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2014年12月12日
早稲田大学・政治経済学部2006年度(私大漢文・其の001)漢文大航海・其の003
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【私大漢文・其の001】
漢文大航海・其の003
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早稲田大学・政治経済学部2006年度
顏回曰、夫子之道至大、故天下莫能容。
この漢文がどういう内容なのか?
分析!
◆漢文スラッシュコンパス
顏回曰、 / 夫子之 / 道 / 至大、 / 故 / 天下 / 莫能 / 容。 /
↓
顔回(がんかい)曰(いは)く / 夫子(ふうし)の / 道は / 至大(しだい)なり、 / 故(ゆゑ)に / 天下に / 能(よ)く莫(な)し / 容(い)るる /
↓
顔回が言った / 先生の / 道は / 非常に大きいです / だから / 世の中に / することができるものはない / 受け入れることが(できるものはない) /
◆漢字コンパス
・曰(い)はく 「〜けれども」
・夫子(ふうし) 「男子の尊称」
・至大(しだい) 「非常に大きい」
・無能A(よくAなし) 「Aすることができるものはいない」
◆解説コンパス
・「曰(い)はく」
意味は単純に「話す、言う」を意味しますが、でも私たちも何気に目にしています。
「曰(いわ)くつきの物件」とか「曰くつきの部屋」とか見たり聞いたことがある人は多いと思います。
この「曰くつき」の意味を把握していますか?
私、今回きちんと調べて「曰くつき」の意味をきちんと知らなかったことを痛感しました。
いわく‐つき〔いはく‐〕【×曰く付き】
1 何かよくないいきさつやこみいった事情のあること。また、そういうもの。「―の絵」
2 よくない前歴があること。「―の選手」
今回の「曰(いは)く」を通して現代文の語句力に見事にリンクしたと思います。
・夫子(ふうし) 「男子の尊称」
国語辞典から♪
そん‐しょう【尊称】
尊敬の気持ちをもって呼ぶ表現。
あなたを「貴殿」、天皇を「陛下」、師を「先生」、父親を「父上」「おとうさま」と呼んでいることがこれに当たります。
この話では、先生と弟子の話なので「先生」と現代語訳するのが適切です。
・至大(しだい) 「非常に大きい」
国語辞典から♪
し‐だい【至大】
[名・形動]この上もなく大きいこと。また、そのさま。多く、目に見えない、形のないものについていう。「―な(の)業績」「至高―」
いたり【至り】
1 ある物事が最高の状態に達していること。極み。「感激の―」「光栄の―」
「最高+大きい→非常に大きい」
となります。
これも漢文限定の言葉ではなく、現代でも使われている言葉なので現代文の勉強にもつながりました。
・無能A(よくAなし) 「Aすることができるものはいない」※無に「二点」、Aに「一点」がつきます。
漢文特有の表現です。大体の漢文の語句を説明している書籍には載っています。
漢文の「能(よ)く」は可能の意味「できる」の意味です。
「できる+無い→できるものはいない」
となります。
・容(い)る 「受け入れる」
容器の容です。これに「受け入れる」の意味があるのはこう考えてみて下さい。
許容範囲
容認されている
寛容な人
これら全て「受け入れる」の意味で使われています。
なので、入れ物以外にも受け入れるの意味があるのは、現代語でも同じです。
漢文からちょっと離れますが、私口癖のように
「日本人だから日本語をマスターしたと思ってはいけない!」
と言ってます。
現代文の問題で「次の語句の意味を答えなさい」と言う問題がセンター試験第二問でも問われたりします。
言葉を見ると聞いたことあるし、何気なく使っているけど意味を家となると戸惑う言葉が結構多かったりします。
例)「みもふたもない」、「不意をつかれる」、「物心ついた」
私も知らなかったと思い知ることが多々あります。
なので、漢文を通して漢字力や語彙力を上げられるのでこんなお得な科目はないと最近は思っております。
今回は以上になります。
お読みいただきありがとうございました!
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2014年12月04日
センター試験1993年度(センター漢文・其の002)漢文大航海・其の002
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【センター試験 No,002】
漢文大航海 其の002
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センター試験1993年度本試
好学而不勤問、非真能好学者也。
この漢文がどういう内容なのか?
分析!
