こんなようなことを言ったようだが、それよりも先に感情に呑まれてしまった。
「わたしのこと嫌い?わたしのこと嫌い?」真梨は何度も同じことを聞いた。そんなことは考えたこともなかった。子供の時から知っている小さな従妹だった。それでも僕は自分を制御することができなかった。
真梨は外からの印象よりも豊かな体だった。「いつの間にこんなに大人になってたの?こんな悪い作戦、誰が考えたの?」と聞くと真梨は「海外ドラマでやってたの。どうしても、初めてはお兄ちゃんがよかったの。」と答えた。
真梨に「ホントの初めて?」と聞くとこっくりうなづいた。僕は戸惑った。僕は全く初めての相手との経験はなかった。でも、その時の僕は真梨の胸をもっと感じたくて真梨を強く抱きしめていた。
真梨は僕が戸惑っていたとは気付くはずもなかった。家庭教師なら、ちゃんと教えてくれると思っているのかもしれなかった。
真梨は抱きしめられたまま身体を固めて動かなかった。僕はずいぶんてこずってしまった。結局のところ僕にはなんだか消化不良のようなモヤモヤが残ってしまった。「感じた?」と聞くと、真梨は涙まみれの顔で「わかんない。」と答えた。「このままでは終われない」奇妙な未達成感が湧いてきた。
僕は「明日僕の部屋へおいで。もっとちゃんと丁寧に勉強しよ。」と誘った。真梨はまた、こっくりとうなづいた。全く初めてで男をだまして関係を持って誘われたら家にも来る。真梨の大胆さに驚いた。
世間知らずなのか生まれついての奔放なのか僕にはよくわからなかった。ただ、突然降ってわいた濃厚な蜂蜜の誘惑に勝てるほど僕は成熟していなかった。
僕は、いつも通りリビングでコーラを飲みながらポテトチップスを食べた。真梨は部屋の空気を入れ替えて明かりを消したあとリビングに降りてきた。二人並んでホラー映画をみた。二人とも無表情を作った。
僕は叔父夫婦が帰ってきてすぐに叔父の家を出た。外に出たときにホッとして大きなため息が出た。泊まっていけと勧められたが、明日約束があるといって帰宅した。明日の約束とは、さっきかわした真梨との約束だった。
本当は、会社の同僚の女の子と会う約束をしていた。僕は真梨とその子を両天秤にかけた。僕の天秤はものの見事に真梨に傾いて倒れた。20代の僕には、これからデートを重ねて親密になるように努力しなければいけない相手と、自分から身を投げ出してくる相手なら後者の方が圧倒的に魅力的だった。
突然親が上京することになったと嘘をついて会社の子との約束をキャンセルした。その子とはそれっきりになってしまった。
続く
お肌のクスミやタルミが気になりだしたあなた
年齢よりも老けて見られてしまうあなた
高濃度プラセンタとアスタキサンチンがお肌を内側から輝かせます。
真梨は、この年単位不足で留年した。叔父か叔母と一緒でなければ外出ができなくなっていた。友人関係は、ほとんど切れてしまったようだった。残ったのは幼稚園から付き合いのある2人だけだった。
友人たちの逮捕劇が終わって真梨は大学へ行くようになったが寄り道は一切しなかった。親しい友人が時々家に遊びに来るだけになっていた。
叔父は心配して時々僕に真梨を食事に連れ出すように頼んだ。僕は、この世間知らずの従妹のお守りに少し疲れていた。そのころ会社の同僚の女性との付き合いが始まっていた。
その日も真梨のお守りを頼まれた。叔父と叔母が仕事関係の宴席に出るというので、夜二人で留守番をしていた。真梨は長時間一人で家にいることができなかった。
僕がテレビに夢中になっていた時に、突然真梨の部屋から軽い悲鳴が聞こえた。「お兄ちゃん、来て!お兄ちゃん!お兄ちゃん!」と呼ばれて、慌てて二階の真梨の部屋へ駆け込んだ。
真梨がこちらに背中を向けてベッドの横の何かを見ていた。ゴキブリか何かだろうと思って僕もそばへ行った。その時いきなり真梨が振り向いた。僕は、前へつんのめって真梨にかぶさるように倒れてしまった。慌てて身体を離そうとしたが真梨の腕が僕の腰に巻き付いていて離れることができなかった。
「どうした?こんなとこ叔父さんに見られたらどんなことになるかわかってるか?」僕は、こんなようなことを言ったようだが、それよりも先に感情に呑まれてしまった。
「わたしのこと嫌い?わたしのこと嫌い?」真梨は何度も同じことを聞いた。そんなことは考えたこともなかった。子供の時から知っている小さな従妹だった。それでも僕は自分を制御することができなかった。
真梨は外からの印象よりも豊かな体だった。「いつの間にこんなに大人になってたの?こんな悪い作戦、誰が考えたの?」と聞くと真梨は「海外ドラマでやってたの。どうしても、初めてはお兄ちゃんがよかったの。」と答えた。
真梨に「ホントの初めて?」と聞くとこっくりうなづいた。僕は戸惑った。僕は全く初めての相手との経験はなかった。でも、その時の僕は真梨の胸をもっと感じたくて真梨を強く抱きしめていた。
真梨は僕が戸惑っていたとは気付くはずもなかった。家庭教師なら、ちゃんと教えてくれると思っているのかもしれなかった。
真梨は抱きしめられたまま身体を固めて動かなかった。僕はずいぶんてこずってしまった。結局のところ僕にはなんだか消化不良のようなモヤモヤが残ってしまった。「感じた?」と聞くと、真梨は涙まみれの顔で「わかんない。」と答えた。「このままでは終われない」奇妙な未達成感が湧いてきた。
僕は「明日僕の部屋へおいで。もっとちゃんと丁寧に勉強しよ。」と誘った。真梨はまた、こっくりとうなづいた。全く初めてで男をだまして関係を持って誘われたら家にも来る。真梨の大胆さに驚いた。
世間知らずなのか生まれついての奔放なのか僕にはよくわからなかった。ただ、突然降ってわいた濃厚な蜂蜜の誘惑に勝てるほど僕は成熟していなかった。
僕は、いつも通りリビングでコーラを飲みながらポテトチップスを食べた。真梨は部屋の空気を入れ替えて明かりを消したあとリビングに降りてきた。二人並んでホラー映画をみた。二人とも無表情を作った。
僕は叔父夫婦が帰ってきてすぐに叔父の家を出た。外に出たときにホッとして大きなため息が出た。泊まっていけと勧められたが、明日約束があるといって帰宅した。明日の約束とは、さっきかわした真梨との約束だった。
本当は、会社の同僚の女の子と会う約束をしていた。僕は真梨とその子を両天秤にかけた。僕の天秤はものの見事に真梨に傾いて倒れた。20代の僕には、これからデートを重ねて親密になるように努力しなければいけない相手と、自分から身を投げ出してくる相手なら後者の方が圧倒的に魅力的だった。
突然親が上京することになったと嘘をついて会社の子との約束をキャンセルした。その子とはそれっきりになってしまった。
続く
お肌のクスミやタルミが気になりだしたあなた
年齢よりも老けて見られてしまうあなた
高濃度プラセンタとアスタキサンチンがお肌を内側から輝かせます。
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