2019年06月10日
THE SECOND STORY 俊也と真梨 <26 留学と結婚>
留学と結婚
純一は女遊びが派手な割には会計士試験にはきちんと合格していた。誰にも文句を言わせなかった。絵梨は大学院を卒業して僕の会社で運営する幼児教室の講師として働いた。
そんな時、純一から留学の話が出た。アメリカで国際会計の勉強をしたいということだった。特に反対する理由もなかった。その話が出たころから純一は変わった。ルーズな異性関係が治まった。服装も高価なブランドものは着なくなった。やっと大人になったかと真梨と一安心したものだ。
同じ時期には絵梨が結婚したいと言い出した。熱心に取り組んでいた幼児教育講師も一旦やめたいと言い出した。とにかく結婚を前向きに考えてみたいということだった。これもごく普通の話で親としては前向きに協力すると話した。兄弟は時を同じくして地道な大人への道を歩き出した。
大阪の親戚から絵梨の縁談が舞い込んだ。聡一の奥さんの知人の紹介だった。総合病院を経営する家の一人息子の嫁にという話だったが小樽だということで、僕も真梨も気乗りしなかった。東京近郊、せめて関東地区で話を進めたかったが絵梨が乗り気だった。
確かに経済的には恵まれた結婚のようだったが、いくら何でも遠すぎる。絵梨は一人娘だ。
素行もいいし学歴も悪くない。特に大金持ちである必要もない。何もそんなに遠くへ嫁がなくてもいいと思った。近くにいて欲しかった。純一も8月には渡米してしまう。なにも兄弟してそんな遠くへ行く必要はないはずだった。僕たち夫婦は急に寂しい思いをすることになった。
形式ばったお見合いの席が設けられた。実は僕も真梨もそういった事には全く知識がなかった。何もかも大阪へ相談した。当日、絵梨と真梨は和服、僕はダークスーツだった。この時も絵梨の美貌は際立っていた。純一は心なしか寂しそうだった。僕たちもあまり気乗りしていなかった。断られたらいいと思っていた。
しかし先方が絵梨をずいぶん気に入ったらしい。話は性急に進んだ。昔ながらの嫁入り支度が必要な家だった。僕も真梨も初めてのことばかりで常に先方に気兼ねしていた。見合いから半年で絵梨は嫁いでいった。結婚式は小樽のホテルで行われたが、あまりにも盛大だったので少々驚いた。
新婚旅行はハワイで成田に一泊したはずだが、こちらに挨拶はなく小樽に帰ってしまった。真梨はずいぶん寂しがった。僕もなにか割り切れない気がした。純一は結婚式には出席しなかった。この時すでにアメリカへ旅立った後だった。先方では少し気分を壊したようだった。今まで親戚づきあいで気を使った経験がない僕らは、こういうことに幼稚だった。
絵梨からは時々手紙が来ていたが、何ということもない近況報告だった。何も書いていないということはうまくいっているということだと思うしかなかった。真梨は何かと届け物をした。姑さんから丁重な礼状が届いていた。真梨としては精いっぱいのコミニュケーションだった。
続く
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同じ時期には絵梨が結婚したいと言い出した。熱心に取り組んでいた幼児教育講師も一旦やめたいと言い出した。とにかく結婚を前向きに考えてみたいということだった。これもごく普通の話で親としては前向きに協力すると話した。兄弟は時を同じくして地道な大人への道を歩き出した。
大阪の親戚から絵梨の縁談が舞い込んだ。聡一の奥さんの知人の紹介だった。総合病院を経営する家の一人息子の嫁にという話だったが小樽だということで、僕も真梨も気乗りしなかった。東京近郊、せめて関東地区で話を進めたかったが絵梨が乗り気だった。
確かに経済的には恵まれた結婚のようだったが、いくら何でも遠すぎる。絵梨は一人娘だ。
素行もいいし学歴も悪くない。特に大金持ちである必要もない。何もそんなに遠くへ嫁がなくてもいいと思った。近くにいて欲しかった。純一も8月には渡米してしまう。なにも兄弟してそんな遠くへ行く必要はないはずだった。僕たち夫婦は急に寂しい思いをすることになった。
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絵梨からは時々手紙が来ていたが、何ということもない近況報告だった。何も書いていないということはうまくいっているということだと思うしかなかった。真梨は何かと届け物をした。姑さんから丁重な礼状が届いていた。真梨としては精いっぱいのコミニュケーションだった。
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