◆漢文スラッシュコンパス
好 / 学 / 而 / 不勤 / 問、 / 非 / 真 / 能 / 好/ 学 / 者 / 也。 /
↓
好(この)むも / 学(まな)ぶを / 而(じ) / 勤(つと)めざれば / 問うに / 非(あら)ざる / 真に / 能(よ)く / 好む / 学ぶを / 者に / なり /
↓
好きでも / 学ぶ事を / テ、デ、シテ、ドモ / 取り組まなければ / 問いかける事に / ではない / 本当に / できる / 好き(になる事ができる) / 学ぶことを / (学ぶ事が好きになる事ができる)者(ではない) / である /
◆漢字コンパス
・而(じ) 「〜けれども」
・非(あら)ざる 「〜ではない」
・能(よ)く 「〜できる」
・也(なり) 「〜である(断定)」※書き下し文の時はひらがなにする
◆解説コンパス
・「而(じ)」
置き字で有名な漢字です。
置き字以外の働きをする時もありますが、ここでは置き字として使っています。
世間一般では「読まないもの」として扱われていますが、あえて私は読むようにしています。
「置き字は読まない=そこには言葉の意味がない」
と思っている人が意外に多かった事に驚かされました。
「置き字を普段は読まないけど、きちんと意味がある」
というのをきちんと感じてもらうために「而」の意味の
「〜で、〜して」(順接)
「〜けれども、〜が」(逆説)
の意味を含む「テ、デ、シテ、ドモ」と解釈してもらいます。
「而(じ)テ、デ、シテ、ドモ」
と言う具合に。
・「不勤」
勤めざれば
「不」=ず
古文の助動詞「ず」です。
「勤」=物事に励む→(一生懸命に)取り組む
・「非」
非(あら)ず=〜ではない
非常識も「常識に非ず→常識的じゃない」と考えれば、我々現代人でもしっくりくると思います。
・「能」
能(よ)く=〜できる
英語の「can、be able to〜」に当たります。
・「也」
也(や)=〜である
断定、つまりは言い切る表現方法です。書き下し文にする時にはひらがなで書きます。
ご存知の通り、和也とか拓也とか人名でも使われる漢字です。
現代語では、他にも「なり」とも読みます。
私、昔そろばんをやってて「願いましては、1円なり、10円なり」と何回も耳にしてきました。
その「なり」も漢字ではこの「也」です。
今回は以上になります。
お読みいただきありがとうございました。
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タグ:漢文
2014年12月03日
センター試験1991年度(センター漢文・其の001)漢文大航海・其の001
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【センター試験 No,001】
漢文大航海 其の001
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センター試験1991年度本試
勿遽取捨於其問
この漢文がどういう内容なのか?
分析!
◆漢文スラッシュコンパス
勿 / 遽 / 取捨 / 於 / 其間 /
↓
勿(なか)れ / 遽(にわか)に / 取捨する(勿れ) / 其の間に /
↓
〜してはいけない / いきなり / 選ぶことを(してはいけない) / その間に /
◆漢字コンパス
・勿(なか)れ 「〜してはいけない」
・遽(にわか)に 「いきなり」
・取捨する 「選ぶ」
◆解説コンパス
・「勿」
勿(なか)れ=〜してはいけない
漢文のテキストには大体書いている有名な語句ですね☆
でも、実は大体の人がお目にかかったことがある漢字です☆
「勿論」
何と読むでしょう?
大体の人が想像つく通り、もちろん
「もちろん」
と読みます。(笑)
「勿論」の意味を国語辞典で引くとこう書いてあります。
「言うまでもない」
「勿論」を漢文風に読むと
「論(ろん)ずる勿れ」→意見を言うな→言うまでもない
となるのです。
なので、私たちは自然と「勿(なか)れ」を使っていたのです☆
・「遽」
「にわかに」と読みます。
「にわか」と言ったら「にわか雨」とか「にわか仕込み」といった言葉を思い浮かべませんか?
「にわか雨のにわかってどういう意味か分かる?」
と聞いて即答できた人は少なかったです。
「にわか」=いきなり、突然
※漢字で書くと「俄か」と書きます。ちなみに、漢検準1級の漢字です。
と言うのもせっかくなので覚えておいてください☆
この難しく見える漢字「遽」は実は何気なくお目にかかっていますよ☆
「きゅうきょ、帰らなきゃいけなくなった!」
とか言いますよね?
この「きゅうきょ」を漢字で書くと、「急遽」!
急遽=突然
なので、「遽」にいきなり、突然の意味があっても不思議ではないのです。
・「取捨」
「取捨択一」、「取捨選択」という言葉を聞いたことがあると思います。
「取って、捨てる」
今、勉強するという選択肢を捨てて、飯を食べるという選択肢を取る!
そう考えたら「取捨」に「選ぶ」という意味があるのも違和感はないと思います。
記念すべき、第一回目の執筆でした☆
お読みいただきありがとうございました!
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