2019年05月12日
家族の木 THE FIRST STORY 真一と梨花 <60 二人の孫>
二人の孫
俊也と真梨のあいだに子供が生まれた。僕の初孫だった。自分が孫というものを持つこと自体が不思議な気がした。絵梨と名付けられた。俊也によく似た美しい女の子だ。その後真梨が妊娠することは無かった。俊也も僕たちも特にそれを不満に思ってはいなかった。一番不満に思っていたのは真梨自身だった。真梨は一人っ子なので寂しかったのだと思う。
俊也夫婦は絵梨が4歳になった時に一人の男の子を養子にした。名前は純一。純一は大阪の聡一が結婚してから他の女性との間に生まれた子供でまだ1歳になっていなかった。その母親は交通事故で亡くなっていた。本来は聡一夫婦が引き取るべき子供だった。しかし聡一の妻は神経質で心が弱いということだった。
純一は僕と似た立場だった。聡から相談があったとき僕は放っておくことができなかった。僕も母が父の愛人で中学生の時に母を亡くしている。僕の場合はその時には父も無くなっていたので祖父母に育てられた。もし、聡と新幹線でしありあわなかったら今頃どうなっていたかわからない身の上だ。僕の気持ちを梨花もよく理解してくれた。
最初は僕たち夫婦の養子にするつもりだったが真梨が自分の養子にしたいといってきかなかった。普段あまり人に突っかかるようなことのない真梨が自分の息子だと言い張って聞かなかった。たぶん縁というものなのだろうと思った。俊也にとっては甥だ。真梨にとってもまたいとこにあたる。無理な話ではなかった。
純一は特別養子として引き取られてきた。自分が養子と知らないまま育った。僕たちも、いつの間にか純一が養子だということを忘れていた。絵梨も一人っ子の立場が寂しかったと見える。
純一は最初は表情のない赤ん坊だったが一年もたてば、絵梨と二人でキャッキャと笑う子供になっていた。二人のほほえましい様子を見ていると心が和んだ。
世の中をひがんで生きていた僕は、今孫たちにおじいちゃんと呼ばれている。梨花はおばあちゃんだ。二人とも孫たちのことになると顔が緩みっぱなしになる。いい年寄りになったもんだ。
続く
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俊也夫婦は絵梨が4歳になった時に一人の男の子を養子にした。名前は純一。純一は大阪の聡一が結婚してから他の女性との間に生まれた子供でまだ1歳になっていなかった。その母親は交通事故で亡くなっていた。本来は聡一夫婦が引き取るべき子供だった。しかし聡一の妻は神経質で心が弱いということだった。
純一は僕と似た立場だった。聡から相談があったとき僕は放っておくことができなかった。僕も母が父の愛人で中学生の時に母を亡くしている。僕の場合はその時には父も無くなっていたので祖父母に育てられた。もし、聡と新幹線でしありあわなかったら今頃どうなっていたかわからない身の上だ。僕の気持ちを梨花もよく理解してくれた。
最初は僕たち夫婦の養子にするつもりだったが真梨が自分の養子にしたいといってきかなかった。普段あまり人に突っかかるようなことのない真梨が自分の息子だと言い張って聞かなかった。たぶん縁というものなのだろうと思った。俊也にとっては甥だ。真梨にとってもまたいとこにあたる。無理な話ではなかった。
純一は特別養子として引き取られてきた。自分が養子と知らないまま育った。僕たちも、いつの間にか純一が養子だということを忘れていた。絵梨も一人っ子の立場が寂しかったと見える。
純一は最初は表情のない赤ん坊だったが一年もたてば、絵梨と二人でキャッキャと笑う子供になっていた。二人のほほえましい様子を見ていると心が和んだ。
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