2019年05月04日
家族の木 THE FIRST STORY 真一と梨花 <52 詐欺>
詐欺
梨花と喧嘩をした翌日、妊娠の話に決着をつけるために女が働くクラブへ出向いた。
もし本当だったら、やはり援助し続けるしかないだろう。また自己嫌悪につかまってしまった。
なぜ自分が一番嫌いなことを繰り返したんだ。
若いころ真由美という人妻と関係を持った捨て鉢な気分がよみがえっていた。
店へ行くと、ちょうど、その店のオーナーも来ていた。女に事情を聴いているようだった。
僕の顔を見て「申し訳ございません。奥さまに失礼なことをしたそうで。ずいぶんご気分を害されたでしょうね。」と頭をさげられた。
家で大きな揉め事になったことは僕の疲れ切った顔を見たら誰でもわかったと思う。
「美香さんはもう出勤しておられますか?」と、ことさら丁寧な口調で尋ねた。
オーナーは「はい、先ほどまでおりましたがクビにいたしました。」と答えた。
「いや、私としては事実を確認しないことには、どのように対処していいものか判断いたしかねます。
美香さんと話したいのですが。」と言うと「そんな必要ございませんですよ。
本当にお恥ずかしい話なんですが、嘘だったんですよ。
嘘をついて奥様からお金をせしめようとしたんですよ。
社長様ご本人では、ごまかしかねるので、わざと奥様に直接お話ししたようです。
良家の奥様なら騙しやすいと思ったそうです。本当に、私どもの教育不足です。
嘘をついてお金を取るなんて詐欺でございますからクビにいたしました。」という話だった。
僕は、余りのあほらしさに腰が砕けそうになった。
オーナーは平謝りに謝ってくれた。
その時に店のオーナーから「奥様大した方でございますね。本物の良家の奥様ですよ。
つまらない詐欺女なんか相手にもなりません。」と言って、その時の梨花の返事を教えてくれた。
梨花は「生まれてきた子供は私の子供だから私が引き取る。慰謝料も何もかもすべてきちんとするが、子供は私の子供だから養育費は払わない。引き取って育てる。田原真一の精子は一匹残らず全て自分のものだからその子供も自分の子供だ。誰にも渡さない。きちんと愛情をかけて育てるから心配するな。」と答えたそうだ。
僕は顔から火が出た。恥ずかしさにうなりながら店を出たのだった。
このことを早く聞いていれば昨夜のようなことにはならなかったかもしれない。
ひたすら土下座をすれば治まっていたかもしれない。
今更何を思ってもしょうがないことだった。
一度ふるった暴力が、なかったことにはならなかった。
続く
サプリメントにしかできないこともある!
加齢や過労などでハリや透明感を無くしたお肌は化粧品では元に戻りません。
お肌の内側から優れたケアをするしかないのです。
高濃度のプラセンタ液がお肌を内側から輝かせます。
梨花と喧嘩をした翌日、妊娠の話に決着をつけるために女が働くクラブへ出向いた。
もし本当だったら、やはり援助し続けるしかないだろう。また自己嫌悪につかまってしまった。
なぜ自分が一番嫌いなことを繰り返したんだ。
若いころ真由美という人妻と関係を持った捨て鉢な気分がよみがえっていた。
店へ行くと、ちょうど、その店のオーナーも来ていた。女に事情を聴いているようだった。
僕の顔を見て「申し訳ございません。奥さまに失礼なことをしたそうで。ずいぶんご気分を害されたでしょうね。」と頭をさげられた。
家で大きな揉め事になったことは僕の疲れ切った顔を見たら誰でもわかったと思う。
「美香さんはもう出勤しておられますか?」と、ことさら丁寧な口調で尋ねた。
オーナーは「はい、先ほどまでおりましたがクビにいたしました。」と答えた。
「いや、私としては事実を確認しないことには、どのように対処していいものか判断いたしかねます。
美香さんと話したいのですが。」と言うと「そんな必要ございませんですよ。
本当にお恥ずかしい話なんですが、嘘だったんですよ。
嘘をついて奥様からお金をせしめようとしたんですよ。
社長様ご本人では、ごまかしかねるので、わざと奥様に直接お話ししたようです。
良家の奥様なら騙しやすいと思ったそうです。本当に、私どもの教育不足です。
嘘をついてお金を取るなんて詐欺でございますからクビにいたしました。」という話だった。
僕は、余りのあほらしさに腰が砕けそうになった。
オーナーは平謝りに謝ってくれた。
その時に店のオーナーから「奥様大した方でございますね。本物の良家の奥様ですよ。
つまらない詐欺女なんか相手にもなりません。」と言って、その時の梨花の返事を教えてくれた。
梨花は「生まれてきた子供は私の子供だから私が引き取る。慰謝料も何もかもすべてきちんとするが、子供は私の子供だから養育費は払わない。引き取って育てる。田原真一の精子は一匹残らず全て自分のものだからその子供も自分の子供だ。誰にも渡さない。きちんと愛情をかけて育てるから心配するな。」と答えたそうだ。
僕は顔から火が出た。恥ずかしさにうなりながら店を出たのだった。
このことを早く聞いていれば昨夜のようなことにはならなかったかもしれない。
ひたすら土下座をすれば治まっていたかもしれない。
今更何を思ってもしょうがないことだった。
一度ふるった暴力が、なかったことにはならなかった。
続く
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